2016/10/15

「標準化と品質管理」誌2016年11月号に記事が掲載

10月15日発売の「標準化と品質管理」誌11月号に、「これでわかった!超実践 品質工学」の小論を寄稿しました。

こちらで「ちら見」できます。
http://www.fujisan.co.jp/library/viewer/1425077/sample

同名の書籍のエッセンスが数ページにまとまっていますので、書籍を買うほどではないがさっと概要をつかみたい方、書籍を買おうかどうか迷っている方、書籍内容を上司や研修担当に手っ取り早く紹介したい方、新人や部下などにまずさっと超実践 品質工学の内容をつかんでもらおうと思っている方、などに活用していただけるのではないかと思います。いきなり直交表!ではない切り口は、べテランの方や、コンサルタントの方にも気づきのある内容になっていると自負しています。

株式会社ジェダイト(JADEITE:JApan Data Engineering InstituTE)

2016/10/08

標準化と品質管理全国大会2016 終了

 2016年10月6日、7日の2日間で盛大におこなわれました標準化と品質管理全国大会2016 が成功裏に終了しました。話では、1300名もの参加申し込みがあったとのことです。

 下名は2日目の11:30~12:40の品質セッションに参加。「これでわかった! 超実践 品質工学」と題して講演を行いました。350名定員のホールが満員となり、お蔭さまで大盛況でした。講演では、開発設計現場に寄り添った品質工学の進め方の紹介を中心に、機能性評価(開発設計上流での品質の見える化)における機能定義とノイズ因子抽出の重要性を紹介しました。

 ■当日のスライド講演資料は後日、上記大会のHPに掲載される予定です。

 質疑応答はメーカやコンサルティングファームの方から、計3件でした。①ソフトウェアや、ソフトウェアと連携して動くハードウエアの評価方法について、②三菱電機における品質工学の推進方法の工夫について、③自動化できる部分とできない部分の区別と後者の場合の対応方法について、でした。

 セッションの司会は、リコーの細川さんに行っていただきました。おかげ様で大会場でもリラックスして講演を進めることができました。さらに、手島さんやのっぽさんなど、数多くの品質工学関係者の方にもご参席いただきました。あわせて御礼申し上げます。

 講演後は、書籍売り場に出向いて販売支援を・・・と思い講演後すぐに駆け付けたのですが、うれしいことに、下名が到着したときには、著書は完売しており、郵送販売のみになっていました。新聞掲載以来、アマゾンのほうも売り切れとなっている状態で、すぐに読まれたい方には申し訳なかったですが、うれしい悲鳴でもありました。たくさんの聴講者のかたから「わかりやすかった」「当社でも実施していかなくてはならないと感じた」などのご感想をいただき、名刺交換や、今後のおつきあいの話などいろいろと発展がありました。非常に有意義な大会だったと思います。

 最後になりましたが、非常に大きな大会で日本規格協会の方々のご準備は大変なものであったと想像します。理事や役員クラスの方から多数のご挨拶もいただきました。ここに御礼申し上げます。

 今回の講演を聞き逃した方は、11/22(火)の京都品質工学研究会にて今回講演の拡大版(2時間以上)の内容で講演いたしますので、ご興味のある方は下記までお問合せください。

京都品質工学研究会事務局
京都府中小企業技術センター 基盤技術課(山口)

TEL 075-315-8633 FAX 075-315-9497
E-mail qe@mtc.pref.kyoto.lg.jp

株式会社ジェダイト(JADEITE:JApan Data Engineering InstituTE)

2016/10/06

品質工学シンポジウムinおおさか 終了

 本日10月6日、エルおおさかで「品質工学シンポジウム in おおさか」が盛大に開催され、成功裏に終了いたしました。・・・いや、まだ懇親会は続いていますね。

 いま、伊丹空港で羽田行きの飛行機を待っているところです。明日7日の「標準化と品質管理全国大会」で講演があるため、後ろ髪を引かれながら上記懇親会を30分で抜け出してきたところです(泣)。

 さてそのシンポジウム。今回はそれぞれに面白いテーマがそろい、質疑応答も時間ぎれ続出で大変盛り上がったのではないかと思います。

 もうすぐ搭乗時刻ですので、個々のテーマのコメントは別便にて。。。



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10/8追記
下記の5事例と出版記念講演が発表された。概要と感想を簡単に示しておく。

招待事例
「むき身カキの鮮度保持技術の開発」 高辻 英之     広島県立総合技術研究所

鮮度低下の速いむき身カキの流通範囲拡大を狙い、カキの鮮度評価技術開発と、鮮度保持設計を実施した事例。個別の研究としてはユニークで評価できる。最後に損失関数による改善効果が示されていたが、カキの冷却や遠隔地までの輸送などのエネルギー損失まで計算に入れておけばより「マクロな視点」の研究になったのではないか。

中部品質工学研究会
「MTシステムへの1提案-APRT法の考え方と手順-」 出島 和宏  ブラザー工業
「APRT法のメリットと適用例」 井上 清和  アイテックインターナショナル

コンサルティングファームを経営されている井上社長から、主成分の分布と特徴に活用した新しいMTシステムの一提案が示された。さまざまな事例で優位性が示されており、解析の1つの選択肢になりそうだ。解析の最終ステップでRT法を用いるために、特徴データ(主成分得点Z/固有値λ)を累積しているが、累積はデータを平均化させる作用があり情報損失につながるのではないかと考える。単位空間のZ/λを信号として素直に動特性で評価したらどうなるのか、興味をひいた。

出版記念講演
 「ロバストネスの最適化による開発期間の短縮とコスト低減」 田口 伸    ASI

新刊「タグチメソッドメソッド入門」によせた講演。さまざまな話が展開されたなかで、下名からは「開発期間の短縮達成のための考え方」の「単に要求を測って要求を満たすのではなく、機能を測って機能の効率とロバストネスを最適化する」の部分について質問した(他の聴講者が少し疑問に思ってるのではないかと思う内容を、先回りしてあえて質問させていただいた)。おおかたの開発設計現場では「単に要求を満たす」のが大変だからである。開発設計期間の大半が、機能設計や性能確保に追われ、開発終盤で発現する不具合に悩んでいるのである。リソースが限られたなかでなかなかパラメータ設計という直交表の実験は行いにくい。これに対してどうすればよいかということである。田口伸氏は「理想論だが」と前置きした回答(省略)であったが、そのうえで下名としてはどうすればよいかを考えていきたいのである。

滋賀品質工学研究会
 「エアーブローの機能性評価」 日指英雄  村田製作所

圧電素子デバイスの金属接着部分の剥離不良を撲滅するために、金属接着部の荷重変異特性の変化の計測で評価時間を大幅に減らした事例。王道の機能性評価のテーマである。少し気になったのは、繰り返し荷重で剥離不良がでたので、ノイズも繰り返し荷重としているが、これでは再発防止にしかならない。接着剤の変更をともなっているので、温度や湿度の影響、新しい接着剤からのアウトガスによる回りの部品に対する影響など、変更点に対して留意しておくべき点はいくつかあったように思う。

京都品質工学研究会
 「経営戦略としての品質工学」 芝野 広志  京都府中小企業特別技術指導員 TM実践塾

MTシステムを用いて、業績を予測したり、また業績をロバストにするための設計を検討した研究。研究テーマじたいが壮大で早々に成果がでるものではないため、研究は緒に就いたところである。後半の設計の部分よりも、まずは前半の予測をできるようにすることが先決であろう。本ブログの投稿にも書いたが、予測精度は少なくとも「前期と同じ」と予測した場合よりもよくなければならない。「前期と同じ」と予測した場合でも、業績の真値と予測値の相関はある程度高くなってしまうのである。「前期とくらべてどれだけ業績が変化するか」を予測するのが正解である。

関西品質工学研究会
「SKYACTIV開発への品質工学の適用」  武重 伸秀  マツダ

HV、EV自動車全盛の時代に、内燃機関エンジンのパフォーマンス向上に品質工学などの管理技術を総動員してSKYAVTIVを開発、上市し、業績をV字回復させた。ポイントは、エンジンが有効な仕事をできるように、4つの低減すべき損失から、7つの開発すべき基本技術にばらしたところ、さらにその技術をシミュレーションで検討できるようにしたところである。これにより技術開発がめざすべき方向が明らかになり、個々の技術を品質工学などで高めることで、高効率なエンジンを達成できた。この成功には、エンジン全体の技術を見渡せる優秀なプロジェクトリーダー(担当役員)の存在も見逃せないだろう。品質工学を活用した、大きな開発の成功事例として、さらに情報の開示を望みたい事例である。

株式会社ジェダイト(JADEITE:JApan Data Engineering InstituTE)


2016/10/03

日刊工業新聞に掲載されました

 本日10/3付けの日刊工業新聞の「著者登場」のコーナーで、「これでわかった!超実践 品質工学」の発刊に寄せたインタビューが掲載されました(リンクの電子版で、無料登録すると全文が閲覧できます)。もう少し先の掲載と聞いていたのですが、FacebookでKさんに教えていただき、青天の霹靂でした。



 お蔭さまで本日の、Amazonの売上ランキング(経営工学カテゴリ)で1位をいただきました(瞬間最大風速・・・笑)。



2016/10/01

【告知】品質工学シンポジウム in おおさか 10/6(木)

もう来週になりましたが、再度告知です。
ASIコンサルティンググループの田口伸先生をお呼びして、盛大に開催されます。
伸先生のご講演はもちろん、マツダからSkyactive開発への品質工学適用、中部QE研より新しいRT法の提案など、盛りだくさんの内容です。
ぜひご参加ください。会場でお会いしましょう!
(詳細は下記リンクをクリック)

―田口伸「タグチメソッド入門」出版記念―
主催: 関西品質工学研究会
共催: 中部品質工学研究会 滋賀県品質工学研究会    京都品質工学研究会
後援: 一般財団法人 日本規格協会
         株式会社 日刊工業新聞社大阪支社

日時  2016年10月6日(木) 10:00~17:00
(受付開始 9:30、懇親会 18:00~20:00)
場所 :エル・おおさか 南館ホール
(懇親会はエルおおさか本館10階 宴会場)
〒540-0031 大阪市中央区北浜東3-14     TEL(06)6942-0001
参加費(資料代):一般参加:\5,000 関西品質工学研究会会員:無料
懇親会:一般:\4,000  関西品質工学研究会会員は無料(ただし、法人会員の同行者は\4,000)
                    支払いは当日会場受付にてお願いします
10:00~10:10 開会
10:10~10:55 招待事例 「むき身カキの鮮度保持技術の開発」
                                     高辻 英之     広島県立総合技術研究所
10:55~11:40 中部事例 「MTシステムへの1提案」
                 -APRT法の考え方と手順-「APRT法のメリットと適用例」(中部品質工学研究会)
11:40~12:40       昼 食 ・ 休 憩
12:40~14:10 出版記念講演 「ロバストネスの最適化による開発期間の短縮とコスト低減」
                                      田口 伸    ASI
14:10~14:55 滋賀事例 「エアーブローの機能性評価」日指英雄(株式会社村田製作所)
14:55~15:40 京都事例 「経営戦略としての品質工学」芝野 広志 (京都府中小企業特別技術指導員TM実践塾)
15:40~15:55       休 憩
15:55~16:40 関西事例 「SKYACTIV開発への品質工学の適用」 武重 伸秀    マツダ(株)
16:40~16:55 まとめと講評     関西品質工学研究会顧問  原 和彦