2012/05/24

品質工学入門セミナー 成功裏に終了

今回は2日間で比較的じっくりとお話することができました。受講生の方々は21名でした。遠くは長崎県から来られている方もおり、非常に熱心さが伝わってきたセミナーだったと思います。

 恒例の(?)最後の質問「会社に帰ったら何らかのアクション(実験計画、組織への進言など)を起こすことが明確になった方!」に対しては、今回も(たぶん)全員の方に挙手をいただきました。最後はお互いの今後のチャレンジに対して、承認の拍手を送り合い、締めくくることが出来ました。

 アンケート結果はこれから集計するところです。受講者の皆様、事務局のYさん、協同講師のTさん、2日間お疲れ様でした。

2012/05/21

金環日食に想う

本日の朝7:30ごろ日本の広い範囲で金環日食が観測された。次は300年後とのことだ。確かに珍しい天文ショーなのかもしれないが、それよりも太陽と月の実際の大きさがとてつもなく違うにもかかわらず、わが地球からはそれらがほぼ同じ大きさに見えることはかなり驚くべきことではないだろうか。これは単なる偶然なのだろうか。

 長らく(いつのころからは忘れたが)、この疑問を抱いていたが、これを解いてくれる1つの鍵が「人間原理」である。太陽と月はともに、地球に重大な影響を及ぼす天体である。地球に生命が生まれるためには、太陽が適切な距離にあって適温が保たれなければならないし、適度な質量の月を適度な距離に伴って、月の引力(潮汐効果)により地軸が固定されることが絶対必要だったのである。

 太陽と月の見かけの大きさが現実の通りでなかったとしたら、この地球には生命が誕生せず、ましてや人間のような認識者は進化しなっかっただろう。つまるところ、金環日食のような現象が見られるのは、極めて低確率(もしかしたら唯一地球だけ)であるにもかかわらず、もしも知的観測物が空を見上げて考えている場所が他にもあるとしたら、そこでも必ず金環日食が見られるはずだとういことになる。

 これは「観測選択効果」と呼ばれるきわめて重要な現象である。「客観的には稀、観測的には必然的」な事象である。人が観測できる現象は、それそのものが特殊な現象なのである。

三浦俊彦「心理パラドックス」より(一部変更)

2012/05/16

不具合を阻止できるのは手法でなく固有名をもった個人だけ

(日本では)いったん事件化したあとになって「誰のミス」であるかを徹底究明するこには熱心だが、事件化するより先に「私の責任」でミスを無害化する仕事にはほとんど熱意を示さない。

不祥事を阻止できるのはシステムではなくて、その中で働く固有名をもった個人だけだからである。(中略)

成果主義は、この「成果にはカウントされないが、システムの崩壊をあらかじめ救ったふるまい」をゼロ査定する。(中略)

「誰の責任だ」という言葉を慎み、「私がやっておきます」という言葉を肩肘張らずに口に出来るような大人たちを一人ずつ増やす以外に日本を救う方途はないと私は思う。

#以上、前回の投稿につづき、内田樹「こんな日本でよかったね」から。

未然防止(予防)の特性を見事に言い当てている。”「私がやっておきます」という言葉を肩肘張らずに口に出来るような”ボランタリーな行動、これが倫理である。
手法は必要ではあるが、最後はやはり人である。人を造ることの重要性。いや、それ以前に自分はそう在らなくてはならない(そう、肩肘張らずに)。

技術者倫理の本よりも、内田樹のほうが面白く、身になる。GWに高熱で寝込んでいたこともあり、ここ最近で文庫を立て続けに7冊読破してしまった。

2012/05/13

原理主義と機能主義

「これじゃなきゃダメ」というのが原理主義である。
「使えるものがこれしかないなら、これで何とか折り合いをつけよう」というのが機能主義である。

原理主義者は「リソースは無限である」ということを前提にして、至純にして最高のものを求める。
機能主義者は「閉じ込められた世界、有限の時間、限られた資源」の中で、相対的に「よりましなもの」を求める。

(中略)「なまもの」を扱っている人はだいたい機能主義者になる傾向がある。

(中略)「原理は分からないけど、現に治るんだから、それでいいじゃないか」
これは典型的な機能主義的な態度である。

以上、内田樹「こんな日本でよかったね」より。

 品質工学が言っていることは、いわゆる科学的な方法に比べれば、かなり機能主義的で、現実の課題(=なまもの)を扱うときには当然の態度なのだが、品質工学の言葉の枠組みで話す方々の一部には、非常に原理主義的な態度の方もおられる(それが必ずしも悪いということではない)。
 
 理想論もヴィションとしては必要で、品質工学における便利な道具としての機能主義的な部分と、理念としての原理主義的な部分をうまく止揚させて、「本当に”使える”品質工学」を構築していかなければならない。

2012/05/12

ものづくり革新ナビ

本日、関西品質工学研究会で、産業革新研究所の熊坂さんにご講演いただき、そのなかで品質工学を含む、ものづくり革新の有用なサイトを立ち上げらているということで下記ご紹介がありました。登録無料です。


ものづくり革新ナビ
http://www.monodukuri.com/

2012/05/08

品質工学セミナー入門コース(関西開催)

好評をいただいております、日本規格協会主催の品質工学セミナー入門コース(関西開催)が5/22(火)~23(水)のまる2日間で開催されます。

 前回は1.5日コースですが、2日目のパラメータ設計の講義をさらに充実させた内容になっております。今回も。本コース受講者の特典として、帰ってすぐに使える、パラメータ設計実験計画&直交表実験自動解析ツールが付きます。

 品質工学をたった2日間で習得することは正直無理ですが、本セミナーでは、あまり入門書にも書かれていない本当に大事なことをご理解いただき、品質工学の最初の一歩を踏み出していただくための、ささやかな後押しをお手伝いさせていただきたいと思っています。前回2月度の受講者の方全員が受講後に「帰ったら一度、品質工学(機能性評価またはパラメータ設計)をトライみよう」という意思を示されました。

 前回受講していただいた方の声もご参考ください。
 http://tsuruzoh-qe.blogspot.jp/2012/02/blog-post.html

2012/05/06

コスティエール・ド・ニーム(Costières de Nîmes)と鴨など

連休(4/28~5/6)に入るやな否や、疲れがたまっていたのか、初日からいきなり39度以上の高熱が出てダウン(幸い、インフルではなかったようです)。前半は完全に棒に振ってしまった。

 さて、ネット通販で12本セットのフランスワインを購入したのだが、これがその1本。コスティエール・ド・ニーム(Costières de Nîmes)は、ローヌ川西側のラングドック=ルシヨン地域の新進のAOCであり、高級なワインではないが、コンクールで金賞を受賞したもので、普段飲みには十分である。

 おかずは、鴨のスモーク(成城石井で購入)、カツオのカルパッチョ、サーモンとアボガド・オニオンのサラダ、カニクリームの平麺パスタ。