2014/12/28

コモエスタ・エスカルゴ!

娘がエスカルゴっちゅうのを食べてみたいというので、いつものいろんな食材も売っている近くのリカーショップに。冷凍食品売り場にあった(12個で1000円ほど)。

ちなみはメインは鴨のローストでこれも同じコーナに売っている。便利な世の中である。

さて、カタツムリの味は・・・。食感は貝のようだが、磯の香りのかわりに、土の香りがする。そんなに有難い感じはしなかった。これも1つの経験か。

ワインは「マス・ラヴァル・グラン・キュヴェ2012」というフランスの赤。肉には合います。

投稿のタイトルは、40代以上なら一度は聞いたことのある、とんねるずのあの曲から(笑)。


2014/12/23

歩人(ほびっと)さんのスモークチキンとワイン赤白

今年も、北海道は美瑛白金街道の歩人(ほびっと)さんから、極上の限定スモークチキンを取り寄せて、クリスマスにいただきました。後ろに見えているのは、トラウトサーモンですね。こちらも同じところから取り寄せています。左手前は、アボカド、トマト、モッツァレラチーズのカプレーゼ。

まず白ワインは、「レ・ヴァカンツェ・シャルドネ・フリッツァンテ・デル・ヴェネト」というイタリアのシャルドネ。微炭酸でのみやすかったです。最初に飲むのにはよい軽さ。これで1080円とはお値打ち。

クリスマスなのでもう1本あけた赤ワインは、「アッポーローニオ・テラニョーロ・サレント・プリミティーヴォ2010」という南イタリア産。完熟した果実の味が感じられました。




(2015.1.3に日付を遡って投稿)

2014/12/20

技術士会経営工学部会(近畿本部)にて講演

本日12/20(土)、大阪の技術士会経営工学部会(近畿本部)にて、技術士の先生方の前で講演させていただく機会に恵まれました。
講師 鶴田 明三 株式会社ジェダイト代表取締役・技術士

設計品質の改善に関する内容で、2時間弱の講演を行いましたが、そのあと10名前後の方から30分以上にわたる質疑やコメントをいただき、非常に有意義な時間をすごすことができました。

技術士やコンサルタントの大先輩方に、下名の活動を認めていただいたことは、今後の活動に非常に励みになった次第です。

終了後は、近くのすし屋で忘年会。多数の方々と懇親することができ、とてもよい時間をすごすことができました。ありがとうございました。



また、この機会に、日本規格協会の品質工学セミナー入門コースを紹介させていただきました。詳細はリンクをご参照ください。
http://seminar.jsa.or.jp/seminar/seminar_dtl.php?cd=01_12a


株式会社ジェダイト(JADEITE:JApan Data Engineering InstituTE)

2014/12/13

京都紅葉(広隆寺~法金剛院~北野天満宮~下鴨神社)

11/24は広隆寺の途中で終わったので、11/29は一人で京都を訪ね、紅葉狩りの続きを。一人ということもあり、以前から気になっていたマニアックなスポットも探訪した。

京都は紅葉のベストシーズとあり、前回の嵐山界隈は大賑わいであったが、太秦にある広隆寺、それに次に行った花園の法金剛院は驚くほどの静けさ。少し中心をはずすとシーズンでも空いているところはいくらでもある。

さてその広隆寺。帰化人系の氏族である秦氏の氏寺であり、平安京遷都以前から存在した、京都最古の寺院である。さて以下はマユにつばをたっぷり付けて読んでいただきたい。
サイト「日本伝承大鑑」より抜粋して引用。

秦氏は秦の始皇帝を祖とする一族であると名乗り、最初に日本に来た者は弓月君<ゆづきのきみ>としている。14代仲哀天皇の時代に弓月国から使者が来たとあり、それが秦氏の先祖であるとされているのである。その弓月国こそ、シルクロードを経由してユダヤの末裔が建国した“原始キリスト教の国”なのである。そして彼らが最終的に本拠地とした太秦も【大秦】の文字をはめたのだろうという説がある。【大秦】とは、【ローマ】の漢字表記である。

この太秦の地の土地神としてあるのが大酒神社である(祭神は始皇帝・弓月王・秦酒公)。元々この神社は広隆寺の寺内社であったのだが、明治の神仏分離政策で分離させられた。この神社の名であるが、現在では【大酒】(おおさけ)となっているが、かつては【大避】(おおさけ)あるいは【大闢】とされていた。この【大闢】は中国では【ダビデ】を意味する。つまり、この神社の名前はユダヤの王を表しているのである。これが太秦における【日猶同祖論】最大の拠り所とされている部分である。日猶同祖論とは日本人の祖先は“消えたイスラエル十部族”の末裔である、という気宇壮大な思想である。

さらには、広隆寺の西側の脇にある細い道を入っていくと、「いさら井」という井戸がある。“いさら井”は“イスラエル”がなまったものという。

さて、日本古代史にロマンを馳せたあとは、徒歩で法金剛院へ。わりと広い境内に観光客は下名を含め3人(3人ともカメラを首から下げた男性だった)。ここは静かで紅葉や池に映る山や空が美しいのでおすすめである。

さらに歩を進めて北野天満宮へ。さすがの人出であったが、銀杏と紅葉が青空に映える。その後バスで出町柳に移動して、下鴨神社へ。糺の森をゆっくり歩きながら、最後にはにわか雨と虹にも出会えた。




長野県品質工学研究会で講演(12/5)のアンケート結果

12/5に実施した長野県品質工学研究会での講演

「品質工学基本講座 ~開発設計現場に応える!実践型品質工学活用のための12のルール~」

講師 鶴田 明三 株式会社ジェダイト代表取締役・技術士

に対するフィードバックがテクノ財団さんから得られましたので、アンケートのコメントを紹介します(似た意見は集約しています)。総じて、実践的な品質工学に対して肯定的で、実際にやってみようと思われた方が多数でした。また、すでにコンサルタントが入られている企業の方からも「初めて聞いた話だった」と耳打ちいただきました。事例を聞きたかった、というご意見もあり、資料は用意していたのですが、時間が足りなかったところが残念でした。

参加者:39名、アンケート回収:27名。うち品質工学を使ったことがない方が16名。

・ 考え方、重要な点、等、実際に品質工学を活用するきっかけとして、参考になりました。
・ 以前から実際に活用するにはハードルが高いと感じていたので、現場的な活用法はとても重要な話を聴けたと思います。
・ 数々のセミナーを受けてきて、品質工学の目的、手法等は理解したが、実際の業務に生かせず苦労していた。今回、業務に適用しやすい品質工学を聞けたことで、今後の品質工学の活用につながると思う。
・ 品質工学というものがどういう場面で用いて、どのように効果が有るかということが今までは言葉だけで全くわからなかったので、今回のこの講演を通じて品質工学を学ぶ上での第一歩としたいと思いました。まだまだ品質工学の事はわからないことばかりなので、次このような講演会に参加する際は一度自分で勉強してから参加したいと思います。
・ 品質工学というものに触れたのが今回が初めてだったのですが、実際に今やっている業務での商品開発で抱えている問題点に当てはめながら考えるとわかりやすかったです。まだまだ勉強不足ですがこういうことを念頭に置いてやるべきであるいうイメージができました。
・ 一般に言われているパラメータ設計の手法について、一石を投じる内容で非常に興味深く聴講させていただきました。
・ 大手さんでも苦労されているんだと思うと少し救われます。少しずつでも社内風土の改善につなげられたらと思います。
・ もう少し詳細を聴いてみたい。今回の手法は実際のモノ作りに関わる方の経験なので使ってみたい。
・ 非常に分かりやすいご説明を有難うございました。もう少し長い時間にてお聞きしたかったと思いました。
・ 事例を聞かせてほしかった。


株式会社ジェダイト(JADEITE:JApan Data Engineering InstituTE)

2014/12/07

京都の紅葉~先斗町「かつの」

秋も深まった11/24に家族3人で京都に紅葉狩りへ。

阪急大宮から京福嵐山線で嵐山へ。午前中の比較的早い時間のため、ハイシーズンの嵐山にして、激混みにはなっていない人出。

まずは本格的な人出になるまえに、メジャーどころからということで、天竜寺と二尊院へ。天気もよく、紅葉のグラデーションと青空がベストマッチ。

嵐山地区でまだ行きたい場所もあったが、後ろ髪を引かれつつ、太秦に移動して広隆寺へ。この寺は京都最古の古刹で、近くに大酒神社、いさら井と言えば、古代史ファンならニヤリとする場所だ(詳しくは、次の京都の記事で)。

いい時間になってきたので本日の紅葉散策はこれまで。つづきはまた後日ということにして、一路東に歩をむけて、先斗町へ。目当てのお店の開店時間まで30分ほどあったので、鴨川沿いに座ってしばし休憩。

先斗町の「かつの」さんで、炭焼き料理を堪能。写真の肉は、牛タンの塩糀漬けと生麩田楽。ほかにもホタテ(貝汁をつかってリゾットにもしてくれる)、干物セット、鯖のきずし(少しだけ炙って食べると最高)、エビ芋の唐揚などなどを京都の地酒で堪能。

紅葉もまだまだ楽しめる季節。次週に続く!


武田尾の紅葉(早朝散歩)

あちこち見に行った紅葉の写真がたまってしまった。順次アップしていこう。

こちらは11/23の早朝に、JR宝塚線の武田尾(うちの最寄駅JR伊丹からはわずか、約20分)の武庫川沿い廃線跡にいってきました。写真からも分かるかと思いますが、朝霧が出ており幻想的で、また早朝のため光が横から当たるので、陰影が非常に美しいかったです。
時間帯が早かったため人もまばら。たまにはこういう時間もいいですね。


告知:長野県品質工学研究会で講演(12/5)+追記

来る12/5(金)に、長野県品質工学研究会、長野県テクノ財団の共催で、「品質工学実践交流大会」が開催されます。

http://www.tech.or.jp/suwa/seminar/cat3/cat455/post-42/

この中の特別講演会にて、
「開発設計現場に応える!実践型品質工学活用のための12のルール」
なる演題で、お話させていただきます。

講師 鶴田 明三 株式会社ジェダイト代表取締役・技術士

講演概要
品質工学は技術開発・設計の優れた方法論ですが、初心者や経験の浅い部署では、「用語」「理念」「数理」の壁に阻まれてうまく活用することができません。また、品質工学だけを展開しようとすると、開発設計実務で必ず足りない部分がでてきます。本講座では品質工学で躓きそうなポイントを明確にして、開発設計現場で使える対応策をわかりやすく説明します。ベテランの方やプロのコンサルタントの方にもお役にたつ内容と自負しています。

今回、新作書き下ろしの内容です。

聴講は無料です(先着40名)。近郊の方々、お時間がありましたら、ぜひお運びください。お待ちしております。

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12/7追記

無事終えることができました。よい機会を与えていただき、またいろんな方々と意見交換ができ、感謝、感謝です。

長野QE研究会副会長の増田さんのブログでも紹介されました。
http://masudaqe.blog.so-net.ne.jp/2014-12-06#more
この場をお借りして御礼申し上げます。

多く研究会会員の方から、「設計現場での課題について共感できるものがあった」「普段思っていたことをズバリ言ってもらったので、すっきりした」「品質工学の適用方法として賛同できる部分が多かった」などの共感をいただきました。

いっぽうで、研究会以外の一般聴講の方々からは質問やご意見がでなかったので、実践をやった経験がないと、少し難しかったのかもしれません。アンケートをとっていましたので、またフィードバックをいただきたいと思います。

夜は中華料理店で打ち上げ。一泊して土曜の午前中に松本城を見学してから岐路につきました。土曜は一転して雪景色。黒壁とのコントラストがきれいでしたよ。




株式会社ジェダイト(JADEITE:JApan Data Engineering InstituTE)


五段に昇級

40歳11ヶ月からはじめた書道ですが、今回の昇段試験で五段にあがりました。
はじめた当初の目標が五段だったので、まずは目標達成できました。
忙しくなったこともあり、段位はいったんここまでで一段落させ、今後は暇暇に創作活動を中心に楽しめればと思っています。


2014/11/19

妙見山の紅葉

おかげさまで(?)9月以来、毎週、健康ハイキングを続けています。11/15に妙見山に登った。伊丹からは、JRで川西池田まででて能勢電鉄に乗り換え、妙見口へ。駅から登山口までは15分ほど。

案内では1時間30分のコースを、一人と言うこともあり(かみさんと娘は、リフトに行ってしまった)、ホイホイと1時間で頂上まで制覇。登山客も少なく、とても快適なハイクとなりました。

頂上の鳥居のところで待ち合わせ、拝観。あらら、なんともハイカラな本堂。でも、紅葉が美しく、赤だけでなく、オレンジや黄色のグラデーションが最高でした。

帰りにリフトの乗り口まで下山すると、野菜を売っていたので、大根と水菜をそれぞれ100円でゲット。鍋やおでんにしておいしくいただきました。



2014/11/12

π(円周率)3話

 秋も深まってくると少し濃い目の赤ワインがおいしくなる。

 今回、フルボディの赤ワイン6本セットの中に、「π(パイ)」という名前のワインがあった。写真のとおり、ボトルには通常のような紙のラベルはなく、円周率がボトルに直接印刷されており、数字の一部が赤色で「π」の文字を象っている。このワインの名称の由来は、このワインの葡萄がとれた畑の面積が3.14159haであることに由来する。そのような理系ゴコロをくすぐるだけでなく、味もそうとう良いワインである。



 この投稿に限って、料理のほうはどうでもよいのだが、いつもの鶏肉のネギソースと、ラタトィユであるが、初登場は、タコとキノコのアヒージョ。店で食べた味に近く、なかなかよかった。

 さて、ここの円周率に関係する話を追加。最近、「世界は2乗でできている」という面白い本を読んだ。品質工学では、2乗の話が良く出てくる。というより、損失関数やSN比などは2乗の世界そのもので、この本を読むと、いかに科学や数学の世界というものが2乗でできており、それによってうまく説明できることがよく理解できる。そのなかで結構驚く話が1つ。

 2乗数(1,4,9,16,・・・)の逆数を足してくとその極限はどうなるかという問題である。すなわち、

 X=1+(1/2^2)+(1/3^2)+(1/4^2)+・・・=?

 オイラーは電卓もない時代にこれを小数点以下20桁まで求め、1.644934・・・であることをつきとめた。この数字が何であるか、ピンとこないかもしれないが、これは、π^2/6(円周率の2乗の6分の1)に収束するのである。2乗数と円周率がこのような簡単な数式でつながっているというのは興味深い。

 最後に、円周率の0から9の数字を鍵盤の音階に対応させた音楽がある。ほぼ乱数と言える円周率がこのような美しいメロディーで表せるのは、また驚きである。是非聞いていただきたい。
http://tocana.jp/2014/03/post_3862_entry.html


株式会社ジェダイト(JADEITE:JApan Data Engineering InstituTE)


2014/11/01

諏訪ビーナステラス~市章山/イカリ山~布引ハーブ園

こちらは10/11のミニ登山。

阪急花隈駅から少し北上すると、諏訪神社に到着。ここからが登りの本番。

少し登っていくと、らせん状の特徴的なビーナスブリッジ(歩道橋)が見えてくる。この上が展望台になっており、カップルが恋愛成就のために南京錠を括り付けにくることで有名なビーナステラスとなっている。標高が低いながらも神戸の街と海が一望できて景色よし。出発が少し遅かったこともあり、ここで腹ごしらえ。昼間のせいか意外と客も少なく、ゆっくりできた。

ここから、市章山・イカリ山へちょっとした山道を歩いていく。これは、夜に街から山側をみると、神戸の市章とイカリのマークが浮かび上がっている、あの山たちである。そのライトを間近にみたのは、これが初めて。車道からも程近いので、車があれば夜に見に来ても面白いかもしれない。

予定では再度山まで行こうと思っていたが、出発が遅かったこともあり、今回は断念。そのまま東にコースととり、城山を経由して布引ハーブ園に到着。ハーブ園ではドイツビールが待ちかねていた。ソーセージと煮込みをアテに最高。ハーブ園内の花々を愛でながら、中間駅からロープウェイで下山した。

この日は大部分が山道で25000歩を走破。かなりの運動量になった。最後は地元の温泉(つかしんの湯の華廊)で疲れを癒した。




武庫川廃線跡と武田尾温泉

ここのところ、健康づくりもかねて山登りやハイキングに出かけています。
お楽しみはゴール(山頂など)での冷たいビールですので、ロックアイスや凍らせたペットボトルと一緒にして持ち歩き、キンキンの状態でビールが飲めるようにしています。

さて先週末(10/25)に、JR生瀬から歩いてJR武田尾まで、旧福知山線の廃線跡を、武庫川沿いに歩きました。全くアップダウンもなく、のんびりしたものでした。

切り立った断崖の節理は北海道の層雲峡を思い出させますし、岩がごろごろした川のようすは四国の大歩危小歩危のようです。そして、初秋の紅葉、最後は温泉とちょっと小旅行した気分になりました(帰りはあっという間で、拍子抜けですが)。

この場所、話には聞いていましたが、うちの最寄駅伊丹より25分というアクセスでこんないいところだったとは、10年以上伊丹に住んでいて初めて知りました。

もう少しすると紅葉が本格化するはずなので、もう一度武田尾周辺に写真に撮りにいこうと思います。
春には桜も咲き誇るそうなのでその季節にもまた行くつもりです。

※このコースは正規のハイキングコースではなく、廃線後はメンテもされていませんので、通行は自己責任でお願いします。


H26年度技術士2次 筆記試験合格発表

10/30に合格発表がありました。
今年初受験の知り合いの方も合格しており、よかったです。

下名が昨年受験した「経営工学-数理・情報」は合格者が倍増(といっても3→6人ですが)していますね。受験者数が増えたのか、合格率が高かったのか、いずれにしても人数の少ないこの分野の技術士やコンサルタントが増えてくれることに期待したいです(統計学やビッグデータなど、最近は少し脚光を浴び始めましたし)。

今後は口答試験に向けて、情報を発信していければと思います。

2014/10/19

1/10富士山登山とコスモス

今年は9月から涼しい日が続いており、毎週末も天気に恵まれることが多かったことから、ほぼ毎週、近くの山に登ったり、歩いてみたりしている。

今週(10/19)は、新三田駅から有馬富士(標高374mと低い山で、ほぼ富士山の1/10だ)山頂を目指した。低い山だが、山頂からは広大な北摂の盆地風景を眺望することができる。その後は有馬富士公園を散策。コスモスが満開で美しい。1日の歩行数は24000歩だったので、いい運動になった。

写真のとおり快晴で、コスモスも満開。山歩きはリフレッシュにもってこいだ。
本業以外にも寄稿や講演の準備もたまっており、明日からまたがんばるぞ。



塩レモンを使って秋鮭のホイル焼き

塩レモンという、最近ちょっと流行りの調味料がある。クックパッドを見ると、2000種類以上の塩レモンを使ったレシピが載っている。なにせ、安全なレモンと塩さえあれば簡単に作れるというので、うちの冷蔵庫でも料理に使われる塩レモンがその出番を待っている。

まずはオーソドックスに、また旬のものということで、秋鮭をホイル焼きに。うーむ、レシピどおりの量の塩レモンだと、すこししょっぱかったか(うちは比較的薄味ということもあり)。次回からはこれを規準として微調整していけばよい。

奥の料理は、北海道産の新じゃがと既製品のグリルチキンにチーズを乗せて焼いただけのもの。

ワインはやっぱり白が合う。イカリスーパーの1000円台のデイリーワインで。


久々に筆を執るも

今度は五段の試験だが、練習不足ですね。。最近は隷書がお気に入り。


2014/10/13

技術士2次試験口答試験に向けて

 今年の2次試験の筆記試験の合否発表が今月末とのことで、本格的な口答試験の対策は合否が出てからという方も多いだろう。下名の場合、昨年の社内での口答試験講座(模擬面接等)が筆記試験の前に開催されたので、筆記試験の結果も気にしながらの準備になっていたのだが。

 さて、口答試験の具体的な話は11月以降にするとして、その心がけとして、業歴や事例などの「説明」で失敗しないための5つの要因(出展はリー・ラフィーヴァー著「わかりやすく説明する練習をしよう。 伝え方を鍛える コミュニケーションを深める」の紹介記事)について紹介し、口答試験との関係を論じよう。これは、口答試験にかぎらず、ビジネスや家族との会話でも役に立つだろう。
※もちろんこのブログの説明のしかたも、大いに改善の余地あり!

1.”知の呪縛”にとらわれていないか?
 要するに、すでにある知識を持っている人は、その知識のない人の視点に立つのが難しいということ。
 面接官(大学の先生やコンサルタントが多い)は、受験者の経歴書は事前に読みはするが、基本的には詳細の固有技術や受験者自身の体験については素人である(たとえ、当該技術部門の技術士であっても!)。

2.賢く見せようとしていないか?
 優秀な人材ほど陥りやすい罠だ。説明において重要なのは、自分が賢いことを示すことではなく、あるアイデアを得て自分が賢くなった、と相手に感じさせることである。
 知識があることを示すのではなく、課題をどういう視点で切り取り、どのような複数の代替案からどういう分析をへて、最適な提案を行ったのか。失敗経験においてはそこから何を学んだのか。

3.「内輪の用語」を使っていないか?
 業界でしか通じない言葉は、仕事をスムーズに回すために必要だが、1.”知の呪縛”の原因にもなりうる。
 同じ経営工学部門の技術士でも、「機能」「品質」「損失」「最適」などの意味や捉え方が異なる可能性が高い。

4.「効率」を求めてはいけない
 説明で求められるのは正しい答えでも、簡潔な事実でもない。聞き手が新しい段階へステップアップするための「手助け」が求められている。効率的に説明しようとすると、聞き手が理解すること自体をあきらめてしまうことが多い。
 しかし、口答試験においては確かに時間の制約があるので、丁寧な説明ができないことがある。そこで第一の質問に簡潔に答え、その呼び水になるような第二の質問が来るようにしよう。相手の興味を引き、自分の土俵で相撲が取れるようにするのである。第一の質問の答え方を間違うと、聞き手は理解できず(または受験者の知識や能力が低いと感じ)、受験者を詰問する流れになり、試問は厳しいものになる。

5.あなた自身の知識は十分か?
 アインシュタインは「簡単に説明できなければ、十分に理解したとはいえない」と語った。
 受験に際して、関連する事項は十分に理解を深めておくことは、口答試験を乗り切るのに必要なだけでなく、技術士になってからも役に立つのである。


【今日の言葉126】

日本の出来事から分かるのは科学的にあり得ないとされてきたことが起こるということです。

かつて原発推進派であったドイツのメルケル首相が、2011年3月11日の福島第一原発事故からわずか3日後に、こう演説して方針の大転換をした。自らの誤りが明らかになったとき、それを率直に認めるのもリーダにとって重要である。

(注記1:この引用では下名は原発の是非、メルケル氏の判断が正しかったのかどうかは論じていません。念のため。)

また、技術の世界では科学的にあり得ないことが起こる、ということもエンジニアや政治家は肝に銘じておくべきでしょう。

(注記2:このコメントでは下名は、「なので絶対の安全・安心を保証すべきだ」とは言っていません。念のため。)


【今日の言葉125】

白猫であれ黒猫であれ、鼠を捕るのが良い猫である。

中国の最高指揮者だった鄧小平氏の、目標を最優先するために残した言葉。
「大切なのは国民が食えるようになることだ。そのためには共産主義的でも資本主義的でも、効果的な手法をプラグマティックに採りいれよう」と呼びかけた。
鄧氏によれば共産主義は手段に過ぎず、手段にこだわりすぎて目的を失ってはいけないという戒めだった。

品質工学と、品質管理や統計的手法が、よく比較されその議論が喧しいが、開発設計や製造の現場では、「鼠を捕る」方法が必要なのである。




2014/10/05

【今日の言葉124】

エンジニアは理屈っぽいが、合理的ではない。

自分のやり方のこだわって、効率性を追求しないエンジニア、間違いと分かればまたアイデアを考え付くのに、早く間違いがわかるように努力をしないエンジニア、方法論で理解できても納得しないと動かないエンジニア、などを戒めた言葉。

松坂TMコンサルタンツ 松阪昌司氏 第12回関西地区品質工学シンポジウムにて

理屈で分からないことにパラメータ設計を

設計には理屈で分かる部分と、理屈では分からない(難しい)部分とがある。機械、電気などでは前者の部分が大きく、電磁気、熱流体、振動音響、EMCなどとなってくると後者の比重が高くなり、高分子の合成化学、薬学、燃焼などどなると後者の領域が大きくなってくる(あくまで傾向で並べたので個々のケースで複雑さが異なるのは当然)。

理屈で分かる部分を定式化し、理屈では分からない部分を探求していくのが、科学・工学であり、アカデミアにはこの部分の進歩が期待されている。しかし技術の分野では、分からない部分があっても機能だけは納期までに実現させなければならないのである。

したがって、理屈で分かる部分の基本設計(主に、動作原理、性能の部分)とともに、理屈で分からない、動特性を含むロバストネスや、非線形性、交互作用の世界についてもなんらかの方法で一定の答えを出さなければならない。

一般には出力の平均的傾向は科学・工学的あるいは経験的に(これは体系化の度合いの違いでほぼ同じ意味だが)、理解・推測できる場合が多い。つまりモデリングが可能である。これらは物理の数式モデル(1Dモデル)で現象を記述することができる(電気・機械のRLCモデル、電磁方程式、各種の微分方程式など)。3Dフルモデルに行く前に、このような物理モデルを立てられ、ファーストオーダで出力傾向を見積もる、というのは設計者の基本的なスキルとして持っておくことが望ましい。

ところが物理モデルがわかっても、上記のような分からない部分が必ず残る(もしくは分からない部分が認識できないまま次の工程に進んでしまう)。そのため、出力の平均値だけでなく、ロバストネスはどうなのか、制御因子間の交互作用はないのか、ということを実験的に知る必要がある。理屈で分からない部分を実験的に見つける、あるいは検査するのが品質工学のパラメータ設計である。

面白いことに、パラメータ設計を使えば、理屈で分からなかったことを、理屈からわかるモデルを使って知ることができるのである。制御因子とノイズ因子の交互作用利用によるロバストネスの追求、(基本)機能やSN比という尺度を導入した解析の加法性の確保、再現性確認による交互作用のチェックなど、品質工学のアイデアがここで生きる。分からなかったことが分かるようになり、それを技術者が考察することで技術者の能力も技術そのものも向上していく。

そのためには、まず技術者が、理屈で分かる領域を広くする必要があり、そのためにはこれまでの知識の蓄積である科学・工学の基礎知識の獲得は必須である。パラメータ設計は工学的知識のない(浅い)技術者のためのブラックボックスの手法(魔法の杖)ではない。モデリング力のある強い技術者をさらに強くさせる、鬼の金棒である。


株式会社ジェダイト(JADEITE:JApan Data Engineering InstituTE)

フォアグラ大根ソテーと赤

京都のル・サルモンドールさんで食べて、一度家で作れないかと思いつつ、なかなかフォアグラなど口に入らないまま数年が過ぎていました。が、近くのリカーショップで冷凍モノのフォアグラをリーズナブルな値段で扱うようになり、家で作ってみたのが写真の料理。

大根はコンソメで煮たもので、上のソースはバルサミコ酢ベース。なかなか上手くいっている。後ろの料理はチキンにバジルソースとチーズを乗せたもの。

赤ワインはイタリア産「タリア・シラー」で普段飲みより少しいいワイン。
フォアグラ大根は1人前500円ほどで結構贅沢な感じが出るので、また試してみたい。


2014/09/15

推進・教育者に知っておいて欲しい品質工学のハードル

品質工「学」そのものを研究している人は別として、品質を良くしたいとか、効率よく設計したいとか、そういう実務的な技術者にとっては品質工学(パラメータ設計やMTシステムなど)は手段の1つである。社内で設計や開発のコンサルをやっていても、研究会やセミナーに来ている方を見ても切にそう感じる。

世の中の品質工学の「入門書」「入門セミナー」と称するものにおいても、「用語」「理念」「数理」の点でなかなかハードルの高いものが多いのように感じる(長谷部さんのような非常にコミュニケーション能力の高い良書もあるにはあるのだが)。

ハードル1:「用語」
品質工「学」における用語の多用。ほかの投稿にも書いたのでここでは詳しく書かないが、機能の定義や用語(基本機能と目的)が理解を妨げているケースが多い(他の分野との同音異義語もある)。また「誤差因子」もわかりにくい。いわゆる「(偶然)誤差」とは違うのだから、「ノイズ因子」と言ったほうがわかりやすいし誤解も少ない。また、機能やノイズ因子をどのように抽出、考えていけばよいのかを体系立てて説明しているものも少ない。

ハードル2:「理念」
品質工学の崇高な理念(社会的損失の最小化、自由の総和の拡大、世の中にない新機能の創出、交互作用を極小にした設計など)と、日常業務の開発設計との乖離。そのような理念を必要とするような技術開発も中にはあるだろうし、そちらを進めていくのが本来の品質工学であろうが、実際の事例を見てみると95%以上は、現行の製品(機能)に対する最適化(改善)、それに業務の効率化である。そのために必要なツールを洗練させて、それらを有効に使いこなすことが大切である。そのほうが理念を振りかざすよりもより速く社会の生産性を高め、ひいては品質工学の認知度や評価を高めることになると考えている。損失関数も、それを実態の経理指標とリンクさせるのはもうしばらく後でもよい(あるいは、もっと議論が必要である)。

ハードル3:「数理」
これもエネルギー比型SN比のところでかなり述べたことであるが、忙しい技術者が品質工学を実務で使用したい場合に、期待値、自由度、純変動、線形式などの数理の理解が必要であろうか。数理に強いコンサルタントはそこを強調しがちである。SN比で大事なのは、SとNの中身(すなわち機能の定義とノイズ因子の定義という技術的な部分)のはずだが、従来のSN比の議論展開は、実務者にとっては衒学的である。SN比の計算の部分、直交表、要因効果などの大部分はExcelツールに任せられる。技術者としてはそのようなデータや解析結果を「どう読むのか」「どう考察するのか」「どう行動につなげるのか」がより重要である。

 このハードルをなんとか乗り越えて欲しく、なんとか「行動につながるアドバイス」をと、セミナーや講演などでは説明方法やツールの提供などで工夫をこらしている。しかしほぼ毎回「そうだったのか」「これならやれそうです」と目から鱗を落としていただくのは嬉しいのだが、逆に言えばそれほど苦労している方が多いということである。

 技術者にとってより重要なのは、改善のためのアイデア(制御因子)である。それを考えるのが技術者の仕事である。大きな効果がある制御因子であれば、評価方法の違いでそれを見落とすことはほとんどない。

 「用語」に惑わされると前に進めない。「理念」にこだわりすぎても成果がでない。「数理」にとまどうと技術が見えなくなる。品質工学は諸刃の剣である。迷いの森に入らないように注意してほしい(迷う前に入り口付近から出て行く人のほうが多いのだが)。

長くなったので、また別の機会にとりあげる。

【今日の言葉123】

妥当な策でなければ、結局はアドバイスの価値はゼロ。

妥当な策とは、妥協策ではありません。実行可能で機能するかどうか、実情にあった合目的性をもつ策かどうかということです。
正論であろうとなかろうと、機能するアイデアかどうかが問われるということです。

ビーエムウイン 代表取締役社長 水野与志朗

【今日の言葉122】

何を普通と思うかによって、その人のレベルが決まってくる。

 出し惜しみする人を結局、その程度の仕事しかしないため、お客様から感謝されることはありません。お客様から「そこまでしてくれるのですか」と言われるような仕事をしていれば、間違いなく感謝されます。
 いつも120%の力を出し切るようにすると、それがその人にとっては普通のことになって、やがて130%、140%の力が出せるようになります。

ビーエムウイン 代表取締役社長 水野与志朗

関西品質工学研究会でのコメントメモ

今年に入ってからは、土曜日開催の時を中心に出席(金曜日は部下にまかせて)している。今回はワーキングループと輪読を除いた、会員による事例発表は3件。

1つの事例発表は通常、全体で1時間となっており、だいたい半分くらいの時間が発表、のこりが質疑応答とディスカッションという構成になっている。

関西の研究会ではご他聞にもれず議論が活発なため、たいてい時間切れになってしまう。思いつきでしゃべると収拾がつかなくなるので、だいたい、自分の中では次のような流れで発言するように心がけている。

・発表者の発表。このときに、多数の疑問事項、コメントなどを手元にメモ、どれを話題するかの優先順位なんかも決めておく。例えば、他の方が発言してくれそうなものは譲って、独自の視点や、発表者・聴講会員の利益になりそうな話題を心がけて順序を決める。
・発表が一旦おわる。
・この時点で、誤解が生じそううな用語や内容がある場合や、議論を整理したほうが良い場合はそれについてコメントすることがある。
・顧問からのコメント。
・ここでそろそろ会員のディスカッションの時間帯・・・というときに司会のしきりによって、またはどなたかの新しい話題によって会員のディスカッションがはじまる。
・ここで、すぐに自分の発言をしたくなるが、少し待って、会員からの発言がある場合はまずそちらを優先する。これの話題に対して、自分のコメントと関係するものがあれば述べる。
・逆に会場が静まり返っている場合は、こちらから新しい視点を提示する。それによってまた場が暖まって議論がつづくようなら、必要以上のことは自分からは発言しない。

という具合である。ディスカッションの30分などは数名の発言と議論ですぐに経ってしまうのである。このように、自分がコメントしたかったことの一部しか発言できないことがほとんどである。そのうちの一部は一般化してブログのネタにしたりするものもあるが、基本的にはノートに記載したっきりになってしまう。

そこで、今回(9月度)からは僭越ながら、コメントや情報を箇条書きにして発表者に手渡すことにした(自分自身もコンサルティングの訓練になる)。余計なお世話かもしれないが、せっかく発表してきださった方へ、気づきや新しい情報があれば、少しでも貢献になるからである(3名の方からいずれも喜んでいただけたと思う)。

自分用と手渡し用の両方のメモを作成するのは集中力がいるが、出来る範囲でやっていきたいと思う。技術士になってから少しそのようなことも考えるようになった。

(なお、余談であるが、下名はノートを取るときに、発表者の発表のメモは青、自分のコメントやアイデア、質問などは緑というふうに色を変えて記載しているので、あとで見てもどこが自分が考えた部分がが分かるようになっている:斎藤孝先生の三色ボールペン方式を参照してください)


株式会社ジェダイト(JADEITE:JApan Data Engineering InstituTE)

ゴルゴンゾーラと白

嫌いというわけではないが、ゴルゴンゾーラ(青かび)チーズというのをあまり食べない。

今回は、グリルしたチキンにゴルゴンゾーラソースをかけて食べるのと、パスタもゴルゴンゾーラだ。それではあまりに味がしつこいので、タコとタマネギ・パセリのマリネで箸休めするという塩梅である。

ワインはイタリアの白のようである。


牛肉巻きと生春巻きのコンビ

牛肉のたたきを薄切りにして野菜で巻いて食べる。それと、アボカドやエビが見えるのはこれらをライスペーパーに巻いて生春巻きにして食べる。きりりと冷えたイタリアの白ワインとともに。


45歳の誕生日祝い(5/25現在)

5/25は誕生日の1日前になるが、週末ということで前祝。祝いといってもこの歳になって誕生日もないのだが、まあ家族全員が健康で日々暮らせていることに改めて感謝するしだいだ。

お祝いと言えばやはりステーキ。近くでいきつけの但馬牛専門店のリーズナブルな赤味の肉を買ってきてステーキに。またこの季節はホタルイカがおいしいので、イカワタの風味を生かしたパスタにして。またタマネギのまるごとグリル(オリーブオイルと岩塩でいただきます)は、なんとなく血液さらさらに良さそうな好物。

ワインはテヌータ・ディ・ブルキーノという、ふだんより少し良い程度のイタリアワイン。

45歳というと、新人のころはすごく年上のおじさんというイメージでしたが、自分は若いつもりでも今の若い人からもそう見えているんでしょうね。


母の日にカモローストと仏ワイン

いやはや、忙しさにかまけてワインメニューの投稿をかなりさぼっていましたね。
多少古くなりますが、今年の母の日あたりのものから順次アップしてなんとかおいつきたいと思います。

こちらは娘が小遣いで母に買ったカーネーションと、カモロースト、ラタトュユ、それに仏産の赤ですね。

鴨肉といえば、以前は店で食べるか、せいぜい成城石井でスモークしたものを買ってきて食べるくらいでした。最近は近くのリカーショップでも冷凍の鴨肉を扱うようになったため、手ごろな値段で家庭で鴨料理をいただけるようになりました。


2014/08/31

H26年度技術士2次試験問題が発表(4)

さいごは、選択科目の3枚問題。一番力量が問われる問題だが、時間的にはⅡよりは余裕がある。

Ⅲ.選択科目(課題解決能力)

下名が昨年度受験した数理・情報について。
昨年と同じく、2問中1問選んで、原稿用紙3で回答。

Ⅲ-1. 実験計画法を用いた工程パラメータ最適化
Ⅲ-2. 大規模データを用いたマーケティング

昨年と良く似たタイプの問題で、これが現在の数理・情報における王道なのだろう。
実験計画法の問題は品質工学(パラメータ設計)の知識や経験まで披露できるし、ビッグデータについては最近流行りでもっとも出題されやすいところなので、きちんと準備していた受験者にとっては、用意していた内容を再現しつつ、設問にそった内容を肉付けすることでクリアできたのではないかと思う。

生産マネジメントのほうは、設計開発のフロンとローディングと、不適合品クレームに対する内容で、いずれも品質関連(前者は設計品質、後者は製造・市場品質)である。生産マネジメントの全体傾向として、今年はかなり品質マネジメントや統計・信頼性分野の問題が出たように感じる。

下名のような品質設計(品質工学、SQC)、品質マネジメントあたりを専門とするこれからの受験生にとっては、上記のような出題みると、生産マネジメントと数理・情報のどちらを受験するかは非常になやましい選択になるだろう。今回はたまたま品質関連に偏っていたが、生産マネジメントは範囲が広いので今後大幅に出題傾向が変わる可能性もたかい。いずれにしても、技術士やコンサルタントとして活躍するためには両方の分野の知識は必須にはなるのだが。。

一方で、生産技術やIE、JITなどを専門としてきた方にとっては今回の生産マネジメントの問題はかなりきつかったのではないかと想像する。

H26年度技術士2次試験問題が発表(3)

さらに、選択科目のつづき。

Ⅱ-2.選択科目(専門知識及び応用能力)

下名が昨年度受験した数理・情報について。
昨年と同じく、2問中1問選んで、原稿用紙2枚で回答。合計4枚を2時間と、時間との勝負だ。

Ⅱ-2-1. ORを用いた工場内のレイアウト
Ⅱ-2-2. 新製品に関するアンケート調査

小問の構成は昨年とほぼ同じ。
内容的には、やや自分の専門に遠ざかった設問に感じる(もちろん、受験者によって得意分野は異なるので難易度についてはなんともいえない)。
ORは選択肢問題や知識問題には答えられる程度に勉強したが、いかんせん実務経験がないので、このような応用能力を求められる問題で選択することは難しい。
したがって自分なら、迷わずⅡ-2-2を選ぶ。商品企画の7つ道具を使った手順と、数理・情報の技術士としてコンジョイント分析あたりでのデータの扱い方、留意点などを説明することになろうか。

なお、生産マネジメントのほうも覗いてみたが、うち1問(2問目)はQC検定に出てきそうながっつりした統計的品質管理分野の、数理・情報的な問題。経営工学部門では生産マネジメントの受験者が多数だが、大丈夫だっただろうか。



H26年度技術士2次試験問題が発表(2)

つづいて、選択科目。論文形式のこっちが本番だろう。

Ⅱ-1.選択科目(専門知識及び応用能力)

下名が昨年度受験した数理・情報について。
昨年と同じく、4問中2問選んで、原稿用紙各1枚で回答。

Ⅱ-1-1. 回帰モデルの評価方法
Ⅱ-1-2. AHP(階層分析法)
Ⅱ-1-3. 実験計画法の分割法
Ⅱ-4-4. テキストマイニング

いずれも応用能力まで問われているので、定義や手順に加えて、留意点などを要領よくまとめる必要がある。
問題のレベルは昨年と同程度と感じるが、やはりこの試験は幅広く勉強しておかないと、問題選択の幅が狭くなってしまう。
下名の勉強ノートでは上記の1,2,3は対策できていたのでこのなかから選ぶことになるが、3は原稿用紙1枚(図表を入れるのは苦しい)では説明しきれないので、1と2を選択すると思う。4は初出だったと思う(本は持っているが、詳細まで準備していなかった)。

生産マネジメントについても注釈。

こちらは、1.バスタブカーブ、2.統計的検定、3.IE分析手法とECRS、4.FTA である。
3.を除けば、え?これが生産マネジメントの問題?数理・情報では?と見間違えるような出題で、生産技術分野やIE分野の受験者は参ったのではないだろうか。統計・信頼性技法は数理・情報のなかの専門とする事項の例として挙げられているのである。一方、昨年は数理・情報のほうで在庫管理の問題が出たのだが。

いずれにしても、作問者のローテーションの関係なのか、問題の分野に偏りや、専門科目にあまりふさわしくない問題が出ている印象があり、4問中2問という制約のなかでは、受験生によって「当たり外れ」がでやすい内容になっているのではないかと危惧する。

H26年度技術士2次試験問題が発表(1)

日本技術士会HPにH26年度の技術士2次試験問題が発表された。

経営工学部門の問題について、まずはざっとみた感想を述べたい。

Ⅰ.必須科目

例年通り20問中15問を選択する問題。
昨年はほぼ過去問で解ける問題で構成されてたが今回は25%(5問)程度ほどは過去問以外のところから出題されていた。過去問と類似、またはその周辺の勉強をしていれば解けそうな問題で15問あるので、過去問中心にしっかり勉強していればこのうちの8割(12問)くらいは解けたのではないか、というレベルである。

先日参加した技術士会近畿本部(経営工学部会)の会合でも、「今年は少し難しくなったね」というような会話が聞かれたが、合否を左右するほどの難化ではなかったように思う(満点も60点も合格は合格だ)。

受験者によって得意分野が当然ことなるので、まったく独断となるが、以下のような評価である。

過去問相当(12問)
1,2,4,5,7,9,11,14,15,16,18,20

過去問の応用・周辺知識が必要(3問)
3,6,17

過去問で出題されていなかった内容(5問)
8,10,12,13,19

長くなるので、専門科目は次の記事で。



技術士会近畿本部 経営工学部会に参加

去る8/23(土)に、技術士会近畿本部 経営工学部会に参加。2ヶ月に1回開催されており、今年の4月から参加させていただき、これで3回目になる。

参加者はたいてい20数名程度で、年齢層は下名より上の方が多く、80歳以上でなおコンサルタントとしてご活躍の先生方もおられる。

講演、議論されるテーマは経営工学部会らしく、非常に広範囲で、単なる技術論にとどまらない。今回は、ODAの豊富なご体験談と、技術士会や技術士試験、技術士法などの仕組みに関する近況で、いずれもふだんの業務ではなかなか得られないような情報に触れることができた。
(また、余談ながら、三菱電機相談役の野間口氏が、文科省の技術士分科会の会長であることもこのとき知った)

次回は10月、その次が12月開催で、12月には下名にも講演のチャンスが回ってきた。まだ詳細内容は決めていないが、品質工学や設計品質に関する活動の話が中心になると考えている。

毎日忙しくも技術士となってまだ半年にすぎないが、このような新しい出会いがあることに今後も期待している。

2014/08/24

北海道旅行2014 その7(8/17-18)

旅行も残す所あと2日。ゆっくりした朝食をとりながら、四季さんのマスターを話しをしているうちに、美瑛は晴天に恵まれてきた。この時期だけに、人気の青い池は早めにいっておかないと大変なことになる、とのことで朝一の目的地は青い池にした。さいわい、駐車場にはすんなり入れたものの(昨日は大行列だったとか)、池のほうに歩いていくと大賑わい。それでも、池の方向には人はいないので、なんとか写真のような構図でそれなりのものを撮ることができた。

青い池から美瑛の中心のほうへ戻る白金街道の途中に、これもいつも立ち寄る、美郷不動尊の名水へ。ここは水はおいしいだけでなく、交通安全の神様でもあるので、必ず立ち寄っている。過去の北海道旅行でもいろいろあったが、幸い大きな物損も、人身事故もなかったので、よかったと思っている。

白金街道の途中から一本北東の道に入って、美瑛の丘を眺望。そのまま美瑛駅まででて昼食に。私は学生時代以来、かみさんは始めての「おきらく亭」に。ここの自慢はポトフのコースで、ごらんのとおりのボリューム。それでも、旅行中のお腹には、野菜はありがたく、お腹一杯になりながらも、おいしく完食した。

そのあと、北西の丘にいって新じゃがの発送を頼んだり、新栄の丘、四季彩丘をめぐったりしながら、おやつ時には、今美瑛で一番おいしいソフトクリームといううわさの、美瑛酪農場へ。ソフトを堪能して、農場を散歩したあと、足を富良野に向けて、ペンション「あしたや」さんに到着。

アットホームな宿で一泊したあと、最終日はあまり時間もないことから、早朝にファーム富田で時間をつぶし(店が空いていないのでまだ観光客は少ないが、農園は自由に見物できる)、そのあと、富良野の六花亭カンパーナへ。農園のぶどうで作ったオムレツなどをいただき、お土産なども買い込み後ろ髪も引かれながら、千歳空港へ。

そういえば、海鮮丼を食べてなかったね、ということで昼食は空港内で、うに、いくら、まぐろの三色の海鮮丼を3人で1杯ずつ完食。14:00発の飛行機で一路伊丹へ。長いようで短い7泊8日の旅でした。



北海道旅行2014 その6(8/16)

旅行もいよいよ主版の6日目。今日は富良野方面を向かう予定で、まずその道すがらに、帯広は羽帯の「十勝千年の森」へ。十勝地区のいろんな庭園はほぼいきつくしたが、前回(2年前)にここを十分に回れずに時間切れで次の課題としたので、今回しっかり回ることにした。

一番よかったのは、メドウガーデン。世界一の庭を受賞したのに相応しく、美瑛の観光農園のとはちがった、「ガーデン」の美しさを堪能できた。決して煌びやか花々ではないのだが、背景の山々と相まって、なんともいえない雰囲気(すみません、表現力不足です)をかもし出している。園内は広いので結構歩くし、また一番高い所にある千年の丘まで制覇したので、結構いい運動になった。

一路、富良野方面へ。富良野に着く前に、前回いいなと思った、かなやま湖に。もう半月はやければ、湖とラベンダーのコントラストを楽しめたが、時期遅し。それでも向日葵や、あざやかな青い空の色と、湖の組み合わせは夏の盛りを思わせ、とてもいい気分になった。

さらに車を富良野方面に走らせる。この時期の(そうでなくても)富良野市外は道路が込み合うので、一本東の麓郷がわに道路をゆったり走りながら北上。幹線道路と合流するところで、ちょうど日の出公園の近くにでたので立ち寄ることに。最盛期ならラベンダーが美しい、しかもちょっとした穴場の公園なのだが、さすがに8月中旬過ぎではそれもななわず。それでも写真にご覧いただけるように、それ以外の色とりどりの花々が待ってくれていた。頂上からは「愛の鐘」ごしに富良野の町並みが見える。ここは町民の公園、というかんじのところで観光客も少なくおすすめだ(この時期だと本当にまばら)。

このまま美瑛の宿に向かってもよいが、少し時間があるので、かみさんのリクエストで、かんのファームへ。いつもキレイな花畑で、誰でもそれなりの写真がとれるスポットだが(なので写真を出すのもはずかしいが)、目的は「五本の木」である。嵐が日本航空のCMでここを訪れてから、新しい意味での観光名所になっている。

そのあと、いつもお世話になっている(というか個人的には第2の故郷と思っている)丘の宿四季さんに到着。夕食までまだ時間があるでしょう、とのことで夕暮れの中、近くの向日葵がきれいに咲いている丘に案内していただいた。そのあとも、おいしい料理とお楽しみのおすすめワインに舌鼓をうって、また花火までさせていただいて大満足で眠りについた。




北海道旅行2014 その5(8/15)

5日目。阿寒湖自体にはあまり興味がないので、車を走らせ、オンネトーへ。南側の駐車場がある展望場所は時間帯によっては観光バスも来るが、北側の遊歩道のほうはほとんど誰もこない。沼一周が3kmほどで、のんびり歩くのにはちょうど良い距離。もう少し天気がよければ、なんともいえない、素晴らしいエメラルドグリーンになるのだが、そのときの天候や季節によって色んな色を見せるのがこの沼の魅力でもある(五色沼とも言われる)。遊歩道を一周回る間にも、少しずつ色が違って見えた。さらに上からも見てみようということで、片道800mの登山道を登り、展望台へ。食べすぎの体には、よい運動になった。

この日の昼は決めてあった。池田町にあるステーキハウス「よねくら」のステーキ弁当(1080円)を買って、景色のいいところで食べようと。池田についたときにすぐに受け取れるように、30分前くらいに電話予約しようとしたら、なんとレストランのほうがてんやわんやで、弁当が1時間待ち。それでも一応予約しておき、空いた時間で、池田ワイン城の近くにあるDCTガーデンミュージアムへ。ここは、池田町の出身であるドリカムの吉田美和の記念館で、ファンいとっては聖地?の1つである。空いた時間でもなければ来ることはなかったかもしれない。

よねくらで弁当を3つ受取り(なお、この弁当は日本一賞味期限の短い弁当としても有名。賞味期限は2時間)、車を走らせて十勝が丘展望台へ。ここもガラガラで、ゆっくりと十勝の広大な眺望をもおかずにして、おいしいステーキ弁当をいただいた。十勝の展望台といえばここと、新嵐山がおすすめなので、行くことがあればぜひ立ち寄ってほしい。

十勝にきたら、植物モール泉で有名な十勝川温泉にはいるべしで、幕別にある「ゆうゆ」におじゃました。茶色で独特の石油臭のある泉質で、世界でも2箇所からしか湧出しないという珍しい温泉。お肌はすべすべだ。

もう夕刻だが、帯広に来たら六花亭本店にいかねばなるまい。消費税増税などで少し値段が上がったとはいえそれでも安い、イートインで無料のコーヒーまでいただき大満足だ。

帯広駅前のリッチモンドホテルにチェックインして夕食は外食。釧路で魚介が満喫できなかったので、魚介がいただける居酒屋をさがしてGo。ちょうどこの日は帯広駅前でお祭りをやっていたので、人手が多く予約をとるのに一苦労。10件目くらいでようやく海鮮レストラン「ほたる」に。静かな雰囲気の個室に案内され、これはヒット。大好きなツブの刺身のほか、写真にあるようなさまざまな魚介類を釧路ではなく、帯広でいただくこととなった。

北海道などの地酒をいただきいい気分でホテルに戻った。



北海道旅行2014 その4(8/14)

4日目。釧路湿原は何回も行ったので、スルーして一路北へ。摩周湖の東側にあたる、裏摩周展望台へ。西側の摩周湖第一、第三展望台は観光バスでごったがえしているだろうが、こちらは別世界。ゆっくりと違う角度からの摩周湖が見られる。

裏摩周に来たなら、セットとして神の子池。この池の青さは神秘的で、このあと出てくるオンネトーとならんで、個人的に大好きな場所だ。近年有名になっているようで、小さな池の周りに観光客がぐるりと取り巻いていたのは辟易としたが。。。最近有名になった美瑛の青い池との青さを比較してみてほしい。透き通った、非常に濃い青である(地下では摩周湖とつながっており、ほかから水が流入・流出する川もない)。池の中にごみなど捨てられていないか心配になったが、はたして大丈夫だった。きっと、近隣の方がメンテナンスにご苦労されているのだろう。感謝、感謝である。

摩周湖を着た周りにぐるっと回って、川湯温泉、硫黄山のあたりを通ると、独特の硫黄臭がしてくる。この近くにあるのが、「クリーム童話」の本店である。ここで、小清水で食べそびれた桜もち味のアイス他4種類をいただく。

昼食は摩周にあるそば屋「出雲」で鴨せいろを。旅行中は食べ物がおいしくて、また間食もするので、胃がもたれがちになる。そこで、こういうそばや、野菜(美瑛の項参照)などのヘルシーな食事を入れていくことが重要である。長い旅行中は食事のバランス・ペース配分と、便通には気をつけたい。

この日は阿寒湖に宿泊する予定で、しかも早めにチェックインして屋上展望風呂&プールを楽しもうということで、14時ごろには到着。天気もどんよりなので、はやめにゆっくりしたいということもあった。さて、前後するが、阿寒湖に宿泊するのは初めてである。どうも、観光地化した雰囲気が好きではなかったのだが、娘が「トマムに行かないのなら、プールとバイキングがあるところ」とのリクエストだったので、りっぱな屋上プールがある、「ニュー阿寒ホテル」に宿泊することにした。早めについたこともあり、屋上露天風呂(男女別)も、屋上プール(水着着用)も貸切状態だった。盆休みの阿寒湖で!?と思ったが、やはり1時間もすると人が増えてきた。夕食のバイキングは立派なものだったが、にぎやかでやはり観光地を思わせるものだった。北海道のお酒をいろいろ飲んだ。娘も喜んだし、こういう日があるのもよい。


北海道旅行2014 その3(8/13)

3日目。昨日の夕方からついに根室に来たのだ。これまで北海道には20数回来ており、宿泊数にして170泊以上しているが、実は根室は来たことがなかったのである。今回のように、道東に4泊もしてじっくり回れるときでないと、なかなか根室までは手が回らない(南の函館、北の稚内も同様)。

根室に来たとなれば、最東端を制覇したくなるのが人情。さっそく納沙布岬へ。天気はあまりよくなかったが、最果ての地に感慨にふけりながらも、根室限定のレアの土産もの(食品)を多数物色。このあたりでしか出回らない根昆布や、花咲ガニのカレーなどをゲット。

花咲ガニといえば、花咲港。そこに根室で有名な、「車石」がある。海岸まで出て行くと、長年、波によって侵食された岩が、柱状節理となり、天然のものとは思えない幾何学的な造形ができている。このあたりから天気も回復基調。

この日の予定は西方面で、昼ごろに根室半島の付け根にある、春国岱・風連湖の道の駅「スワン44」へ。非常に近代的できれいな道の駅で、大きなガラス張りから雄大な風連湖の風景が望める。昼食は根室名物のエスカロップ。これは、トンカツを、タケノコのみじんが入ったバターライスの上に乗せ、その上からデミグラスソースをかけたもの。ガッツリしているが、意外とペロリといけてしまった。

そのあと、風連湖の木道などを散策して、さらに西へ。霧多布の湿原にある、「ヤチボウズ」という正体不明な植物?が見てみたいとおい。ヤチボウズの木道を歩いてみたが、植物は青々としており、まだその季節ではなかったようだ(リサーチ不足!)。写真では茶色いので秋の風物詩なのだろう。

霧多布でも湿原が見える温泉「ゆうゆ」で汗を流し、涼みに近くのアゼチの岬へ(ハナミズキという映画のロケ地なのだとか)。琵琶瀬展望台からしっかり霧多布湿原をみたのち、さらに愛冠(あいかっぷ)岬へ。夕暮れもあいまって、非常に印象深い景色だった。

宿泊地に向かう途中で、牡蠣の町、厚岸に寄る。かみさんは牡蠣はダメなので、娘と二人で厚岸グルメパークに行って、ぷりっぷりの牡蠣をレモンでいただく。厚岸の町が夕暮れに染まっていた。

宿泊地の釧路についた時にはもう日が暮れていた。釧路港にあるフィッシャーマンズワーフMooの外で、屋台の炉端焼きを・・・と考えていたが、大盛況で満員。Mooの中のレストラン街をのぞくと、ジンギスカン・海鮮BBQ食べ放題、飲み放題をやっていたので、こっちでいいか、と予定変更。結果的にジンギスカンを食べるチャンスはここしかなかったので、まあよかったのではと思っている。こういういきあたりばったりも、旅の趣だ。



北海道旅行2014 その2(8/12)

2日目。この日はいっちょう、小高い山にでも登ってやろうと調べておいたモアン山に向かったのだが、モアン山自体は「たぶんあれだろう」と分かったものの、あまりにローカルなため何の表示もなく、登山口が分からなかった。開陽台をしのぐ眺望、とのことで期待していたが、しかたないので、開陽台へ。ここへは前にも来たな、と思いつつも、かみさんに聞いたら新婚旅行(2001年)以来とのこと。しかも前回は天気がさっぱりだったので、眺望の印象がないとのこと。それなら、今回来たのも価値があるというもので、ピーカンとはいかないものの、しっかりと360度の展望を目に焼き付けることができた。

なんだかんだで昼近くになってきたので、多和平のほうまで足を伸ばして、ここの名物のスープカレーをいただく。トマトベースの少し酸味のあるカレーで、レストランのテラスからの眺望もよく、食が進む。多和平でも雄大な景色を拝んだあと、また開陽台方面へ。

この日に楽しみにしていたのは、養老牛温泉。河原べりの露天風呂に日帰り入浴できる。大人2人子供1人で1500円という良心的な値段で、(男風呂のほうは)川のすぐ横にある複数の露天風呂を満喫できる。今回は「湯宿だいいち」に行った。ここはすばらしい。何人かの客はいたが、時間帯によっては一人にもなれ、川のせせらぎを聞きながらぼんやりと風呂に入ったり風にあたったりした。

ここから根室に向かう道すがら、タイヤに釘が刺さっていることに気づく。さいわい、空気の漏れが少なく、走行はできる状態であったため、数10km先の根室市街まで車を走らせオートバックスでタイヤを交換(刺さり場所が悪く修理は出来ないとのことだった)。事故が起こらず、お金で済んだと思い、忘れることにした。

宿泊そのほどちかくの旅館「二美喜」へ。夕食までの時間に外に出てみるときれいな夕日が。夕食は待望の花咲ガニだった。初めて食べたが、こんなに濃厚でクリーミーとは。これは明日、お土産用に発送するしかない。


北海道旅行2014 その1(8/11)

自宅からバスに乗り伊丹空港へ。盆休みということもあり、まず荷物検査のところで1時間ほどの行列。これはまいった。荷物検査の列がハケず、飛行機の離陸が10分程度遅れる。2時間ほどで女満別空港に。道東めぐりをする場合ではここが一番便利。

タイムズレンタカー(もとマツダレンタカー)で車を借りる。今回はガソリン車で車種はマークX。北海道での燃費は13km/Lくらいで、ガス代も高騰(160~166円/L)していたので、結構高くついた。

まずは腹ごしらえということで、流氷博物館などがある天都山展望台へ。カラフトマスをつかった網走名物のザンギ(からあげ)丼を食した。とろろをかけて食べるのがうまい。展望台からオホーツク海や網走湖を望んだあと、近くのフラワーガーデン「はな・てんと」に。この広い敷地に、うちとあと1組くらいの客しかおらず、やはり道東の人の少なさを再確認。

次は、飛行機の中でもらった網走ガイドに載っていて初めて知った、僥倖の丘・フロックス公園に急遽寄ることに。網走湖とフロックス丘、それにホタテの貝殻を敷き詰めた真っ白な歩道と、なかなか面白い景観の公園だったが、ここもガラガラ。

さらに車を東に進める。宿泊地の途中ということもあり、十弗湖のある小清水原生花園へ。季節的に花の種類は少なくなっていたが、雄大な風景とローカルな駅舎の感じがなかなか。ここも比較的人は少なかった。土産売り場で、「クリーム童話」のアイスを発見。めずらしい、アスパラとトマトのアイスを注文。ここで桜もち味のアイスも気になったが、これは摩周本店で食べることになる。

別海町の果てしない直線道路などをたどりながら、宿泊地の標津へ。「ぷるけの宿」に宿泊し、温泉や毛ガニなどの料理を楽しむ。今朝の空港の混雑が夢のよう。


2014年北海道旅行総括

盆休みをはさんだりで更新がひさびさとなってしましった。

さて、昨年度技術士試験で流れてしまった、恒例の北海道旅行であるが、今年は2年ぶりということもあり、5月ごろから各種手配を行ってきた。昨年マネジャーになってしまい、自由度がかなり下がってしまったこともあって、比較的確実に休みがとれる盆休みを利用することにした。

以前の投稿にも書いたが、夏に北海道にいくのなら、やはり7月下旬がオススメである。盆の時期は、飛行機や宿の値段が高い、人が多い、気温が高い、とあまり良いことがない。しかしそこは北海道旅行暦20年以上ということで、それぞれについて以下のような対策をねった(というほどのことでもないが)。

飛行機については得割75を使って早めに席を押さえる。しかも盆休み最終日の8/17(日)は料金が高騰するので、なんとか1日有給をとって、月曜の便に。往路も土曜出発とせず、月曜まで待った。したがって、8/11(月)~8/18(月)の7泊8日とした。

人が多いといっても、有名な観光地しかも、札幌、小樽、富良野・美瑛、旭川、トマムなどといったところがひどいだけで、道東のしかも少し穴場的なところを狙えば、かなり空いているのである。そこで、今回は7泊のうち前半4泊を道東、その後、帯広、美瑛、富良野というコースとした。後半についてもいろいろ工夫してできるだけ人ごみを避けた。

8月中旬は北海道といえども暑い。しかしそれは道央より西の話で、道東や道北は涼しく、10度前後気温が低いことは珍しくない(しかし天気が悪いことが多い)。それもあって、今回は道東中心の行程とした。

1日ごとの内容はこれ以降の投稿にゆずるが、おおまかな旅程は以下のとおり。/は日の区切り。

女満別空港~網走~小清水~標津/~開陽台~多和平~養老牛温泉~根室/~納沙布岬~風連湖(春国岱)~霧多布~厚岸~釧路/~裏摩周~川湯温泉~摩周~阿寒湖/~オンネトー~池田~十勝が丘~帯広/~羽帯(千年の森)~かなやま湖~富良野~美瑛/~白金(青い池)~美瑛周回~富良野/~千歳

無理せず、走行距離は1500kmほど。


2014/07/26

技術士2次試験(筆記) 直前対策

今年度の技術士2次試験(総合技術管理部門以外)が、来る8月3日(日)に開催されますが、あと1週間となりました。昨年受験しましたが、もう1年経つのかと思います。

時の流れの速さに感心してばかりもいられませんので、昨年の受験資料やメモを見ながら、直前の対策・確認となりそうなことを、いくつかコメントしておきたいと思います。過去の記事も参考にしてください。

まず択一式の試験ですが、これは過去問にしっかり目を通しておいてください。昨年は過去問の範囲だけで十分合格できる内容でした。今年も多少の問題の入れ換えや、問題文内の数値や表現を変えるところはあるかもしれませんが、基本を押さえておけば合格ラインでしょう。

問題は筆記試験ですね。手書きの練習は十分できたでしょうか。また自分の手の形や力、書き方に合った筆記用具は複数準備できているでしょうか。消しゴムや電卓も2つ用意しておいたほうが確実です(故障や電池切れの用心のため)。

筆記試験の基本は、きっちり「問われていることに答える」ことですので、しっかり問題文を読んでください。自己流の解釈で、まる暗記した文章を書き始めないようにしてください。まずは1/3程度の時間は構成案の作成に使用してください。

ロジックが通っていることが大切で、奇抜なアイデアや提案はいりません。試験官がなるほど、と思うような課題の設定と解決策への道筋が大切です。飛躍はいけません。

専門用語は効果的に使いましょう。字数の節約になりますし、技術者としての専門性もアピールできます。ただし、言葉の定義の記載や、正しい用法をすることが重要です。もう1つは、論文が手法名のカタログ的記載にならないように注意してください(知識はあるが応用能力や課題解決能力がないとみなされる)。必然性のある方法を提示してください。

手書きですので文字がきれい(見やすい)にこしたことはありません。悪筆の方は、字を罫線の上にそろえる(上の罫線につかないようにする)、漢字よりかなは少し小さめに書く、文字の角度(傾斜)をそろえる、下線などを効果的につかう、などに注意するだけで見やすくなります。

図表は入れたほうがよいという解説書もありますが、必須ではないと思います。説明のために必要で、あったほうがより理解が進む場合は入れてもよいでしょう。しかし図表は時間は作成に時間がかかりますし、レイアウトにも気を使いますので、文章で言いたいことが伝えられるのなら、なくてもかまいません。下名は図表なしで試験をクリアしました。

一方大事なのは箇条書きです。まず見やすくなりますし、論文作成上も字数の調整効果や、文章構成のしやすさなどの効果が期待できますので、おおいに活用しましょう。

ラスト1週間はとにかく体調管理に気をつけて、寝るときの服装、室温、食事、手洗いなどできる管理は徹底的に行うようにしましょう!健闘を祈ります!

2014/07/17

予告:ヤンマー永倉さんのメソッドを関西QE研究会で議論

QES2014の記事で紹介しましたが、今回の注目テーマであった時系列分析(為替レートの予測の事例)を、発表者であるヤンマーの永倉さんを招いて関西品質工学研究会で議論することとなりました。

いわゆるトレンドに乗らない、リーマンショックのような変化点のある場合でも予測できるということと、経済指標は一切用いずに為替レートの時系列データだけで予測するところが「パターン認識」の真骨頂です。いったい、どんなアルゴリズムになっているのか興味津々です。

次回8/2(土)@日刊工業新聞社です。興味のある方はぜひご見学いただき、ついでに気に入りましたら会員にもなってください(笑)。

詳細は関西品質工学研究会のHPにアップされます。見学希望は、同HPよりお問い合わせください。



株式会社ジェダイト(JADEITE:JApan Data Engineering InstituTE)

日本規格協会九州支部 品質工学入門セミナー

進みの遅い台風も心配しながら、雨の博多に7/6(日)の夜に到着して前泊。
今回、日本規格協会九州地区では初めての品質工学入門コースを開催。

7名の受講者(1名は名古屋からご参加)と3名のコンサルタントの方がオブザーバというかたちでスタート。

九州地区で私自身も初めての講演ということもあったが、2日間を一人でしゃべりきる、というのもひさびさの体験で(大阪では1日づつにわけて2名で対応)、少しドキドキ。

始まってしまうといつもどおりの軽快な?トークであっと言う間に1日目は終了。

質問はいつもどおりアンケート方式も採用して、何人かのご質問にも公開で回答した。

1日目終了後に、規格協会のYさんと地元の店で一杯。

2日目の内容はひさびさの講義となったが、特に時間配分の問題などもなくクリア。
2日目とあって、受講者のみなさんも気分がほぐれてきたのか、アンケートや挙手のご質問も多数に。十分に時間をとって回答、ディスカッションをすることができた。

受講生のお一人からは、「過去に社内で多数受講した長期間の品質工学講座があったが、計算方法ばかりで本質の理解につながらなかった。今回このセミナーで話を聞いて、品質工学の意味する所や大事な部分が理解できた。」とのご感想をいただき、こちらの狙い通りでもあり、大変うれしく思いました。

今後も続くものと思います。九州の皆様、ぜひ次回お会いしましょう。

講師 株式会社ジェダイト 代表取締役 技術士 鶴田明三

株式会社ジェダイト(JADEITE:JApan Data Engineering InstituTE)

関西品質工学研究会(宿泊研究会)@神戸しあわせの村

ながらく更新が滞っており、失礼しました。
まとめて近況を報告していきます。

7/4(金)~5(土)は例年、田口伸先生を迎えての宿泊研究会。
今年は、河内長野YHは休業とのことで、神戸のしあわせの村へ。
大多数の会員が、来年もここでやろう、と大満足(会場、風呂、料理など)。

1日目は10:00に集合。4件の発表と田口伸先生の講演。いつもながら激しい討論が繰り広げられました。
風呂のあとは宴会。1次会の飲み放題コースもそこそこに、大部屋に集まりお楽しみの2次会へ。

下名持参のギターで、田口伸先生の独奏会。いつもながらの芸達者ぶりには感服いたしました。

2日目は1件の発表とワーキンググループ。昼過ぎには解散と、あっという間の2日間でした。

あれ、全然品質工学の話がありませんでしたが、ちゃんと研究会はしましたので、誤解のなきよう。。。


株式会社ジェダイト(JADEITE:JApan Data Engineering InstituTE)

2014/06/28

品質工学研究発表大会(QES2014)に参加

6/26(木)~27(金)に開催された品質工学研究発表大会(QES2014)に2日間参加した。

これまで9年間で13件の発表を行ってきたが、昨年秋より部署や役割が変わったことや、技術士の受験などもあり、今回はひさしぶりに研究発表なしでの参加となった。

2日間ともずっとポスターセッションの会場を見てまわった。発表者への敬意として質問は積極的にすべきと考えるので、他からの質問がないケースではほぼすべての発表で質問やコメントをはさむようにした。下名の発言機会が多くなってしまったことはお詫びしたい。

興味深い研究もいくつかあった。特にヤンマーの永倉さんのMTによる時系列分析は、詳細の数理は論文では明かされていないものの、奥深いものを感じた。今後、交流を深めながら手法の全貌に迫りたいと思う。セイコーエプソンの畠山さんのような地道な現場での活動にも敬意を表したい。

1日目の昼には評議委員会が開催された。短い時間ではあったが1,2年ぶりの旧友を深めた。

1日目の夜にはITEQインターナショナルさんの音頭で恒例の懇親会。井上社長や、田口伸先生、アングルトライの手島さんらにも合流していただき楽しい時間をすごすことができた。

今回のQESで感じたことは、やはり発表しないと本当の意味で参加したとは言えないことだ。多少の充電期間は必要かもしれないが、またQESで発表できるようにしたい。


株式会社ジェダイト(JADEITE:JApan Data Engineering InstituTE)

日本規格協会品質工学入門セミナー(大阪)が成功裏に終了・お知らせ

6/23(月)~24(火)に大阪で開催されました首記の日本規格協会品質工学入門セミナーは18名の受講生と3名のオブザーバのもと、よい雰囲気で2日間を終了しました。

次回大阪開催は2015/2/12(木)~13(金)を予定しております。

また、来月7/7(月)~7/8(火)にて福岡地区でも開催しますので、近隣の方はぜひご参加いただければと思います。

下記に今回大阪開催でのホヤホヤのアンケートの一部を示します。雰囲気を感じ取っていただければ幸いです。

今回アンケートより
・導入に当たっての前段階での本質的な説明部が丁寧で大変理解しやすかった。
・質疑応答にたくさんの次回を割いたので、色々な視点・気づきがあり大変よかった。
・質疑応答に役に立つものが多く、自社で行かせるものが多かった。
・質問の回答がその場で得られたので助かった。
・社内で展開していくにあたってのヒントがたくさんつかめた。
・市販のテキストには記載されていないことも含まれており分かりやすかった。
・難解なイメージがあったが、実はふだんの業務でもすぐに活用可能だと感じた。
・タグチメソッドを使えば何でもできるというボヤっとした期待感はなくなり、本当の意味が分かった。
・品質工学の目的を知ることができ、これまで適用しようとしていた分野には合致していないことがわかった(MTシステムが適当)。
・今までとは違った考え方を学んだ。他のこれまでの考えと結びつけて品質向上に努めたい。
・DRの前準備が大事。開発部門の開発状況を確認するところからはじめる。
・まずは設計部門との積極的な取組み方向性を議論したい。
・「ばらつき」に対する意識が変わった。
・品質工学に出来ることとできないことが確認でき、適正な期待値をもつことができた。
・社内でもすでに活動しているが、基本的な部分の「抜け」を感じた。それを補完するような働きかけを行っていきたい。

要改善・課題
・テキストが白黒のためグラフなど見難い部分があった。
・できればMTシステムについてもう少し知りたかった(現在はMTシステムの単独講座はないため)。
・目的を達成する方法論は分かったが、直接的なものは今後他のテーマのセミナーが必要。

2014/06/24

技術士会経営工学部会・近畿支部の勉強会

6/21(土)に技術士会経営工学部会・近畿支部の勉強会(2か月に1回)に
参加しました。

前回は品質工学だったのですが、今回は内容的に業務に直接関係しないかな、と思いながらの参加でした。

第1部は情報システムやICTの話があり、ビッグデータの話などもあって、個人的にはそれなりに役立ちました。
第2部の、麻織物メーカ、仏具メーカへの地域活性化支援事業の話は正直あまり関心をもっていなかったのですが、聞いてみると品質工学などの品質作り込み活動の推進に役立つ気づきがいくつかありましたので展開します。

●夏向けの麻製品を冬に購入することに疑問を感じて、消費者に
 直接訪ねることを助言(支援事業者→中小企業)。直接訪問して
 みると「体にまとわりつきにくく、さらっとしていて、スースー感が
 なく、体になじむ。冬も上布団の内側で体に沿わせて愛用」
 とのこと。麻の熱伝導率のデータとともにPR資料に活用し、
 人気商品に。

→ よく観察して、疑問に感じることが重要。
  現場に足を運んでお客様の意見や使い方をよく聞くことが大切。

●仏具メーカは、モノを売っているのはなく、先祖を祀るための
 「作法」を売っている。

→ 推進活動も、品質工学などの「技法」ではなく、
  品質作り込みの「作法」を展開しているのではないか。

●(支援事業者は、中小企業=仏具メーカに対して)いかに説明すれば
 アドバイスした内容を行動に移してもらえるか、説得力が得られる
 ように事例収集に努める。

→ 推進活動も、推進メンバーが実践のキーマンに対して、いかに説明
  すれば行動に移してもらるか、事例収集に努める必要がある。

●お客さんに相当する中小企業(=仏具メーカ)の経営者の満足度を
 高めるのに、目先の問題処理では自立心を強める作用が強化されない
 から、将来展望を前提に助言する説得の方法に努める。

→ 推進活動も、つい目の前の問題解決を支援したくなるが、これでは
  自立心を強める作用が強化されない。将来展望を前提に
  本質的な改善について助言する必要がある。

さあ、明日は(もう今日か)、日本規格協会の品質工学入門セミナーである。新しい出会いに今からわくわくする。


株式会社ジェダイト(JADEITE:JApan Data Engineering InstituTE)

2014/06/08

材料メーカの品質工学

たとえば鉄鋼メーカとして、材料の開発をする立場ではどのような機能やノイズ因子を考えればよいのだろうか。

製品は鉄鋼のカタマリであり、そのあとユーザは形状を変えるための加工(塑性変形を含む)をしたり、防食などのさまざまな特性を付加するために処理を行う。すなわち、製品を出荷したあと、鉄鋼メーカとしては不明なさまざまなプロセスをへて最終製品(ピアノ線やバネや金型など)になる。

極論を言えば、鉄鋼(材料)メーカがユーザのあらゆる使用条件を考える必要はない。ユーザの要求(鉄鋼のさまざなな要求特性)にあった材料を安定して作れればよいのである。

その場合の評価特性は、ユーザの要求に関係するもの、例えば構造材料であれば強度やヤング率に関する特性(荷重-変位特性など、もちろん用途によって変わる)になる。

ノイズ因子の中心はプロセスのばらつきであり、それは鉄鋼材料製造プロセスにおける熱処理などの履歴の安定性である。プロセスの特性値の中心値の設計は、どのような特性の鉄鋼を作るかの機能設計、チューニング問題であり、ロバスト設計の対象でない。

その意味では制御因子は、たとえば熱処理工程では冷却速度などを安定化させるための設計因子が中心となる。鉄鋼材料の組成(の中心値)は特性を決めるための機能設計、チューニングの因子であろう。組成のばらつきもノイズ因子と考えられなくもないが、組成がばらついても特性が一定となる技術が考えづらい場合は、組成の管理はQC的なものにならざるをえないだろう。

もう1つノイズ因子として重要なのは、大物の製品における処理の位置間ばらつきである。これはテストピースの形状を工夫して、位置間で処理の履歴が変わりやすようなものを考えるところが技術力である。あわせて、カタマリの内部の状態を計測する技術も必要である(実験なら破壊検査でもOK)。

材料メーカの場合、製品がその後客先でどのように加工、処理されるかは不明(ユーザの自由)であるので、材料の要求スペックを客先といかにすり合わせるかが重要である。

株式会社ジェダイト(JADEITE:JApan Data Engineering InstituTE)

機能とノイズを検討する大切さ

2ヶ月ぶりに関西品質工学研究会に出席した。
といっても、前回出席の4月度も、最初の1コマだけしか聴講できなかったので、フル参加で議論に加われたのは久しぶりである。

基本的に研究会の発表内容は会員外秘なので、このBLOGでも直接内容をとりあげることはないが、そのなかで気づいたことを一般化して述べたい。

論文紹介でM社の研究発表大会予稿が採りあげられていた。この予稿自体はつっこみどころが多すぎてそれだけでもかなりの文章が書けるのだが1つ1つ挙げるのは抜きにしよう。

ここで言いたいことは、QESの研究発表や学会誌の論文が、直交実験のレポートレベルになっていることを危惧するものである。

さきの予稿でも機能やノイズ(誤差因子)の議論はあっさりしたもので、制御因子やSN比の公知の計算手順や数値例に紙幅を割いてしまっている。

この事例ではノイズ因子は1つだけ採り上げられており、SN比計算の数値例では、VeもVβ×Nも約200という値であることから、十分に能動的なノイズがかけられているとは言いがたい。それゆえ、再現性もなく、チューニングで上げたはずの感度も確認では下がっている(グラフのスケールがそれっていないので下がっているのことが分かりにくいが)。

品質工学の基本は機能性評価における機能とノイズの検討、それから定義されるSN比の定義につきると言ってよい。制御因子の説明は固有技術であるし、直交実験はツールの世界である。

そのように思って久しく、宣伝するわけではないが、日本規格協会で講義させていただいている講座では機能とノイズの部分を本当に重点的に、丁寧に説明させていただいている。直交表や要因効果の求め方などはツールにゆずる潔さだ。

品質工学の学習や研究で変な遠回りをしないでほしいと切に願うものである。


株式会社ジェダイト(JADEITE:JApan Data Engineering InstituTE)

2014/06/01

告知:品質工学入門セミナー

来る6月24日(火)~25日(金)に、日本規格協会(関西支部)にて、恒例の品質工学セミナーを開催します。
(関西品質工学研究会の方は、維持会員価格の半額を補助)

関西の研究会でも「機能の考えかたが分からない」「基本機能とは?目的機能とは?それらの違いは?」など、初学者にとっては理解しにくい、それでいてあまりテキストには詳しく説明がない疑問がでてきました。

品質工学セミナーの入門で重要なのは、技術における品質の考え方と、品質(機能の安定性)を評価するための3種の神器(機能、ノイズ、SN比)をしっかり押さえることです。
特に、機能についてはこの講座で、オリジナルの「考えるためのコツ」を伝授します。

今回も、下名と、同社の鐡見氏の2名体制で、「熱い」講義を提供したいと考えております。
ご興味のあるかたは、上記Webのフォームに入力いただくか、日本規格協会関西支部(担当;秋枝さん)までご連絡ください。

また、今年は7月に福岡でも開催しますので、近県の方はぜひご検討ください。


(前回案内から転載)

<本品質工学セミナーの特徴>
●品質工学の全体像がつかめる
●基本や本質が理解できる
 ・品質工学セミナー指定教科書「はじめての品質工学」以前の、あまり本には書いていないけど“本当は大事なこと、あまり言ってくれないこと”が分かる
 ・実際に困る点への対応や、ちょっとしたコツが分かる
 ・どういう場面で品質工学(特に、機能性評価とパラメータ設計)を使うのかが分かる
 ・演習で考え方を体感できる
●計算やツールに対するフォローもばっちり
 ・帰ってすぐ使える「パラメータ設計実験シート(Excel)」付き
#次回以降の配付は未定です。

<本コースの基本方針>
●とにかく、基本である「機能性評価」が大事!
 これをシッカリ理解して帰っていただきます。
 これが分からずパラメータ設計に走ってはいけません。
●実際に便利なのは「パラメータ設計」!
 すぐに理解しにくい「直交表」「SN比」「要因効果図」は
 ツール(無償配布)に任せて、まず実務で“使ってみる”
 ことが出来るようになることを目標とします。
●それ以外の手法は、概要を押さえていただきます。

 本品質工学セミナー用に書き下ろした最新のテキストを使用します。よいセミナーにしたいと思っていますので、初心者の方、もう一度品質工学の基礎を学びなおしたい方、社内での教えかたのヒントを得たい方など、ご参加をお待ちしております。

三宮のイタリアン R.Valentino

あれよあれよと言う間にもう5月も終わり6月に突入。
暑い日が続くねー、ということで、中学の同級生たち9人でプチ同窓会。

西宮のオペラ歌手Cさんのお声かけで、三宮のイタリアンR.Valentinoに行きました。

日中の暑さもあって、珍しく最初の3本は立て続けにスパークリングワインを注文。そのあと、おっとりと赤、白ワインを注文しました。料理はシェフのおまかせコース(4000円)。時間制限も特になく、4時間ゆっくりさせてもらいました。

6月も元気でがんばるぞう!


2014/05/07

「ほどよし信頼性工学」なるもの

「ほどよし信頼性工学」というものが最近、言われだしているらしい。
たとえばこちら。

http://thepage.jp/detail/20140227-00000017-wordleaf

拝見した感想をつらつら書きたいと思う。

ポイントは「ほどよいコストと品質・性能をバランスさせる」
「設計はシンプル・イズ・ザ・ベスト」を目指すとのこと。

コストを損失・効用をバランスさせて設計するという考え方は以前からある。
例えば、品質工学の「損失関数、許容差設計」の考え方や、信頼性技法の7つ道具の「信頼性・コスト設計法」などもその1つである。

またそもそも品質管理とは、品質保証を「経済的に」実現するための管理活動及び管理手段であり、「ほどよし」を今更強調するべき背景があるとも思えない。

では「ほどほど」でよいのかというと、実際は単純ではない。

先の地震の津波の事故に見られるように、「1000年に1度」に対しても万全の対策を打つべきなのか、「1000年に1度」まで考慮しなくてよいのかは、コストというよりは社会的なコンセンサスの問題も絡んでくる。

功利主義至上の考え方が、世の中に受け入れられなかった事例として「フォード・ピント事件」を思い出す。
人命がかかわる場合、そのような「センチメント」の問題は避けて通れないと考える。

もう1つの設計をシンプルにするということは、余分なサブシステムは整理してシンプルにできるわけだから、信頼性上もコスト上も部品や公差の管理上も有利である。

これも信頼性工学では、以前から言われていることで、複雑にすれば各パーツの故障率の掛け算でシステムの故障率が高くなるので、その面では設計の常識といえる。
VE手法や、トヨタのGD3手法でもそのようなことを言っている。

ただし、逆の考え方もある。品質工学におけるロバスト設計(パラメータ設計)では、設計を複雑にすることで、出力を安定にする考え方をとる。
写真用のカラーフィルムの多層構造、インクジェットプリンタインクの多色化(3原色以上)、カメラ用レンズの多群構造など、品質を安定化させるための工夫がされており、これらは基本的に「複雑化」の方向性をもっており、これが特許の要になっているわけだ。

これは教授のいう「屋上屋を架す」のは異なる。

世の中の製品には、確かに「設計根拠がわからないので変更(シンプルに)できない」「変更した結果に対して責任がとれない」などの理由で不合理な設計になっているものは多数存在するのであろう。

しかし設計も心(多くは個人的な損得勘定)をもった人間の活動である以上は、すべて合理的には進まない。
そのあたりは、品質工学の損失関数があまり普及しない原因1つになっていると考察しているのだが、それはまたの機会にする。


株式会社ジェダイト(JADEITE:JApan Data Engineering InstituTE)

2014/05/06

隷書と草書二品

連休だったので、課題を片付けた。
今回は隷書と草書を公開。
最近はこの2書体が気に入っており、とくに隷書は「波磔(はたく)」と呼ばれる、横画のはらいの部分がうまく書けると気持ちがよい。
活字でも、明朝体の横画の右側の部分に三角形のような形がついているが、これは波磔の名残りであるらしい。

今年の秋には五段に挑戦するが、稽古としての書道は一応ここを目標としてきたので、もし五段になれば創作にもチャレンジしてみたい。


2014/05/01

イタリア赤に、牛肉たたき野菜巻き、生春巻き

赤ワインも少し冷えた程度が旨い季節に。
カッシーナ・モンタニョーラ・アラマント・コッリ・トリトネージ・バルベラとある。店のオススメかなにかで買ったワインだ。こちらもイタリアもの。

赤には肉、あるいは肉には赤ということで、これも何度か登場している牛肉のたたきの野菜巻き。つけダレは、醤油ベースでにんにく風味のものと、甘めの島醤油にホースラディッシュを溶いたものの2種。

エビとパクチーが色鮮やかで夏らしい生春巻き。こちらはスイートチリソースで。


イタリア白に、砂肝の洋風煮込み、カツオのカルパッチョ

暖かくなってきましたので、冷たい白ワインがおいしい季節になってきました。
近くの量販リカーショップで、ふだんよりちょっといい白ワインを購入。

お相手は、砂肝を人参、玉ネギ、トマトなどとで洋風に煮込んだものと、カツオのカルパッチョ。カツオはポン酢で和風に食べても旨いが、血合いの味がだんだん飽きてくるので、辛子醤油とレモンで生臭さを消したこちらの料理のほうが好み。玉ネギ、みょうが、青じそをたっぷりのせて。



四段に昇段

今回の春の試験で、四段に昇段しました。
最近、ほとんど練習ができておらず、なんとか合格させてもらえた、というところです。


2014/04/20

技術士会近畿本部 経営工学部会に参加

4/19(土)に技術士会近畿本部 経営工学部会に初めて参加した。弊社の技術士(経営工学部門)の先輩であるOさんからの紹介で、本会の仲間入りができた。多くの技術士の先生方とお話しができ、有意義な場となった。

また興味深かったのは、研修会の講演で、村島先生(経営工学-数理・情報)の品質工学の講演があったこと。品質工学の概要の紹介と、N社時代に半導体の前工程の生産プロセス改善で、歩留りを大幅に向上した話などがあった。品質工学会ではあまりお名前をお見受けしていないが、学会活動よりも実践でのコンサルを重視されているようだった。

品質工学を実践・研究・推進されている方のなかには、いろんな立ち位置の方がいらっしゃるが、村島先生はいかに品質工学を実践の中で役立て成果を出していくか、社内では品質工学の言葉を使わず経営者に分かる言葉で説明するか、という視点となっており、共感する部分が多かった。

技術士で品質工学を専門としている点も下名と共通しており(専門科目も同じ)、今後交流を深めたいと思った次第である。



株式会社ジェダイト(JADEITE:JApan Data Engineering InstituTE)

77777PVを達成

おかげさまを持ちまして、このブログも77777ページビューを越えることができました。今後も、品質工学にとどまらず、経営工学や技術士関連の情報も発信できればと思いますのでよろしくお願いします。



株式会社ジェダイト(JADEITE:JApan Data Engineering InstituTE)

滋賀県品質工学研究会の講演 成功裏に終了

4/15に滋賀県品質工学研究会にて講演を行いました。

機能の考え方で迷わないための話、パラメータ設計の目的による使い分け、エネルギー比型SN比の話などが中心でしたが、特に機能の考え方のところで「すっきりした」「目から鱗」というご感想をいただけました。

質疑応答も活発で、教育や推進のところまで話がおよびました。

終了後は研究会の方々と懇親会。楽しく有意義な時間をすごさせていただきました。

参加された方のご意見、ご感想をお待ちしております。


株式会社ジェダイト(JADEITE:JApan Data Engineering InstituTE)

2014/04/13

伊ワイン バルドリーノ クラシコでお疲れさん

少し前になるが、技術士の試験が終わった後の晩餐。

赤味のステーキだけでもぜいたくだが、パスタにウニが。といっても、近くのリカーショップに売っている塩漬けを乗せたのものだ。付け合せはレギュラーのズッキーニとエリンギ。

ワインも同じショップで買ったイタリアワイン。備忘録として名前だけのせておくと、ロッコーロ・デル・ラゴ・バルドリーノ・クラシコ2011という、たぶん店のPOP広告かなにかのオススメで見て買ったもの。

冬場は日本酒の頻度が高かったが、そろそろワインも復活したい。


国産ヤマソーヴィニヨンと鴨

これもIさんに頂いた国産ワイン。山梨県長御坂峠に自生していた山葡萄と、フランス産カネルネ・ソーヴィニヨンとの交配によってうまれた赤ワイン用の品種「浅柄野 ヤマ・ソーヴィニヨン」で作ったというもの。きれいな赤紫色。

鴨、トマトパスタ、めんたいフランスとあわせていただきました。


2014/04/05

【今日の言葉121】

心を疲れさせないためには、余計なものを求めないことです。

ですが、よく考えればいらないものを、つい求めてしまうのが人間の弱いところでもあります。
「自分がしたいこと」を、いい加減に扱っているときほど、そういうものばかり追いかけてしまうのです。

「覚悟の磨き方~超訳 吉田松陰」(池田貴将)より

2014/04/01

技術士(経営工学部門)に登録

年度末ということで、先週末3/28から昨日3/31まで休暇を取って、家族で九州旅行に行っていました(そのうちの写真を一枚↓)。その間に技術士登録証が届いていました(正確には、不在者通知が ^^;)。

本日、再配達してもらい、技術士登録書を確認し、晴れて技術士になれたことを確認した次第です。

さっそく、明日名刺の注文と、会社の報奨金の申請を行います(報奨金は旅行で先に使ってしまいましたが、消費税増税前に使えたので、まぁいいでしょう)。

本日から、H26年度の2次試験の願書配布もスタート。今年受験される方はがんばってください。微力ながら受験に関する情報を公開していきます。


告知:滋賀県工業技術総合センターで講演

来る4/15(火)に、滋賀県品質工学研究会の主催で、品質工学基礎講座の講演を行います。技術士になって初めての講演でもあります。

講師 鶴田 明三 株式会社ジェダイト代表取締役・技術士

4/15(火)2014年度第1回品質工学特別講演会
http://www.shiga-irc.go.jp/info/news/qe2014_04_15/

京都や山梨の研究会でもお話した内容ですが、
今回は14:00〜16:30とたっぷり2時間半(質疑応答を含む)、やや詳しく、丁寧に説明できると思います。また質疑応答についても十分時間をとれると思いますので、ぜひご聴講、議論のほどよろしくお願いします。

品質工学をはじめた初学者、一回挫折してやめてしまった中級者、どのように社内で説明すればよいか悩んでいる上級者の方、それぞれに「目から鱗」を落としていただけるよう、がんばります。

参加無料(定員制)ですので、お早めに!




株式会社ジェダイト(JADEITE:JApan Data Engineering InstituTE)

2014/03/23

チキンの梅酒煮と長野県産白ワイン

 今年度、技術士2次試験に挑戦されているIさん(がんばってください!)よりいただいた、3本のワインのうちの1本がこの長野県産白ワイン「井筒ワインNACシャルドネ樽熟2010」。

 ソムリエの田崎真也氏らを中心とする長野県産地故障管理委員会の厳正な審査で長野モデルと認定されたワインだそうです。辛口で料理にはぴったりでした。

 さてその料理。メインは右下に写っている「チキンの梅酒煮」。骨付きもも肉をサラダ油としょうがでこげ色が付くまで炒めた後、梅酒(1/2カップ)やしょうゆ(大さじ2)、スープ(水1カップ+固形スープのもと)を加えて30分ほど煮込んだもの。梅酒のほんのりとした甘みがワインにもあう。食べた残りの煮汁には、さらに茹でたてのパスタを投入してシメとしました。


2014/03/22

【今日の言葉120】

まんがを参考にしてまんがを書いても仕方ないでしょ。いま、まんが家を目指している若い人たちは、まんがしか読まないことが結構多いんです。
(藤子・F・不二雄 「サンデー毎日」1993.5.23号より)

このあと以下のように続きます。
「でも、映画や小説、テレビなどたくさんのメディアがあって、さまざまな刺激を受けられるんですから、まんがだけというのはもったいない気がしますし、問題だとも思っているんです。」

品質工学の研究者、実践者もそうではないだろうか。
品質工学しら知らずに、品質工学の本を読んでみたが、また実践みたが品質工学がどうのこうの、と良し悪しを論じたり。

統計的品質管理、数理計画、信頼性工学などのたくさんの管理技術・汎用技術があって、さまざまな刺激が受けられるんですから、品質工学だけというのはもったいない気がしますし、問題だとも思っているんです、ってね。(笑)

ちなみに、小学生のころは藤子先生に憧れてまんがばかり書いていました。

2014/03/16

技術士2次試験受験申込書/経歴書の書き方(3)

 さて、最後は「業務内容の詳細」である。H25年度より業務体験論文が無くなり、受験申し込み時に720文字で概要を記載するようになった。そのため、業務詳細にどの経歴を選択するのかや文章の準備は、以前よりも早く始める必要があるようになった(以前は筆記試験終了後、合格者のみ体験論文提出)。

 それに加えて720文字である。以前の投稿にも書いたが、720文字という制限は余りに厳しい。試しに書いてみると分かるが、自分のことを知らない試験官相手に、業務の背景や目的、自分の立場、業務の課題、技術的問題点、解決策、効果、評価と展望などを要領よくまとめていく必要がある。

 オススメの方法は、いきなり720文字に収めるのではなく、長くなってもよいのでまずロジカルな(筋が通っていて矛盾のない、そして分かりやすい)文章をまず作ってみることである。A4で1~2枚になってもかまわない。その上で満足のいく内容に仕上がったら、そこから720文字の要約文を作成するという要領である。

 見やすい文章ということで、各項目(パラグラフ)ごとに、文字装飾を変えた(ボールド&下線のような)表題を入れておくとみやすい。下名が使用した見出しは以下である(「・・・」以降は見出しの説明)。すなわち、いくつかの項目を1つのパラグラフにして3つに分けた。
 1.業務課題と役割・・・対象とその背景を述べ、自分の立場を明確にする
 2.技術課題と私の提案・・・技術的に問題となった点と、技術士としての提案
 3.成果と展望・・・どう良くなったのかと、今後の展開

 下名の場合はさらにパラグラフごとに空白行を入れた(これが文字数にカウントされないことは確認済み)。このような細工ができるのも、紹介したPDF編集ソフトを使用したおかげである。

 完成した文章を声に出して読んでみよう。黙読で追っていただけでは気がつかなかった、文章のおかしい部分や、分かりにくい部分、繰り返しになっておりくどい部分、つながりが悪い部分などに気づきやすい。また誤字脱字や専門用語の間違い・誤用は、資質を疑われ致命傷となるので何度も読み返してチェックするようにしよう。

 内容については、個々の文章を見ないとコメントしにくいが、総じていえることは、初見の試験官に対して、いかに技術者としての自分をアピールできるかである。すなわち、プロジェクトの成果ではなく、自分が技術士として何をやったのかのアピールである。そこに高度の専門的応用能力が発揮できている感じがでているかどうかがポイントである。したがってプロジェクトの有名無名や、事業規模、役職の大小は関係ない。技術士としてふさわしいことをアピールすることと、立派な事業や肩書きを自慢することとは別なので注意するよういしたい。

 提案の部分は、奇抜なものや、世紀の大発見などは必要ない(これは筆記試験の論文についても言えること)。所与の制約条件のもとで、既知の方法を適宜組み合わせて、または小改良を行い、最短距離で現実の問題を解決できていれば十分である(特許でもほとんどは組み合わせである)。むしろ短時間で試験官に内容を理解していただくことのほうが重要である。そのためには、その技術分野で通じると思われる専門用語は積極的につかって文字数の節約とミスコミュニケーションの防止を図ろう。

 720文字ということで書きたくても書ききれなかったアピールポイントもあることだろう。そのため、文中ではフックとなるキーワード(少しマニアックな専門用語や、造語風の表現)を書いておき、口頭試問での呼び水になるように仕組んでおくとよい。そのキーワードに対する質問が来たら、その時が絶好のアピール時間になる。

 ほかにも技術士の方々に添削していただく過程で色々あったと思うが、思いつけばまた追加投稿していきたい。

2014/03/15

技術士2次試験受験申込書/経歴書の書き方(2)

 さて2枚目の経歴書である。これは完成までに時間がかかることを覚悟して、できるだけ早く準備して、提出するときもぎりぎり(4月下旬ごろ)まであきらめずにブラッシュアップに努めていただきたい。

 まず上段の大学院における研究経歴であるが、社会人のほうで年数が足りていても、研究経歴がある場合は書いておいたほうがよい。空欄であるということで、口答試験で無用な質問を受けて時間を浪費する可能性もある。下名は年数が足りていたので書かなくてもよいと考えて空欄で提出してしまったのであるが、後悔したのである。幸い、口頭試験ではその点について聞かれることはなかったが、無用なリスクは避けておくべきである。

 さて、本論の業務経歴部である。昨年の制度改正から経歴はたった5項目しか書けないようになった。これは特に業務年数が長い方にとってはまとめるのに苦労するだろう。下名は受験時点で19年間であったが、若い頃の(しかも受験した技術部門とは関連のない)経歴で1行使用することがもったいないと感じたからである。したがって結果的には、入社4年目からの16年間を5項目に分けて記載することになった。

 ここで、いきなり業務経歴を書き出すのは良くない。まず自分のこれまでの業務のたな卸しをする必要がある。Excelの縦軸に時間軸(1年単位程度)、横軸に所属、役職・立場、業務内容、課題、事業成果、その他(特許、学会発表、関連資格の取得、表彰など)を書き出していく。業務内容を見ていくと、オーバーラップする部分が必ずでてくると思うが、業務経歴では年数は重ならず、しかも隙間なく記載していく必要があるので、ウソにならない範囲で(会社に証明をもらう必要があるので)数年後ごとに業務内容を区切って5つに分けていく。この部分は自分のこれまでの業務を振り返るよい機会になるし、今後も役に立つので、時間をかけて損はない。

 このように棚卸しした業務を5項目に分けて書いていくが、最も重要な点としては、業務を経ていくごとに何らかの成長が伺える記述にすることである。より難易度の高い課題に取り組んだ、より広範囲の課題に取り組んだ、技術領域を広げた、個別課題から組織や全社的な課題に取り組んでいった、というようなことである。逆に業務年数を経ても、対象が少しずつ変わっただけで、大して変わらないような記述が続くと、「技術者としての成長(=CPD)がうかがえない」として、口答試験で厳しい試問が続くことになりかねない。

 もう1つ重要な点は、「○○の研究」などとあっさり書かずに、字数(51文字)の許す範囲で具体的な立場や事業成果(性能向上、品質向上、生産性改善、コスト改善など)や成果物(特許、学会発表など)が分かるように記載してできるだけアピールすることである。試験官は、この申込書/経歴書と試験の答案しか、あなたに関する情報はないのである。必死になって最後の1文字まで情報を埋め込むようにしよう。

 技術士の業務は、「科学技術に関する専門的応用能力を必要とする事項についての計画、研究、設計、分析、評価又はこれらに関する指導の業務を行う者」であるので、各業務の内容は、これらの(計画、研究などの)ワードで終わるようにする。「開発」は無いので注意する。

 その他注意したいのは、アピールしたいからといって、実際より過大な内容を記載しないことである。試験官が知りたいのはプロジェクトの成果や事業規模ではなく、あなたが担当者、責任者として主体的に実施した内容である(これは後述の「業務内容の詳細」でも同様)。

 業務経歴を書くにあたっての最後のポイントとしては、ウソにならない範囲で、従事期間はキリのよい数字にしておくことである。具体的には期間は6ヶ月単位(できれば1年単位)にしておいたほうが、口答試験のときの説明でも思い出しやすいし、覚えやすい。下名の場合は16年間をくっきり、2,2,5,5,2年で区切った。口答試験のときはただでさえ緊張しているし、和暦にも普段なれていないので、無用なプレッシャーのもとは予め絶っておくほうがよい。

 長くなったので、業務経歴詳細は次の記事に譲ろう。


技術士2次試験受験申込書/経歴書の書き方(1)

 今年2次試験を受けられる方はそろそろ受験申込書の準備にかかっている頃だろう。記入要領は技術士会の指示に従うには言うまでもないが、忘れないうちに、申込書記入上の注意点や工夫などをまとめておく。お役に立てれば幸いである。

技術士会HPによれば、H26年度の2次試験の受付は以下の通りである。
 受験申込書配布期間 平成26年4月1日(火)~5月8日(木)
 受験申込受付期間 平成26年4月14日(月)~5月8日(木)

 4/1になればHPに申込書がアップされるので速攻でDLして、書類作成にかかろう。そのためには記入内容を十分吟味しておく必要がある。そしてもし近くに技術士の方がいれば(できれば2名以上)、その内容に何度もコメントをもらい、推敲していく必要がある。自分が思っているほど、全く「書けていない」と謙虚な気持ちで臨むことが重要である。

 さて添付の画像は制度が変わった初年度のH25年度の様式だが、おそらくH26年度も同じ様式だろう。その点は昨年度よりも準備がし易いに違いない。

 配布される様式は、テキストが所定文字数記入できるPDFになっているが、このままでは多少使いづらい。特に2枚目の業務内容の詳細のところで、デフォルトの様式のままでは、720字かつかつしか入力できなくなっているので、パラグラフごとに空白行を入れて見やすくするようなことはできない(できるが、記入可能字数が減ってしまう)。また、ボールドや下線といった文字装飾も使用できない。
 そこで下名の場合は、フリーのPDF編集S/W(PDF-XChange Viewer)に透明のテキストボックスを貼り付けて記入した。これにより非常にみやすい仕上がりになった。
 このような装飾がOKであることは確認済みであるし、下名自身もこれで書類を受理され、合格もしているのでご安心を(もちろん、字数制限は守るように!)。

 さて、1枚目は申込書になっている。こちらは指定の要領どおり記入していけば問題ないが、「専門とする事項」は吟味してほしい。大事な点は、①受験する技術部門に合致した事項になっているか、②あまり長すぎないようにすること、である。①は技術士会が例示している選択科目の内容の中から(例えば「経営工学-数理・情報」なら「統計・信頼性技法」など)選べればそれにこしたことはないが、ぴったり当てはまらない場合は、自作してもよいことになっている。②は字数制限以内なら何文字でもよいのだが、筆記試験のときに、原稿用紙1枚ごとにそれを記載する必要があるので、簡潔かつ自分の専門とする事項にあてはまるワードを厳選したほうがよい。下名の場合は業務経歴の内容と考え合わせて「品質工学・SQC」とした。

 1枚目については、あとは年号を和暦にすることを忘れない程度で、特に問題はないだろう。長くなったので2枚目の経歴書は次の記事で述べる。


2014/03/09

論文再現:H25技術士2次試験(経営工学-数理・情報) Ⅲ-1

学習者への支援になるかと思い、下名の試験再現論文を公開する。判定はすべてAであったが、60点以上というだけなので、これで十分かどうかは分かりかねる。ただし、口答試験では全く回答論文に対する疑義はなかったことは情報として付け加える。

問題Ⅲは2問中1問選択で、600字詰め原稿用紙3枚。時間は2時間。
ビッグデータのデータマイニングに関する問題と、新製品における市場品質データに関する問題とが出たが、前者を選択。

今年から問題の形式が少し変わったが、小問に分かれているので、何を記載すべきかは分かりやすくなった。小問で問われている1つ1つの内容に的確に答えていくことが重要である。また、見出しの数が多くなるので、アンダーラインをつけるなどして、見やすくすることも必要。分量が多いのでまず見出し(目次)を考えてから、各節の行数を見積もりながら書いていく。箇条書きを多用することで、見やすくなり、文字数の調整もしやすくなる。

3枚問題では、「1.はじめに」で主題のテーマに対する背景や定義などを述べ、最後の節「おわりに」で本技術部門の技術者としての抱負を述べると収まりがよい。


(問題文は技術士会HPより引用)

再現論文(判定A)

1. はじめに
 ビッグデータとは、単に大容量というだけでなく、①解像度が高く個別要素に関し、②リアルタイムなど生成・取得頻度が高く、③非定型・非構造であるため、結果として大規模になるデータをいう。
 近年、電子商取引データ、ブログ・ツイッター等のライフログデータ、監視用等の動画データ、位置情報等のセンサデータが大量に生成・取得されている。
 また情報通信技術や解析ソフトウェアの進展により、ビッグデータを活用して、新しい有効な知見を得ようとする動きが強まっている。

2. ビッグデータから有用な情報を抽出するための手順
2.1. 手順の例
 (1)目的を明確化する。例えば、レコメンドサービス構築のため頻出パターンを抽出したいのか、動画やツイッターからイベントを抽出したいのか。
(2)解析精度を明確化する。
(3)データを吟味する。(次節で詳述)
(4)解析手法を選択する。
(5)必要に応じて、高速化・並列化を検討する。
(6)解を吟味する。現実や固有技術と合致しているか、専門家の意見も聞く。
2.2. 重要と考える項目
 私は(3)データの吟味が重要であると考える。その理由は、使用するデータの吟味は計画段階にあたり、適切なデータを用いないと、十分に数理的手法の効果を発揮できず、期待した効果が得られないからである。
 使用するデータがどのようにしてとられたデータなのか、欠測はないか、偏りはないか、離れ値はないかなどを吟味する。不正なデータは削除、補完などを実施する(データクレンジング)。必要に応じてデータの正規化や、数量化を行う。

3. 技術的課題と提案
3.1. 情報処理の高速化・短時間化
【課題】データが多くなるとデータの転送・計算等にかかる工数が大きくなり、計算時間が大きく、コストが大きくなるという課題がある。またこれによって意思決定が遅延するという課題がある。
【提案】①統計的な誤差に留意しながらデータサンプリングを行うことを提案する。また、②数理計画問題を部分問題に分割して並列計算することを提案する。さらに、③費用対効果を勘案して、計算の並列化(グリッドコンピューティング等)を提案する。
3.2 個人情報・プライバシーへの配慮
【課題】個々のデータベースでは個人を特定できなくとも、複数のデータベースを照合することで個人が特定できる場合があり、個人情報やプライバシーの問題に配慮することが課題である。
【提案】①個人データの削除、統計化、公開や使用の遅延を提案する。②また協調サンプリングのような、似た客をクラスタにまとめ選好をそこに帰属させるような考え方の活用も提案する。

4. 私の提案の効果と潜むリスク
4.1. 情報処理の高速化・短時間化に関して
【効果】情報処理コストの削減や、計算時間が速くなることでの意思決定の迅速化が期待できる。具体的には、新サービスや新ビジネスモデルを他社に先駆けて展開できる。
【リスク】グリッドコンピューティングを想定した場合、クラウド等の利用が想定される。その場合、ネットワークやホストのセキュリティーの問題や、EDo S攻撃による課金の増加などがリスクとなる。
4.2. 個人情報・プライバシーへの配慮に関して
【効果】これまで以上に広範囲の問題、例えばさまざまな社会問題(交通事故、自殺、犯罪等)の解決が期待できる。
【リスク】技術的対策だけでは個人情報の使用に対して社会的合意が得られないというリスクがある。国による法制化や第三者監視機関の設置が必要である。

5. さいごに
 ビッグデータを有効に活用し成果を挙げていくためには、データマイニングや数理的手法に関する高度な知識と見識が必要である。私は、経営工学部門(数理・情報)の技術者として、ビッグデータの活用およびその指導に邁進する所存である。     以上

(※無断転載、再配布禁止。本論文は、著作権法により保護されています。)

論文再現:H25技術士2次試験(経営工学-数理・情報) Ⅲ-1-3

問題Ⅱは3問(4枚)で2時間と非常にタイトな回答時間で書いたもの。

4問中2問を選択する問題Ⅱ-1からは、直交表実験に関する設問(本問)を選択。

これは自分の専門分野。通り一遍の知識だけでなく、実務を通じての応用能力がにじみ出るような回答を心がけた。特に「樹脂成形工程」(実物実験)であることや、因子が10個あであることなどの設問の条件に注意して解答することが大切である。

(問題文は技術士会HPより引用)

再現論文(A評価)

1. 直交配列表実験のタイプ
 直交配列表(以下直交表という)実験の割り付け方のタイプには大きく以下の2通りがある。
①主効果のみを割り付ける場合:L12、L36などの非素数べき乗型直交表を用いる。
②主効果と交互作用を割り付ける場合:L16、L27、L32などの素数べき乗型直交表を用いる。

2. 可能な調査内容
(1)タイプ②の場合、交互作用が2因子間の交互作用が特定の列に現れるため、線点図などを用いて割付の妥当性を調査する。
(2)題意のような実物実験の場合、実験環境変動の影響が計測値に影響を与える。影響を軽減するための実験順のランダム化が実施されているかを調査する。
(3)成形品の実物測定において測定誤差が生じうる。測定方法や計器の精度などを調査する。
(4)誤差分散の自由度が小さいと、因子の効果が有意になりにくい。直交表空き列が十分確保されているか、そうでない場合は実験の反復を行っているか等、必要な自由度が確保されているか調査を行う。
(5)想定していない交互作用が、有意になると期待していた主効果に交絡した場合、正しく推定が行えない。特にタイプ②の場合は、想定していない交互作用がある主効果に交絡するため、そのような状況が発生していないかを調査する。         以上

(※無断転載、再配布禁止。本論文は、著作権法により保護されています。)

論文再現:H25技術士2次試験(経営工学-数理・情報) Ⅱ-1-2

問題Ⅱは3問(4枚)で2時間と非常にタイトな回答時間で書いたもの。

4問中2問を選択する問題Ⅱ-1からは、在庫管理に関する設問(本問)を選択。

一見、「生産マネジメント」科目の問題に見えるが、「数理・情報」の専門科目の問題として問われているので、発注点や安全在庫量などの管理指標を数式を用いて説明する必要がある。1枚しかないので、必要な内容を手際よくまとめるに苦労した。
本再現論文では訂正しているが、1.節の文章で、定期と定量を逆に書いてしまった点は原点されただろう。2.以下の記載は特に問題ないはずである。

(問題文は技術士会HPより引用)

再現論文(A評価)

1. 2つの在庫方式
 横軸に品種、縦軸に使用金額をとったABC分析では、使用金額が多いAグループには定期発注方式、金額が少ないCグループには定量発注方式が適用される。

2. 定量発注方式
 【定義】定められた在庫水準(発注点)に達した時点で定められた量だけ発注する方式である。発注点=調達リードタイム×1日当たりの平均使用量+安全在庫量、安全在庫量=安全係数×使用量の標準偏差×√(調達リードタイム)で求められる。発注量は発注費用と在庫費用がバランスする経済的発注量を用いる。
 【特徴と留意点】発注業務や管理の工数が少なくて済むという特徴がある。一方、需要が安定した品目にしか適用できない点に留意する必要がある。
 【対象品目】需要が安定な文房具などの備品や、よく使用するネジなどの例が挙げられる。

3. 定期発注方式
 【定義】一定周期で需要を予測しながら、毎回異なる量を発注する方式である。発注量=調達調整期間の需要量+安全在庫量―発注時の在庫量―発注残となる。
 【特徴】需要の変動が大きい場合でも使用できるという長所がある。一方、発注毎に需要の予測が必要なため、管理工数がかかることに留意する必要がある。
 【対象品目】需要変動が大きい使用頻度が低い部品や、特注品などの例が挙げられる。以上

(※無断転載、再配布禁止。本論文は、著作権法により保護されています。)