2010/12/31

【今日の言葉074】

実行してみて自分の仮説の間違いを知ることは、行動における最大の収穫である。
(山崎将志「残念な人の思考法」)

ボッター・ビフェルノ・リゼルヴァ2005


 手ごろなイタリアワインをご紹介。通常のステンレスタンクの熟成前に18ヶ月もの樽期熟成をしているとのことで、タンニンと酸味のバランスがよいように思います。ネット通販で1239円とお値打ち。

 写真の料理は牛肉のたたきの野菜巻き、バジルのパスタ、玉葱の丸焼きと、結構今までに出て料理たちですね。玉葱の丸焼きはオリーブオイルと岩塩でいただきますが、血栓予防にもよくおいしいので好物の再度メニューの1つです。

2010/12/29

【今日の言葉073】

首から下で稼げるのは一日数ドルだが、首から上を働かせれば無限の富を生み出せる。
(トーマス・エジソン)

2010/12/28

【今日の言葉072】+SN比の機能安全設計

(間違ってしまう)原因は使い手の理解不足や凡ミスによるものであった。これは担当者個人の問題だけではない。情報システムによってこういう担当者を「生産してしまう」という仕組み上の問題でもある。
(山崎将志「残念な人の思考法」)

 日本ではOJTのような現場の訓練や、KYTのような危険予知、ボランタリーな小集団活動、経験といった、担当者個人のモチベーションや注意力、個人や共同体の暗黙値にリスク管理をゆだねる傾向が強いが、多民族国家ではシステム(仕組み、ルール)で管理する、またそのルールも簡単には破れないように(または担当者がルールを守りやすいように)仕組みにしておくのが普通である。

 安全設計の世界ではリスクに対する対策に3段階あって、その対策順序が重要である。最初に行うのは「本質的安全」の設計で、そもそもそのようなリスクが生じないように、該当する作業を行わなくてすむような対策である。交差点の交通事故にたとえれば、交差点を立体交差にするようなものである(車に乗らない、外に出歩かないというのは非現実的だろう)。次に行うのは「機能安全」の設計でインターロックやフールプルーフなどの装置によって注意を促したり、物理的に危険な作業をできなくしたりするものである。先の例では踏み切りや信号機(+交通法規)がそれにあたる。機能設計においてはその装置が故障した場合にリスクを避けられなくなる。そして最後に行うのが「使用上の注意」などの喚起、教育によって使用者に注意を促すことである。先の例では、道路は横断歩道を信号や左右を見て注意して渡りましょう、と教育する類である。

 さて品質工学におけるSN比の使用についても同じことは言えないか。つまり「SN比を使うときには、信号の範囲をそろえたり、水準数が同じになるように」注意を喚起するだけでは不十分で(というより順序としては最後で)、まずSN比自体に使用者が間違わないような仕組みを埋め込んでおくべきではないだろうか。それはそのような問題が発生してから考えるレベルの話ではなく、そのような使用上の間違いが起こりうるので、間違い得ないように未然防止しておく「SN比の機能安全設計」の問題である。実用上はエネルギー比型SN比がその一案であると考えている。

 信号機や踏み切りと立体交差ではまったく建造コストが異なるので、両者はコストと許容できる事故の確率の兼ね合いで使い分けられているが、SN比の場合は計算方法の微修正のみで、むしろエネルギー比型のほうが計算コスト(工数)は少ないくらいである。ツールの機能安全設計は広く普及させる戦略の1つであると思う。

2010/12/24

エネルギー比型SN比が紹介されました


 のっぽさんこと、長谷部さんの新刊「開発現場で役立つ品質工学の考え方
に、エネルギー比型SN比の数式と、使用に関する見解が掲載されました。

「今後使用が広まっていくものと考えられる」との評価をいただきました。

2010/12/14

品質工学誌「会員の声」に載りました

 今月号(2010年12月号)の「品質工学」誌の「会員の声」のコーナーに、エネルギー比型SN比の報文「品質工学で用いるSN比の再検討」(2010年8月号)に対する、感想が日立製作所の日座さんから投稿された。同時に、下名(ら)から同報文に対する補足も掲載されている。

 「会員の声」の欄は800文字以内という制限が最近つけられたので、字数に収めるのに苦労した。前報文での審査部会のコメントを逐一引用して回答する紙幅がなかったため、最低限補足しておくべきことだけをまとめて、後の議論、評価は皆さんにゆだねる方針とした。

 まだ掲載されていない分なのでここには書けないが、学会のもと幹部(誰でもご存知の方です)によって前報文に対する本格的な解説論文が、今後掲載される予定である。

 今後議論が広がっていくことを期待する。

2010/12/05

須磨イタリアン「ピッツァリア・オット」


 中学の同窓の集まりで13人(女子10に、男子3人)にて、忘年会をしました。JR須磨より徒歩で10分いったとことにあるイタリアン「ピッツァリア・オット」。

 コースはオードブル盛り合わせ、いわしのカルパッチョ、ピザ2種類、パスタ(写真なし)、デザートでした。イタリアでも活躍中のオペラ歌手のCさんのワインのセレクトもばっちりで、差し入れの1種類をふくむ4種類(泡1、赤2、白1)をいただきました。

 質、量ともリーズナブルな店だと思いました。

2010/11/28

来客で赤ワイン2本空け


 昨日は大学時代の友人のNくん夫妻のお子さん1歳のMちゃんのお披露目で、うちに来てくれました。料理は手前から、生ハム・バジル・モッツァレラチーズのパニーニ、えび・アボカド・きゅうりの生春巻き(スイートチリソースで)、焼豚・白髪ねぎ・きゅうりの生春巻き(甜麺醤で)、タンドリーチキン風からあげ、ラタトィユ。

 ワインは、1本目はフランスのシャトー・オート・ガリーヌ・ミネルヴォワ2008、2本目はスペインのアルトス・デル・カブリエル・ティント2007。そのあとスコッチまで飲んで・・・(@∀@;)

 いつもお世話になる京橋ワイン(http://www.kbwine.com/)で、6本4980円というお値打ちセットで、いずれもおいしくいただきました。

【今日の言葉071】

ひとりでは多すぎる。ひとりではすべてを奪ってしまう。
(外山滋比古「思考の整理学」より米国女流作家ウィル・ギャザーの言葉)

 この言葉の「ひとり」とは恋人のこと。相手がひとりしかいないと、ほかが見えなくなって、すべての秩序を乱してしまう、というのである。ひとつだけを信じ込むと、ほかのものが見えなくなってしまう。いくつかの筋とそれぞれにかかわりをもって生きてこそ、やがて網がしぼられ、ライフワークのような収穫期を迎えることができる。

2010/11/15

【今日の言葉070】

人間だけが「そうなりたい」と願うことができ、実際にそれに近づける。(中略)できることなら、自分を利するだけでなく、社会に貢献できるものであればなおさら結構です。そうすると、不思議なことにその志に共感して必ず手をさしのべてくれる人が現れます。
(中谷巌「プロになるならこれをやれ!」)

2010/11/14

損失関数考(2)

 損失関数を活用する上での課題を改めてまとめておくことは今後の議論や研究の指針になるだろう。一部解決案が提示されているものも含めて記しておく。

(1)損失関数の横軸となる物理量(主たる品質特性)をいかに設定するか。
   さらに、1つの品質特性で複雑な製品の社会的損失が推定できないとすれば、複数の品質特性による損失をいかに総合するか、ということ。

(2)その品質特性の機能限界(LD50)をどのように決めるのかということ。
   品質工学では「新しいシステムの創造」の重要性を言っているので、過去に市場実績のない製品のLD50(お客の感じ方)をいかに事前評価すべきかということ。

(3)機能限界を超えたときの平均社会的損失A0をどのように見積もるのか。
   クレーム費用の何倍、といったような経験式の活用も考えられるが、ここに概算が許されるのであれば、テイラー展開する前の損失関数の式の値も概算で求められることになるのではないか。

(4)安全係数を取った上での許容差に入っているものでも、損失を発生するということをいかに理解・運用してもらうか。

(5)損失関数によるコストのバランスはいわば、世代や立場の違いによる損失の分担、トレードオフである。部門全体(外注や部品メーカも含めて)による理解、納得が必要である。
   将来や他人とコストをバランスできるという考え方は、ある種の全体主義的な社会モデルである。利害が交錯する合議制ではほとんど不可能。「トップのリーダーシップ」というのは、言うは易し・・・。

(6)現在と将来の価値の違いや、人間の行動における動機付けの影響などの経済学の初歩的な条件が考慮されておらず、現実に適用したときに、いきおいベテランの皮膚感覚と合わず、運用上の齟齬を生じる可能性があること。

 とにかくいい技術を開発すれば社会損失は減るのだから、と技術開発に邁進するのも1つのいき方だが、損失関数が許容差設計やオンラインQEなどのさまざまな局面で関連している以上、このような課題について考えるのは無駄ではないと思う。

損失関数考(1)

 1999年に品質工学に出会ったときに真っ先に衝撃を受けたのが損失関数の考え方(技術と経済の接点)であった。損失関数が提言されて(例えば1966年の「標準化と品質管理」誌に登場)から数10年たつが、その基本的な考え方が田口博士から提言されて以来、フォロワーによって多数実践されたものの、損失関数の妥当性が議論されたことは少ないではないかと思う。

 下名は損失関数による推定の妥当性を理屈では納得しており、有用性もあると考えている一人だけれども、同時に、現実の社会損失との照合があって初めて証明されると考えるものである。事実による仮説の検証は科学の基本である。品質工学自身を理想機能に近づけるためには、問題意識と科学的検証が必要である。

 ここで「品質工学は科学ではない」というあり得そうな意見に先回りしておく。品質工学の設計哲学が科学的アプローチかどうかということと、品質工学が仮説している内容を実証するためのアプローチが科学的かどうかということは全く別の話である。今は後者の話をしている。品質工学における技術評価の話と、品質工学という考え方をメタに評価しようする話を混同した議論が多いのは残念である。

 巷の事例を見てみると、アプリオリに損失関数が正しいと信じて、それでSN比やコストを最適化したら損失関数でこれだけ助かりました、ということしか書かれていない。「ただ信じて使ってみたら、結果がよかった」というのでもよいと思うのだが、その場合の「よかった」とは実際に現実の社会的損失を計測した上での話と考えてよいのだろうか。それも、損失関数を使わなかった場合と比較した上でアドバンテージがあったという話と考えてよいのだろうか。こういうエッセンシャルな部分は論文にはほとんど書かれないことに対して、下名を含めた後発の研究者は、なんとなく腑に落ちない感じがしている。

【今日の言葉069】

どのような評価をすれば、市場密着型の開発を効率よく達成できるようになるのかという、開発用の技術を先行開発しておくことだと考えます。現状のような実験に配属されて、ただ製品を調べるだけのの仕事をしてきた実験屋とでは、技術的なものの考え方に端的な差がついてしまうのです。
(上野憲三:品質工学,4,4,pp.30-35)

2010/11/10

【今日の言葉068】

社会や国家に対して深く考え、その上で自分の人生を見つめることなしに、一流のプロになることはできない。
(中谷巌「プロになるならこれをやれ!」)

「実験計画法第3版」と対訳「System Of Experimental Design」

 「実験計画法第3版」(以下、DOE-V3)につづき、その対訳である「System Of Experimental Design」(以下SED)を古本で入手した。

 内容は全く同じで、ほとんど意訳を含まず、田口博士のニュアンスを残す意味であろうか、1文節ごとの逐語訳になっている。もちろん、日本語において言葉足らずの(省略されている)ところは英文では文意を崩さないように文法に則った補完がなされている。その点、原文の回りくどい表現も、そのまま回りくどく翻訳されている。

 翻訳者はTQCの大家 Don Clausing博士によるものなので、ネイティブチェックは万全である。品質工学の英語表現を学ぶ好書といえる。

 SEDを読んで(自分の実力で)意味が取れない部分があっても、DOE-V3に対応する日本語の文章に戻って理解することができる。また、DOE-V3に記載されている日本語の側からみて、「こういう時に英語ではどのように表現するのだろうか」という答えを、SEDで辞書的に対応付けて調べることができるので、大変便利である。いわゆる洋書の和訳とかその逆は、意訳や内容の省略を多く含んでおりこのような使い方はできない。例を挙げよう。

DOE-V3(p.615):「式(22.22)の分母のβ^2は、式(22.19)のβ~hatの値を2乗して推定するとよいと思われる。しかしながら、式(22.19)の2乗β~hat^2は、β^2の少し過大な推定になる。」

SED(p.630):"It would seem advisable to estimate β^2 in the denominator of equation (22.22) by squaring the value of β~hat in equation (22.19). However, the squared β~hat of equation (22.19) is a somehow exxcessive estimate of β^2."

「~してよいと思われる(It would seem advisable to~)」、「少し過大な推定(a somehow exxcessive estimate)」など、原文のニュアンスを逃さない、ニクイ逐語訳になっている。もちろん、「分母」を通貨切り下げのデノミと同語源の「denominator」というのか、など役に立つ語や表現を知ることも多い。このセンテンスなどは、暗誦してそのままSN比のディスカッションに使えそうである。

DOE-V3(p.657):「目的特性のとる値が1つしかない場合」
SED(p.674):"the case where the values which desired characteristic takes are only 0 or 1"

これは逆に日本語の「値が1つしかない」ではほぼ意味が不明なところを、英語なら逆にすっきりと意味が理解できる。「値をとる」というときの「とる」はtakeでよいことも分かる(意外とこういう簡単な動詞とか前置詞は迷いますよね~)。

品質工学関係の英語を実際に使われている表現で学びたい、という方にはお勧めである。

2010/10/31

【北海道スポット】【ワインに合う料理】歩人のスモークチキン

本日から歩人さんのスモークチキンの予約が始まりました。
今年もクリスマス用に注文しました。
残数あと9です!お早めに!!

http://www.hobbito.com/shopping/

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美瑛地区から白金温泉のほうに行く、白樺の美しい白金街道の途中に、「歩人(ホビット)」という手作りハム・ソーセージで評判の高いレストランがある。

 ハム、ソーセージその他スモークのトラウト(鱒)、タン、ハツ、レバーなど(季節による)は通信販売でも購入できる。
が、ここで紹介するスモークチキンは特別だ。通常は、年末(クリスマスのシーズン)にお得意さま向けに数量限定で案内が来るだけで、それ以外では買えない。案内が来てすぐに申し込まないと完売になってしまう。実は、去年の年末は買いそびれてしまったのだ。
 ところがここ最近、これまた数量限定なのだが、3月ごろに追加で製造されることになって、今回晴れて購入することができた。2年ぶりである。スモークされているので、そのまま捌いて、写真のようになった。身はしっとりしていて柔らかく、油の具合もいい。スモークの香りが白ワインに最高だ。

 今回のワインはスモークに負けないように、ボディのある辛口のドイツワイン(シェ-ンボ-ン シュロスヴァイン リースリング トロッケン)にした。近くのショップで通常2390円のが、1500円(正確には2本で3000円)になっていたのだ。
 サイドメニューはスモークサーモンの新タマネギスライス添えと、ラタトゥユだ。週末の夜のちょっとした贅沢を満喫した。

 通販で一度申し込めば、次回からはおそらく、スモークチキンの限定販売の案内が郵送されてくるので、是非お試しいただきたい。

2010/10/26

【今日の言葉067】

自分の推論が正しいことを確かめよう、という心よりも、自分の推論が間違っていやしないか調べよう、という心のほうが、客観的な見方を促す。自分が思い込んだ仮説を支持するデータばっかりに注目し、否定するデータには気を留めないという傾向は新しい展開を開く妨げになる。
(三浦俊彦「論理サバイバル」より)

#この文言からQEにおける直交表の役割を連想できた人は、プロかQEおたく。

2010/10/23

【今日の言葉066】

成長し続ける限り、問題は起こる。問題が起こらない場所、それは墓場だ。
(神田昌典「仕事のヒント」より)

2010/10/19

99年の機械学会関西支部のセミナー「最新の三大手法を採用した新製品開発」

 昨年の投稿で品質工学を入門して10年になる話をした。きっかけは99年11月24,25日の機械学会関西支部のセミナーで、2日間で品質工学、TRIZ、QFDの3大手法が学べるというものであった。その中の原先生をはじめとする講師陣の品質工学の考え方、熱意に魅せられて、入門するようになった。

 そのときのテキストが出てきたので読み返してみると、3大手法のほかに、ITEQインターナショナルの中野氏(現在副社長)による技術開発の進め方の話が最初にあったことを思い出した。そのときはそんなものか、と思う程度であったが、この10年以上前の内容は、実は同氏著書である「上級タグチメソッド」の7章”タグチメソッドを用いた開発の進め方”にほぼ同じ記載がある。

 99年当時はまだ下名は担当者だったので、技術開発マネジメントの視点が希薄だったためか、この話はアンテナに引っかからなかったのであろう。10年たって、「上級タグチメソッド」を読んだときにはこの部分にもっとも感銘を受けたのだ。

 10年前にそのような技術開発の進め方が確立されておりセミナーのはじめに説明されていたこと、それにこの2日間のセミナーが無料であったことに今更ながら驚く。技術開発の進め方と品質工学、ほかにもTRIZとQFDもあったわけだが、この2日間のセミナーはン万円以上の価値があったものと断言できる。

【今日の言葉065】

4歳の息子と1歳の娘の学習するスピードはすごい。(中略)心が白い。無駄なプライドもなければ、知ったつもりになることもない。過去にも未来にもとらわれていないから、目の前のことに素直にのめりこみ、すざまじい勢いで吸収するのだ。子だもは僕にとって学びの師匠である。
(「武田双雲の墨書七十二候」より「鷹乃学習(たか、すなわちわざをならう)7/17~7/22の項」)

2010/10/17

【今日の言葉064】

虫は、冬の長いあいだに土の中でエネルギーを溜めこみ、春が近づくとそっと土の中から出て動き出す。どちらもとても重要な状態である。こもっていることで調子が悪いと言えるだろうか。元気が出ないときは調子が悪いのではなくエネルギーを溜め込んでいると思うことにしている。
(「武田双雲の墨書七十二候」より「蟄虫啓戸(すごもりむし、とをひらく)3/6~3/10の項」)

2010/10/16

【今日の言葉063】

氷の結晶はひとつとして同じ形がないそうだ。六角形を基本として環境、状況によって様々な形を形成する。基本が決まっているのに様々な形が生まれる不思議。規則性と多様性。
(「武田双雲の墨書七十二候」より「魚上水(うお、こおりをいずる)2/14~2/18の項」)

#これも今日の言葉062に通じる言葉。自然現象の雪ですら1つの型という規則性から、多様なものが生まれてくる。

【今日の言葉062】

「複雑多様なものを、ひとつの数式で一気に統制してしまう」数学の美しさが、大自然の「本質をパッと切り取る」俳句と良く似ている。
(「斉藤孝のざっくり!日本史」(斉藤孝)より「世にも美しい数学入門 」(藤原 正彦, 小川 洋子)の引用)

#品質工学にも、基本機能y=βMやSN比という「型」がありますね。
 斉藤孝の本文には続いて「そうした”型”に収めていく作業をすることによって、むしろ言葉の研磨作業が行われ、表現する感性が研ぎ澄まされていく」とあります。
 確かに、一見複雑なシステムに見える技術をほぼ1つの現象に落とし込んで、技術評価の本質に迫っていく品質工学の方法も、1つの型であるように思います。型はルーチンではなく、素性の良い型の中で思考を深めていくと、新しい発見につながるということです。

 Kazz先生もスケッチ(水彩画)におけるデッサンになぞらえた考察をされているようです。こちらもどうぞ。(スレッド4580)
http://www2.ezbbs.net/12/kazz/

ブルゴーニュと北海道ジャガイモ料理



 北海道から夏に頼んだ新じゃが(美瑛北西の丘の「さとう」さん)がとどいた。写真奥は定番のタコとジャガイモとセロリのマリネ。その手前がコロッケ。その手前が、いつもお世話になっている但馬牛専門店おがわさんの牛肉のたたき。

 ワインはフランスはブルゴーニュ産でクリスチャン・ルボーパン・ブルゴーニュ・ピノノワール・レ・グラン・シャルモーで、1000円前後の手ごろなもの。ブルゴーニュものは普通コスパがよろしくなく、それなりの値段のものでないと、たいてい薄かったり酸っぱかったりするので、今回のも「この値段では・・・」とは思ったのだが、店頭のポップ広告に惹かれて試し買い。

 この値段にしてはというか、意外に飲みやすくてバランスは悪くない(それなりのボディだけれども)。

 そういえば、最近家のワインクーラー(12本収納、中国製)が完全に壊れた。もっといいのがほしいけど、家庭を構えて10年の昨今、いろんな家電製品が寿命到来やスペック不足になっており、優先順位的に順番待ちというところだ。

チリ産ヌーボー



 夏場くらいにはもう出回っていた、チリ産のヌーボー2010。メルローらしくフルーティーでまろやかな味わい。気に入っていてデイリー用に何回かリピートしている。驚くべきは値段。近くのリカーショップで699円という安さ。円高の恩恵もあるのだろうが、チリワインはコストパフォーマンスが高い。

 そろそろボジョレーヌーボーの予約受付も開始しますね。

2010/10/03

北海道フードマイスター


 北海道フードマイスターという資格があり、これも美瑛丘の宿四季さんから教えていただいた。
http://www.sapporo-cci.or.jp/food/

 非常にカラフルで見ているだけで楽しい公式テキストもある。
http://www.sapporo-cci.or.jp/food/2009_text_sample.pdf

 例えば「そば」。これはタデ科の植物で、品種は牡丹そば、キタワセソバ、キタユキなど。主な産地は、幌加内町(2488t)、深川市(1338t)など、北海道で全国の36%が生産されてる・・・という具合。

 これは一丁、勉強してやろうかと意気込んだのだが、暗記量が結構はんぱない。また、試験会場も札幌、帯広、東京の3場所とちょっと不便。

 とりあえずは中身をパラパラと眺めて北海道の雑学を仕込む程度かなぁ。

美瑛丘の宿「四季」のワイン


 2010年の北海道旅行でも少し触れた、美瑛丘の宿四季さんのお料理のとともに供される、ワインの紹介を。

 今回はマスターのお勧めで、フランス産の白・赤をそれぞれハーフでいただくことになった(市価そのままの値段で提供されるので、とてもお得)。いつもいいワインをありがとう。

 まず白は、ブルゴーニュ産のピュリニー・モンラッシェ2007。ピュリニー・モンラッシェはボーヌ地区の村名で、モンラッシェは特級畑名ワインに指名されている(贅沢!)。白ワインは赤に比べると普段飲みだとかなり味に妥協せざるをえないので、このようなグレードのワインは1年でも四季さんに来たときとあとは数えるほどもない。香りが強くしっかりした味、でもさわやかなのど越し。

 赤はボルドーはオー・メドックのAOCでCHカントメルル2006。カントメルルは5級格付けシャトー。格付けシャトーのワインも年に何回も飲めない。一時期ボルドー産のワインばかりを試した時期があったが、このワインも「あぁ、これが赤ワインの味(香り)だった」と思い出させるもの(最近はチリ産ばかりなので・・・泣)。

 四季さんをあとにしていつも思うのは、やっぱりいいワインもたまにはのんで勉強しなくては、ということ。懐と相談して少しは精進しよう。


 それと今回宿泊したときに、もう1つのおなじみの美瑛の宿ペンション・ジャガタラさんが休業するとのうわさを聞いていたのだが、さきほどHPを見たら、今秋で閉業とのこと。立地も料理も露天風呂も気に入っていたので至極残念!!
跡をついでくれる方を募集中とのこと(予定価格7500万円)。
http://www.biei-jacatra.jp/

2010/10/02

品質工学の議論は21世紀型で。

 今世紀に入ってアナログの標準SN比、いわゆる21世紀型のSN比 (Sβ-Ve)/VN または 1/(VN/nr) が提言されて久しい。この式は単なる20世紀型のSN比からの数式の修正ではなく品質工学による評価方法、設計方法の維新である。

田口博士いわく、
理想機能からの機能性評価を中止し、SN比は基本機能の出力のばらつきのみに絞り、2段階設計することが21世紀の品質工学である」(品質工学、Vol10,No.2)

 いまさら説明するまでもないが、標準SN比によって信号の非線形効果とノイズの効果を分けて評価できるようになり、それによって下流の再現性を確保することが狙いである。自由な曲線の目的機能のまま評価できる便利なSN比という位置づけではないのである(自由な曲線との差は2段階目のチューニングで調整する)。
上記引用にあるように評価するのは「基本機能」であり、それが直線に限らないということである。

 この提言によって、品質工学の評価方法は変化している。購入部品の評価など制御因子がない場合の機能性評価などでは20世紀型の評価が使われるケースが残るが、基本的に設計が絡む場合は、21世紀型でやりましょう、という変化が生じたのだ(このあたりは「上級タグチメソッド」(中野惠司ら)に明快に説明されている)。

 翻って、エネルギー比型SN比の核心は、現在スタンダードとなっている21世紀型の標準SN比との比較の問題となる。そこには”真数が無次元であること”、”技術的意味の違い”、”下流再現性の考え方に対する違い”などの問題は尖閣諸島の領土問題同様、そもそも存在しない。自由度nk-1だけデータ数の影響を受けるかどうかと、損失関数などのほかの品質工学の尺度との整合がとれるかどうかということだ。

以上、品質工学は基本的に21世紀型の評価方法を基準に議論しましょう、という確認でした。

2010/09/26

評価尺度としてのSN比が加法性を担保しているのは

 評価尺度としてのSN比が加法性を担保している理由は何なのであろうか。

 例えば、実験計画法第3版p.618に「いろいろな計測法のSN比の比較をしたい場合は、生の値よりは、その常用対数の10倍であるデシベル値を用いるのが便利である」と書いてある。単なる比較であれば、生のデータとデシベル値では逆転することはないので、この点においてはデシベル変換が便利であるというのは本質的でない。

 SN比に限らず、生データで解析するよりも対数変化したSN比のほうが加法性が高いという点がある。ではなぜ加法性が高くなるのであろうか。SN比について、その尺度そのものが加法性が高いという本質的な根拠は何なのであろうか。

 一方で生データに何をとるとよいか=エネルギーの平方根がよい、という品質工学における議論がある。2乗で計算したときにエネルギーになり、エネルギーは保存則により物理的に加法性があるのでという議論であるが、それは感度、それも真数の話である。2次のモーメントであるSN比の加法性も高いのかどうかという本質的な根拠を下名は聞いたことがない。

 このように考えると、対数をとることによって数値の範囲は-∞~+∞までとることができるという、SN比の性質に限らない一般的理由だけしかないのか、という気もしてくる。

 当初は評価尺度は変化率の生の値であった(例えば、田口,「統計解析」,p.26(1972))。その後、σ^2/β^2 という尺度になり、さらに対数をとってきた。ここになにか説明されていない、田口博士の仮説があるのかもしれない。ご存知の方はご教授をお願いします。

ラウカ・シャルドネ・リゼルヴァ(白)とポークソテーなど



ワインはチリ産のラウカ・シャルドネ・リゼルヴァ(白)。近くのショップで半額。

写真は右からポークソテー(ゆず胡椒で)、アボカドとルビーグレープフルーツのマリネ、トマトとバジルの冷製パスタ。

少し前までは猛暑日でこういう冷たいワインがおいしかったですが、最近は急に涼しくなってきましたね。

2010/09/21

気になる報文「データ空間の観点からの基本理論に関する考察」

QES2008でエネルギー比型SN比に関する「新SN比の研究(1)~(5)」を発表したあとに、QES2000で発表された、「データ空間の観点からの基本理論に関する考察」(クラレ田中善喜ら)を発見した。筆者のHPも見つけた。
http://www1.megaegg.ne.jp/~tanakaqeq/

例によって学会では全く議論されていない。これが数学的な厳密な議論なのか、はたまた著者の提案や独創の類なのかはよくわからない。(キーワードである”不偏データ空間”、”変動保存原理”などをGoogleで調べても全くヒットしない)

読み取れた要旨は以下:田口のSN比の分子には-Veの修正項があるためSN比がマイナスになる場合があり、SN比の定義に反する。この矛盾は、変動の分解を異なるデータ空間にまたがって行っているためで、”不偏データ空間”を導入すると、そこでは不偏SN比が定義でき、その分子からは-Veが消える。結果的にSN比は、β^2/VN のような形で表され、-Veが消える。また動特性と静特性のSN比を同一の原理で論じることができる。

β^2/VN=Sβ/nr/VN と考えるとこれは20世紀型のSN比である。21世紀型では分子をnrで除して Sβ/VN=Sβ/{SN/(nk-1)} となるのであろう。さらにデータ数の影響が出る分母の自由度nk-1を補正すれば、Sβ/SNというエネルギー比型SN比になる。

エネルギー比型SN比の説明において、上記理論で-Veが基礎的な部分で解消できるのであれば面白いと思うのであるが・・・。

2010/09/19

QES2010で発表した「総合損失SN比」の狙い

 QES2010「微小信号の機能性が重要な場合の評価方法」で機能性評価データの変化率を重視した評価指標を提案した。このなかの質疑応答で、「変化率を重視したい場合、データの対数をとって従来の計算方法を行う方法も考えられそうだが、いかがか」との質問をいただいた。その点について、今回発表の狙いも含めてお答えしたい。

 変化率を重視して評価する方法はいくつかある。田口玄一博士の「品質工学の数理」p.37の解析方法、河村敏彦先生の「平均2乗対数損失に基づく SN 比」もその例である。今回の発表は提案の評価尺度のユニーク性を主張したいのではなく、

(1)変化率を重視すべき機能――この発表では「機能 B」と称している――の場合でも機械的に従来 SN比を用いている事例が多いことに対する注意喚起と、
(2)どのような場合に使い分けが必要かを明確にしたところに力点がある。

 また今回必ずしも成功はしていないが、
(3)このような新しい評価方法の提案に対してどの方法がよいのかを客観的に判断できる「評価尺度の評価尺度」つまり「メタ評価尺度」の必要性を訴えたことである。

 ただし、あえて今回提案の「総合損失 SN 比」の優位性を述べるとすれば、
①田口博士の損失関数とシームレスにつながっているので品質工学の体系に大幅な変更を必要としない、
②損失関数を元とした尺度であるので経済的な合理性がある、
③SN 比は従来同様対数をとった db 単位で用いるため、評価尺度としての加法性が担保されやすい、
④2 乗和分解や自由度の概念が不要で理解しやすい、
などであると言える。

 学会ではまだ「エネルギー比型SN比」の議論が始まったところであるが、QES2010の発表内容ではそれをもすでに否定(というより、使用できる範囲を制約)している部分もある。一読いただければ幸いである。

2010/09/16

品質工学と信頼性工学の接点

第40回信頼性・保全性シンポジウム(2010/7/15-16)
http://www.juse.or.jp/reliability/88/#8
にて、「信頼性に関わるデータ解析へのSN比の応用」(松岡敏成氏、三菱電機コントロールソフトウェア)が発表された。

氏はSQCや信頼性工学に関する碩学であるが、最近、社内で品質工学に対する議論にも参加しており、懇意にしていただいている。

発表では、ワイブル分析を用いて、「品質工学を使うことでなぜ品質改善につながる」かというしくみを説明している。
また、劣化の加速モデル式と実験データの適合性をSN比を用いて評価している。これはMTシステムで総合推定精度をSN比で評価する考え方に似ているが、信頼性工学の分野のなかでSN比を用いたユニークな例である。品質工学に対する誤解も一部にはあるが、興味を引く発表である。

なお、同シンポジウムの「品質工学と信頼性」セッションでは、長谷部光雄氏が「信頼性テストのパフォーマンス向上に関する試み」を発表している。
品質工学と信頼性工学は相容れない、という一部の意見もあるが、お互いをより深く知ることで議論が深まるのではないだろうか。

北海道旅行(4)


8/10
快晴。絶好の撮影日和。美瑛の四季彩の丘、上富良野の千望峠などをめぐって、TVでも有名な富良野のラーメン屋支那虎へ(公式HPなし)。3種類(しょうゆ、塩、こげ塩)を頼んだが、やはりしょうゆ(支那そば)が一番うまい。こげ塩は年寄りにはきつめ。
その後、麓郷展望台などを回わる。
その後、一路小樽方面へ。富良野は高速道路へのアクセル悪し。なんとかならないものか。
小樽の運河の宿ふる川にチェックインして、中の風呂をいただいてから、夜の散策へ。
おすすめは、若鶏定食ニューなると 出抜小路店の若鶏のまる揚げ。
デザートはあまとう運河店のクリームぜんざい。

8/11
最終日。本州では台風接近の情報。
早朝から散歩がてら徒歩で鱗友朝市ののんのんへ。海鮮丼などを食す。
午前はまず、海鳴楼でオリジナルオルゴール作り。曲目は昨年のLove so sweetに引き続き、One Love。
そのあと、北一ガラス、ふうど館、ルタオ、北菓楼、六花亭(Again)などを回っておみやげを買いあさり。
昼は回転寿司と侮るなかれとっぴーですまして(残念ながら宝寿司は定休日)、千歳空港へ。
夜19:00すぎには伊丹空港に無事到着。

家に帰って風呂にはいって、体重計へ。はい、2.5kg増えていました。

北海道旅行(3)


8/8
延期した雲海テラスは雨天中止!残念。
屋内イベントということで、缶ふりアイスクリームとパン作りの体験に娘を連れて。
昼前にトマムを出発して、富良野方面へ。
占冠~夕張区間だけまだ高速が開通していないので注意。
富良野のファーム富田はスルーして、町営ラベンダー園に。リフトにのると富良野の町が一望できる。
そのあと、十勝岳温泉の白銀荘へ。泉質もさることながら、水着を着て入れる露天温泉プールもあり、子供連れにおすすめ。
白金街道から美瑛方面に向かう途中の青い池を散策。かつては写真家しかしらない場所だったが、駐車場ができて観光地化。雨天のため濁っていて青さは拝めず。
美瑛丘の宿四季に宿泊。夕食時に赤白ハーフ&ハーフで空ける。夜は宿の前で花火。

8/9
快晴。絶好の美瑛の丘めぐりのあと、娘をポニーに乗せるため、ファームズ千代田へ。娘いわく、釧路の勝手丼とポニーの引き馬が今回旅行の双璧だったそうな。
昼は四季さんおすすめのカフェ・ド・ラ・ペで。細い細いダートをかき分けて進んでいくと林の中に一軒家が。この立地で駐車場は車でいっぱい。ここのタイカレーは絶品(かみさんは、人生で一番おいしいカレーと言っていた)。
白金温泉近くの美瑛川の上にある火山噴火時のシェルターの階段を上り、十勝岳火山砂防情報センターへ。周囲の景色はいいが、えらく立派過ぎる箱ものだ。これは蓮方の餌食か。
美瑛でいちばんおいしいと教えてもらった茶屋カーブのソフトクリームを食して、ペンションジャガタラへ。
夕食は炉端料理。貸切露天風呂(無料)が売り。

北海道旅行(2)


8/6
昨日につづき快晴。屈斜路湖の南端に突き出ている和琴半島を歩いて一周(2.4km)。湖の紺碧が美しい。
その後一路西へ。阿寒湖よりすこし西にある、昔は秘湖ではなくなったオンネトーへ。観光バスにも遭遇(!)。
JR池田駅前にあるステーキレストランよねくらにて、十勝牛ワイン漬けステーキ弁当(超おすすめ)を買い込み、十勝が丘公園で食す。とにかく暑い。この日北見で37℃を記録。
その足で、十勝が丘展望台へ。十勝平野が一望できるおすすめの場所。
車を帯広に進めて、六花亭本店でイートイン(コーヒー無料)。
幕別温泉悠湯館で風呂に入ってから、道東自動車道でトマムへ。社会実験中につき、高速料金は無料。

8/7
ゴンドラに乗って雲海テラスに行く予定だったが、視界不良との情報で明日に延期に。
早朝の園内散歩に変更。
VIZスパハウスでプール遊びしたあと、併設の入浴施設でひとっ風呂。
夜は、水の教会のナイトツアーに。美しい。
トマムに連泊。

北海道旅行(1)


写真の整理がなかなか追いつかず、このままではイカン、ということでとりあえず行程だけをアップすることにしました。写真はあとで付けていきますね。

7泊8日の旅行でしたので、とりあえず2日ずつに分けて紹介します。

8/4
正午前のANAで伊丹空港を出発。14時前に釧路空港に着く。
レンタカーを借りて、和商市場の勝手丼を食す。
丹頂鶴を見るため、釧路市丹頂鶴自然公園へ。運よく遅生まれの雛を見ることができた。
山花温泉リフレでひとっ風呂浴びて、釧路プリンスHにチェックイン。
夜は、幣舞橋ちかくの炉端焼き「鱗」(公式HPなし)へ。キンキ、カキ、ホッケなどに地酒福司を。

8/5
釧路湿原をめぐったあと、娘を馬に乗せるためにどさんこ牧場へ。しかしトレッキングツアー中のため時間が会わず空振り。
その後、昔はライダーの聖地と言われた多和平で360度の地平線を眺める。ここはスープカレーも有名で、当然ここで昼食を。
屈斜路湖に向かい、砂浜を掘ると温泉が出てきて入れる砂湯へ。
屈斜路湖を展望するのは美幌峠が有名だが、もう何回も行っているので、以前濃霧で空振りした藻琴峠のほうへ。きれいに見えた。
屈斜路原野YGHに宿泊。ここの宿主はもと日本料理人。懐石風料理にオプションで鹿肉の炭焼きを追加。

2010/09/04

日刊工業新聞に掲載されました

 9月3日付けの日刊工業新聞に、弊社品質工学センターの紹介記事が掲載されました。

ダイジェストはこちら
http://www.nikkan.co.jp/news/nkx0320100903bbab.html

記者の田井さんは関西品質工学研究会でも懇意にさせていただいています。
購読されている方は、ご笑覧ください。

2010/08/19

エネルギー比型SN比の報文が掲載されました

 QES2008での発表後、ずいぶん時間がかかりましたが、「品質工学」誌の最新号(2010年8月号)に「品質工学に用いるSN比の再検討」というタイトルで、エネルギー比型SN比の報文が掲載されました。

 紆余曲折があり参考資料というカテゴリーでの掲載となりましたが、とにかく活字にして議論を始めることが重要ということで、共同発表者4名で結論した結果です。

 また、同誌p.130に解説感想ということで、原先生にも関連のコメントをいただいております。

 各方面からのご意見を頂ければ幸いです。

2010/08/12

今年の北海道旅行

今年は8/4~8/11の7泊8日で北海道にいってきた。
北見市で37.1℃を記録した日もあり(そのときに弟子屈付近を滞在中)、8月は北海道でもやっぱり暑いことを痛感(例年は7月下旬が多い)。

3000枚以上のデジタル写真、135編の動画を前に呆然。
おいおい整理しながら、旅行の内容をアップしていければと思う(昨年は途中で挫折)。

旅行から帰ってきたらドル円の為替レートが85円越え?えらいこっちゃ。

今日8/12は原先生の個展にいってきた。初日の午前から大盛況。
http://kaz727.progoo.com/bbs/

2010/07/28

エネルギー比型SN比をNGと判定された理由

2008年にエネルギー比型SN比を提案した当初、ある学会幹部の方が、病床の田口博士にその是非を伺いにいったそうである。結果は「NG」(両手を公差させるジェスチャー)であったと伝え聞いている。

その後、このことはいろんな憶測を呼んでいるが、これは思うに、エネルギー比型SN比の内容に二つ返事でNGを出されたのではなく、技術とは独立にSN比のみを議論することは品質工学にはない、と仰りたかったのではないか・・・と最近思うようになった。

この秋にも、学会誌上で議論が始まるはずである。

2010/07/27

【今日の言葉061】

もし貯金が1億円あればやらないことは、やらなくてもよいことである。

山崎将志「残念な人の思考法」より

1億円あっても品質工学、やります。(逆は真ならず)

実験計画法第3版の印象

 前書きに述べられているように、「千差万別の実験データの解析法をただひとつの指導原理のもとに統一する」ことが目指されている。
  第3版で追加されたもののうち、第24章の「ダイナミックな特性とSN比」の部分が現在の品質工学との架け橋になっている。
 動特性のSN比(この時点ではまだゼロ点や理想機能の概念は明確には出てこないが)、誤差因子、2段階設計の考え方などが萌芽している。

 面白いのは、本書の内容からわかるように、前版からかなり進歩させた渾身の作であるはずだが、先日再読した「タグチメソッドわが発想法」には、”第2版の演習問題の模範解答集が出回ってしまい、面白くないので演習問題をすべて差し替えて加筆した第3版を出した”・・・というような内容が述べられている。この理由はかなりユーモアが感じられる。第4版を期待したい方は、第3版の演習問題の模範解答集を出されるとよいかもしれない(冗談です)。

 内容の個々についてもいくつか気づきがあったし、現在の品質工学では常識になっているがまだそこまで思いが至っていないように見える箇所もある(昭和51年の著書なので当然だが。ちなみにそのとき私は今の娘と同じ小学1年生)。

 第3版は参考文献や引用などでよく使用され、ある種の教条化がなされてる場合があるが、ここに書いてあることが最終結論ではないことは留意しておくべきである。その後もかなりの頻度で品質工学は改善されているのだ。思考停止してはいけない。

2010/07/25

【今日の言葉060】

  田口玄一著「田口メソッドわが発想法」より。その4です。

●(フォーラム・学会の設立にあたり、)市場品質に関係のある機能の確実性に対する工学だけにしぼるべきだということで品質工学という言葉に決まりました(p.211)
●議論もどちららが正しいかではなく、どちらが効率が良いかで討論してほしいと思います。(p.211)
●日本の企業を見ていると、技術者にたくさんの仕事を与え、会社が要求した仕事を行わせている。結果的に、行われているのは創造的技術の開発ではなく、要求した通りの物を作るための製品開発なのである。技術を開発するためには基本的に自由がなければならないことを、日本の経営者は肝に銘じる必要がある。もちろん、自由には責任がともなうことを忘れてはならない。(p.225-226)
●生産性があがれば、部分的に失業者が増えるのは自明の理なのだ。ただし、失業者に新しい仕事を与えることが前提条件である。(p.226)
●研究部門のマネジメントの仕事は、個々の設計や生産技術を担当するのではなく、テーマ選択と広い範囲の開発研究に役立つ方法を担当者に与えることである。(p.228)

…ふう、200数十ページの本1冊にこんなに示唆に富むメッセージがこめられていました。11年前の著書ですが、現在でも輝きを失うどころか、今まさに日本の製造業が直面している問題をずばり言い当てているように思います。

【今日の言葉059】

  田口玄一著「田口メソッドわが発想法」より。その3です。

●営業はマーケットシェアに責任があり、製造は原価に責任がある。(p.133)
●生産性は不合理なことをしたら絶対に増加しない。生産性の増加は、技術の開発やよりよい製品の開発、コストと品質のバランスなどによってもたらされる(p.151)
●現在の中国のものづくりに関していえば、機械設備などは非常に新しいものが導入されているものの、品質を含む生産性の分野や新しいものを設計する問題では、まだまだ遅れている(p.154)
●105グラムで原価計算したものを100グラム入りだと言って売りつけるのは「詐欺」的行為に等しいことが分かる。「おまけ」という考え方は後進国の考え方であり、・・・目標値どおりであることが非常に重要になる。目標値よりも大きくても小さくても損害が発生する。(p.172-173)
●工場での不良品とは、実は品質問題ではなく企業側のコスト問題なのだ。(p.181)
●不良品の集団の分布を評価しても意味がないということである。…だが、良品だけは非常に似ている。この似ている集団でマハラノビス空間を作り、そこで個々の不良品の距離を測ることがもっとも重要なことなのである。私にこのようなアイデアを与えてくれたきっかけは、昔読んだトルストイの「アンナ・カレーニナ」の冒頭の一説である…「幸福な家庭はすべて互いに似通ったものであり、不幸な家庭はどこもその不幸のおもむきが異なっているものである」(p.199-200)
●(時計の誤差の分布モデルは)連続無限次元空間の分布となり、統計的には取り扱えない。…だが誤差なら簡単に求められる。…環境温度といったノイズの影響でばらつくのであり、その影響を小さくすることが大切なのだ(p.214)

【今日の言葉058】

  田口玄一著「田口メソッドわが発想法」より。その2です。

●日本の企業が海外へ生産拠点を移すことに、私は否定的な考えを持っている。…日本国内より条件が悪い海外では、生産速度のアップによる生産性向上は望むべくもないからだ。安易な海外進出は自社従業員の解雇につながる(p.74)
●信用できるかどうか不明確な一因子実験の情報で物をたくさん作ってしまって失敗している事例は枚挙にいとまがない。…直交表には二つの目的がある…第1の目的は下流条件への再現性の計算である。第二の目的が、外側に割り付けた因子との交互作用を求めさせて制御因子の主効果を用いさせないようにする効果で、それによって安定性の評価の妥当性を確保するのである。(p.97,99)
●シャノンやフィッシャーの論文に接して、通信理論の概念を直交表を使った実験計画法に移植することを思いついた(p.119)
●デジタル通信でのSN比をどのように計算するかの計算方法を明らかにした上で、通信の世界で定義されているSN比をもっと広い範囲で使うべきだとも述べた。(p.121)
●(ヒ素ミルク事件やカネミ油症事件のように)まったく予測できないことから発生するのが重大な公害問題であり、品質問題なのだ。予測できない問題は、技術では防ぐことができない。そうした予測できない問題を担当するのが、本当の品質管理部門の責務だと私は考えている。(p.131-132)

【今日の言葉057】

 田口玄一著「田口メソッドわが発想法」を約10年ぶりに再読した。以下、気になったメッセージを抜粋しておこう。(その1)

● 要は「自由の生産性の追求」に役立つかどうかなのである。(p.13)・・・人は自由であらねばならない。それが私の信念だ。(p.36)
●私の考えを実証する1つの例として「現在ベル研究所で、一番困っている問題をお手伝いさせてほしい」と、強く申し入れた。「最初の一歩」を踏み出させるためには多くの労力を要する。関係者を納得させて、かなり複雑な実験をさせなければならないからだ。(p.21-22)
●(昭和44年、海軍水路部の仕事で、)星の位置からどれくらいの精度で航空機の位置が確認かできる実験を行うため(中略)・・・最小二乗法に強い興味をもった。(中略)・・・「誤差の絶対値ではなく、なぜ誤差の二乗なのか」という疑問が頭の中に残った。これが後に「損失関数」という考え方に発展する。(p.33-34)
●(厚生省の衛生統計課のお仕事で)参考にする文献もない中で、手探り状態で導き出す作業の連続である。知識が試されるのではなく、実際問題に対する応用力が求められたといってもいい。そうした経験を重ねる中で、「何でも来い」といった自信めいたものが生まれていった。(p.41)
●私はサイエンティストを目指すのではなく、技術に寄り添って生きていきたいと強く考えるようになる。(p.44)
●(ベル研がワイヤーリレーの開発に失敗したのは)お客の使用条件、使用環境や試用期間を誤差条件(ノイズ)と考え、それらへの対策を考えたテストを行わなかったからだと断言できる。(p.66)

(その2に続く)

猛暑にはキンキンのスパークリングを!


 暑いですね~。こういうときには炭酸が旨いですね。
写真のスパークリングワインは、「ドュック デ フォワ ブリュット」。近くのリカーショップで1200円ほど。辛口ですっきりしていて、涼をとるのには最適。

 料理は手前右は冷製パスタ。上地雄輔が以前「はなまるマーケット」に出演したときに「今日のおめざ」のコーナーで紹介していた、横須賀Y'sさんのパスタ(おっ、なんかこういうのはブログっぽいですねえ)・・・をTVの見よう見まねで再現したもの。しょうが風味の和風ソースにからめたパスタの上にマヨネーズであえたえびとイカ、大葉、トマト、レモンなどをトッピング。実物とれくらい一致しているかわかりませんが、おいしくて結構リピートしています。

 手前左は豚肉をマリネしてローズマリーで焼いたもの。奥は三田屋のロースハム。新たまねぎのスライスを添えて。

 とはいいつつ、毎日スパークリングワインというわけにはいきませんので、角ハイボールでこの暑さを乗り切ります!


 


2010/07/18

SN比40dbは信号/ノイズ比が1万倍(by Dr.Taguchi)

 ある方に、田口博士の「タグチメソッドわが発想法」もよく読むように、と言われていたので、初心者のころに読んだのを引っ張り出してきた。

 やはり気になるのはSN比の記述、ということでp.159.
「例えば40デシベルとは、出力の中で信号の大きさがノイズの大きさの1万倍に当たるときである。」
とある。

 そのあと、動特性の事例としてステアリングの話が出てくるので、これは動特性に対する記述であろう(もちろん静特性でも同様の議論は成り立つのだが)。

 田口博士の動特性のSN比の基本式は、β^2/σ^2 である。これはp.166にも説明されている。しからば、あるβのデータに対して、データを取る範囲を狭く(または小さく)した場合のσは小さく、範囲を広く(または大きく)した場合のσが大きくなる(これは数理的にというより技術論として)。その場合に、β^2/σ^2が絶対値としての安定性の尺度として意味を持たないのは自明である(なので、信号範囲が比較対象間でそろっているときのみ、その利得は意味があり、そのような場合で使用できることも周知である)。

 さて、上記p.159の記述は何を意味しているか。「信号の大きさ」「ノイズの大きさ」はそれぞれエネルギーやパワーを示していると考えて差し支えなかろう。つまり、信号の反応である「有効なエネルギー成分」と、ノイズの反応である「有害なエネルギー成分」の比のことであろう、

 SN比の計算の世界では、このエネルギー(パワー)とは、データの2乗(和)であらわされる。すなわち、「有効なエネルギー成分」は出力のうち、有効な変動の2乗和であり、Sβという記号で表される。また、「有害なエネルギー成分」は出力のうち、有害な変動の2乗和であり、SNという記号で表される。

 つまり、冒頭の表現は、Sβ/SN=10000 と言っているのである。このSβやSNに何の補正もかけずに、常用対数をとって10倍してみよう。10log(Sβ/SN)=40db となる。つまり冒頭のSN比の説明は、われわれがエネルギー比型SN比と言っているものである。すでに数10年前の田口博士の著書(「統計解析」など)にはこの式の記載があり、これはSN比の原義、原点なのではないかと考えられる。このSN比の特徴については以前の記事で述べた次第で、一定の価値を確信している。

 なお、本章のステアリングの事例で、信号である操舵角が小さい場合と大きい場合の機能性二間して別々に議論されているが、制御因子が共通の場合は1つの評価尺度が必要で、そのような場合は「総合損失SN比」で評価できることをQES2010で提言させていただいている。

2010/07/12

ついに実験計画法第3版を入手

 これまで、新版(第2版)の上下は秋田県の古本屋で(もちろんネットで)見つけて所有していたのであるが、この版ではまだノイズ因子やSN比の話は出てきておらず、よく言われる「実験計画法第3版の時代からもう品質工学の原型は出来上がっていた」ということが確かめられずにいた。

 先日の研究会で勧められた、西堀栄三郎氏「技士道十五ヶ条」をネットで調べていたら、山梨県の古本屋に、上巻だけだが第3版が1500円で売っているではないか。そうなったら、下巻だけどこかにないかと、Yahooオークションをみたら、これまた都合のよいことに下巻が1冊だけ買ってください、と言わんばかりに即決価格で5000円で出品されていた。もちろん即ゲットした。

 何を本2冊をうれしそうに、とおっしゃるなかれ。通常だと古書でもプレミアがついて上下で20000円以上するのだ(現在はAmazon古書でも売り物自体がないようだ)。

 数日中に手元に届く予定であるが、まずは(知る人ぞ知る)下巻のp.538を見てみるつもりである。

2010/07/11

説明の妙

長谷部さんが信頼性学会に「品質工学から見た加速試験の課題と展望」を寄稿している。
この学会は親切なことに一定期間たつとネットで論文の全文を読むことができる。
#CiNiiから「長谷部光雄 信頼性」で検索

詳細は上記から検索して見ていただくとして、
毎度ながら驚かされるのは、説明の角度、多彩さだ。

この論文ではパラメータ設計をニューラルネットとのアナロジーで説明している。

ほかの著書を持ち出すまでもなく、1つのことをいろんな表現で説明できる
というのは、ものごとの本質をよほど深く捉えていなければできることえではない。

「周りが理解してくれない」ではなく、自分の言葉を持つ重要さを
改めて感じたしだいである。

2010/07/03

「設計されたデータを取得する」とは

 「ベーシックタグチメソッド」などのわかりやすい著書で有名な長谷部光雄氏が、「標準化と品質管理」誌に、「初心者のための品質管理講座」を連載中である。今月号はその第4回であるが、そのなかにナルホドとうなる表現があった。

 「技術者の仕事、つまり製品開発のためのデータ解析では(※科学のための解析ではない:下名注)、データ構造が有効に設計されているかどうかが重要なのです。(中略)判断を下すために必要な要素を設計し、たとえ収集しにくくても対応するデータをを集める必要があるのです。」(標準化と品質管理,63,7,p.110,2010)

 今回の講座までに主に「機能をどう考えるか」の話が展開されており、結びのところで上記のように記載されている。初心者のための品質講座なのだから、多少不親切な表現に見えるが、、次回以降への伏線にもなっているのだろう。

 つまり、機能(システムの働き)を測るということと、わざと積極的に極端な条件を与える、というノイズ因子の考え方である。これらは計画的に設計されたデータである。その説明が次回以降に分かりやすくなされたときに、上記引用の意味がわかるという、ちょっと推理小説的な仕組みなのではないだろうか。

 小説といえば、最近出版された「技術者の意地」も、小説仕立てでわかりやすく、お奨めである(ただしエンディングはちょっと陳腐だったかな)。

夏の定番:牛たたきの野菜巻き


 以前紹介した、家の近くにあるいきつけの「小川屋」の牛肉ですが、夏になるとさっぱりとタタキでいただきます。付け合せのタレは、タタキ用のタレににんにくのキザミが入れたのと、わさび醤油。にんじん、きゅうり、白髪ねぎ、大根などの千切りを巻いていただきます。

 サイドメニューは、これも定番の「再度メニュー」とでもいうべきか、アボカドのグラタンです。

 ワインはサッカーシーズンだからという訳ではないですが、珍しくアルゼンチン産「サンタ・アナ・マルベック2009」。ちょいと冷やしめにしてグビっといただきました。

 W杯もいよいよクライマックスが近いづいてきましたが、さてどうなるでしょうか。日本なき今、ドイツ特に強烈な攻撃スピードをもつエジルに期待しています(と、にわかファンが言ってみる)。

2010/06/16

気さくな伸先生と「なぞかけ」

 ここ数年、品質工学研究発表大会にからめて、6月(または7月)の例会に、田口伸先生(田口玄一博士のご子息、ASI社)を米国からお呼びしてご講演をいただいている。ご講演の内容はさておき(ぉぃぉぃ)、気さくな先生で、大阪の闊達な雰囲気がお好きなようで、本研究会から懇親会、2次会までお付き合いいただいた。

 そのなかで、品質工学に関する「いろはかるた」の話や、「なぞかけ」の話題が出たので、後者について2つほど考えてみた(いろはかるたは、本ブログの同項目参照)。


はい、整いました!(Kazz先生もお気に入りのフレーズ)


「エネルギー比型SN比」とかけて「離婚調停」ととく、

そのこころは、

「二乗(事情)と二乗(事情)を比較するでしょう」

「今回の関西品質工学研究会」とかけて「入学試験でシャープペンが壊れた」ととく、

そのこころは、

「伸(芯)が出てくると助かるでしょう」


お後がよろしいようで。。

2010/06/11

QES2010にて貢献賞を頂きました

恒例の品質工学発表大会(QES2010)に今年も参加しました。

今年は、発表が(昨年に続き)壇上発表だっただけではなく、ポスターセッションの司会を仰せつかったり、地域(兵庫県)の評議委員に任命されてその会合に参加したりで、忙しくも非常に有意義な2日間でした。

下名の発表のセッションの司会者は名著「入門タグチメソッド」の著者、富士ゼロックスの立林さんと、品質工学のブログNo.1の増田さんという豪華ラインナップ。発表もなんなく終了してほっと一安心した次第。

さて今回、品質工学の発展に寄与したということで(ポイントがたまって自動的に)「品質工学会 貢献賞」をいただくことができました。新SN比の共同研究のみなさんや、研究会をはじめとする皆様のおかげです。この場をお借りして御礼申し上げます。

2010/06/06

潮干狩の釣果


何10年ぶりかに潮干狩りに行った(5/30@兵庫県・新舞子浜)。


最初は子供の水遊びに付き合うくらいでいいかと思っていたが、中盤から大粒のハマグリが取れるわ、取れるわで夢中になってしまい、翌日は、日焼けと筋肉痛に苦しむしまつ。

ハマグリ、アサリが取れたほか、この場所に一緒に連れて行ってくれた方に、マテガイを数個頂いた。
料理は写真のような感じ。

左はハマグリとマテガイを焼いたもの。マテガイは磯の香りが強く、サザエに近いかも。
右は手前が白ワイン蒸し。エビとレンコン、パプリカなどとともに。
右の奥はボンゴレパスタ(緑はブロッコリー)。アサリとハマグリのコクがしっかりと出ていました。

この日はワインではなく、日本酒「鶴亀・純米」を。モンドセレクションで金賞を受賞したという逸品で、陶器の瓶に入れて冷していただきました!!

伊バルバレスコでバースデー



ずいぶん間が開いてしまい、その間に1つ歳をとってしまった(前厄に突入です)。

先月の誕生日に家族にちょっといいワインで祝ってもらった。
イタリアのバルバレスコDOCG(2006年)だ。近所のいつものショップで約半額セールで2480円。
ああ、やっぱりデイリーワインとは違いますね。

手前はこれまた近所の但馬牛専門店の小川屋さんの赤味のステーキ。
(最近はもう、サーロインとかはきつくて・・・)

肉に付けてくれるステーキソースをメインに、レモン塩やガーリックバターをアクセントに。
それと、奥はアボカドのグラタンに、トマトパスタ。

結構豪華ですが、家ごはんなので、リーズナブルなのがいいですね。

2010/05/17

【今日の言葉056】

「空気を読む」人ばかりが多くなっているが、実は「空気は作るもの」だ。

#田中和彦「42歳からのルール」より。
 政策はともかくとして、分かりやすい言葉で国民を巻き込んでいった、小泉純一郎もと首相は、空気を作る名人で、信念を曲げずに悲願の郵政民営化をやってのけたのは、それはそれですごいことだ。
 ワンワードの魅力が、この本にも満載で、「企画書は厚さより、熱さ」や「熱は一人でいると冷める(熱のある場所に常に実を置け)」など示唆に富む。

2010/05/16

ラザニア初体験&チキンアボカドディップ


我が家ではじめてラザニアなるものが出てきた。
ホワイトソース・ミートソース・チーズが全開で旨いのだが、いかにもハイカロリー ^^;;

ちょうどいいことに、イナリア料理(だよね?)に、イタリアはシチリア産のワイン。
ヴィラ・ルチア・アリアニコ・シチリア・IGT(2008)で、これも近くのリカーショップで1000円くらい。
そこそこ味があって、しかも飲みやすい。
少し気温が上がってくると、濃厚なのより、ちょっとサッパリめを冷してがいいですね。

それと、準メインにはチキンの照焼きをアボカドのディップで。
これは栗原はるみさんのレシピで、結構うちでは定番。
一見濃いそうにみるけど、ディップの中身はアボカドとカッテージシーズと豆腐なので、わりとヘルシー。

最近、グルメ関係のブログと化していますが、よろしくお付き合いのほどを。


2010/05/15

損失関数とテイラー展開は関係ない

 損失関数の導出の式が教科書に載っているが、まず最初の損失の定義式は実はなんでもいい。そのあとにテイラー展開して2次の項を残すというストーリーなので、境界条件(関数が原点をとおって、原点ではなめらかにつながる、つまり微係数が0)さえ前提として受け入れればそれで十分である。

 しかるに、ここで任意の損失の定義式を近似するのに、テイラー展開すなわち多次元式で展開する必然性は、そこでは述べられていない。別にフーリエ変換でもいいはずである(SinまたはCosカーブの頂点の部分を原点にもっていけば、2次式と同じようにもとの境界条件を満たすことができる)。

 しかし、損失関数が2次式で表されるというのは、この損失関数の導出とは別の観点で必然性がある。つまり、損失はエネルギーに比例する量であることと、計測する特性値(基本機能の出力)がエネルギーの平方根に比例する量にする戦略から、この両者が整合するのである。もちろん、評価尺度であるエネルギー比型SN比もそれに整合すると考えている。

 よって、テイラー展開はそれ自体に必然性はないが、何を計測するか、どのような量が損失に比例するかという、品質工学の基本原則から損失関数は2次関数になるべきで、それがたまたまテイラー展開の低次項をとった式に一致すると考えるべきである。

 宮川雅巳先生の「品質を獲得する技術」には、前提条件を満たすもっとも簡単な関数形は2次式である、というまったく論理的かつ理解しやすいな記述があるが、そのとおりであると思う。

 だれしも、数式で説明されているものはいかにも正しいように思い込んでしまうきらいがあるが、テキストに古くから記載されているからといって、考え方を鵜呑みにするのは危険である。

【今日の言葉055】

他人と同じことをするほうが、他人と違うことをするよりも、実はリスクが大きい。

#常盤文克「モノづくりのこころ」より。
 「重要なことは他社との競争ではなく、これまで消費者がみたこと、経験したこともないような商品の開発である。(中略)職人の生き方と仕事振りにそのモデルがあるのではないか、と考えている」

長田・マルヨネの肉を見よ!


最近、ワインのコーナーからかなり逸脱しているが、ぜひ紹介したいお肉屋さんがある。
神戸は新長田の南、本町商店街にある、マルヨネさん。

とにかく種類が豊富で値段が安い。
実家(神戸市長田区)で焼肉をするときは、かならずここでキロ単位の大人買いをする。
(ロース、ハラミ、ミックスホルモンがグラム300円前後!)

牛肉ももちろん美味しいのだが、豚のスペアリブがグラム138円!
これをオレンジママレード、しょうゆ、にんにく、しょうがなどで漬け込んでオーブンで焼いたのがこれ!これは旨い&安すぎる。

左はラタトゥイユ、右奥はタコ・セロリ・ジャガイモのマリネでサッパリと。
ワインはこれも手近なところで1000円くらいのイタリア産のプリミーボ・プーリア・IGT。
こういう料理だとなおさらワインが進みますね。

おまけ画像は、左下が新長田の鉄人28号像、右下が別の日にマルヨネで買ってきた焼肉用の肉)。
バーベキューするときはぜひお立ち寄りを!

2010/05/03

京都先斗町の「炭とら」



 ワインとは関係なく、バリバリの和食でしかも少し前にいったところなのだが、どうしてもこのblogに記録として残しておきたいと思いアップしたしだい。

  最近は木屋町のほうは結構若い人向けというか、ちょっと風俗が荒れている感じなので、いっちょ先斗町でもいってみるかと、店を散策。 恐るに足らず、ほとんどの店先に値段が書いたメニューを掲示しているので、一見さんでも安心して入れる店が大勢の模様。

 メニュー的によさげな炭火焼居酒屋「炭とら」さん、これが大当たり。料理はすべてが好みで、野菜の素材がよく、おいしい。店員さんの接客もテキパキとしていて好感をもてたし、狭い店(テーブル、カウンター各8名ずつくらい)だけど、これは絶対リピート、のお店です。

2010/05/02

マ・サン・ローラン・ヴィエイユと鰹のカルパッチョなど



 フランス産の地ワイン(ヴァン・ド・ペイ)だが、平均樹齢70年の葡萄を使用。畑は恐竜の卵が出土する中生代の土壌だとか(我々の世代だと、「のび太の恐竜」を思い出しますねぇ)。ショップで確か1500円くらい。熟成感もあり、この価格にしてはなかなか。

 カツオのカルパッチョは赤にあう。奥は旬のホタルイカを使ったトマトパスタで、うちでは定番(blogでももう3回目の登場・・・)。定番といえば、アボカドとトマトのサラダも。。。

 TVを消して、Michael HedgesのCDなんかを聞きながら、というのがいいですね。


 

2010/04/25

神戸北野「Y'S GARDEN HISAYA」


昨日、中学時代の同窓生6人で、メンバーのひとりT君が懇意にしている神戸北野のごはんやさんに。

神戸北野「Y'S GARDEN HISAYA」
http://ayasdream.jugem.cc/?cid=7

ご一緒したメンバーの職業は、数学教師(♂)、家業の経営者(♂)、税理士(♀)、大学の健康科学部教授(♀)、オペラ歌手(♀)、そして、会社員(自分♂)という、なんとも個性的な顔ぶれ。

カウンターが数席とテーブル席が一部屋の小さなアットホーム感じの素敵な店でした。

料理はおまかせで、欧風家庭料理という感じ(たまに、旬のタケノコと里芋の炊いたのとかが出てきたり、それはそれで楽しい)。白ワインと赤ワインをデキャンタで?本も平らげて、5時間があっという間でした。

さすが北野、この界隈には小洒落た店がいろいろあって、またこの辺も散策してみたいですね。

2010/04/11

【今日の言葉054】

自由以上に価値のあるものはない。

#田口玄一博士の品質工学のフィロソフィは「自由の総和の拡大」だし、「文明とは自由の創造、文化とは自由の消費である」と仰られている。また、「自由論」のJ・S・ミルは、個人の自由の重要性を、個性の育成(その延長に天才も生まれる)、とそれによる社会の発展で論じている。
 ビジネスの世界も自分の能力を開花させて自由を獲得する戦いといえなくもないですね。

デリカテッセンのスモークサーモンとキャンティ・クラシコ



神戸のデリカテッセンのスモークサーモン。

贈答用を買うと高いのだが、切り落としがお手ごろ価格で買える。コールスローサラダに乗せて。
手前左は同店のチキンパティ。

この時期定番のホタルイカのトマトソースパスタと、奥はピーマンのフリッターをカレー塩かケチャップで。
ワインはイタリアのイグロッティ・キャンティ・クラシコDOCG 2006。通常2300円ほどだが、近くのショップで2本3000円。バランスの取れた中重口のワインだった。

この日は丁度年度末だった。4月からはいよいよ娘も小学生だ。

2010/04/04

シメのカルボナーラが最高!シロ鍋とラ・パッショングルナッシュVV



日本テレビの「THE料理王」でやっていた白鍋。
http://cook.lunchii.com/final/5.html

とにかく材料がすべて白。

じゃがいも、かぶ、白菜、大根、長ねぎ、レンコン、山芋、ホワイトアスパラといった野菜や、はんぺん、豆腐、ホタテの水煮、鶏挽肉のワンタンなどが入る。

この鍋自体もとってもおいしいのだが、圧巻はシメ(同じ意味か)。
残ったスープにパスタと、卵黄、粉チーズ、牛乳を投入!!
豪快にぐわっとかき混ぜて、黒胡椒をふれば、すっごく野菜の味が複雑なカルボナーラのできあがり。

で、そうなればワインも白だったらブログ的に締りがよかったのだが、なぜか赤ワイン。
以前お気に入りのデイリーワインとして紹介した、ラ・パッション・グルナッシュの限定品。名前のうしろにVV(ヴィエイユ・ヴィーニュ)がつく。樹齢80年以上のグルナッシュ100%を手摘みで収穫、自然醸造させたものだそうです。
フルーティで口あたりよし。あっさりした白鍋には結構合いました。でもカルボナーラにはコキコキに冷えた白ワインが合うんでしょうねぇ(あいにく在庫がなかったのだ・・・)。


2010/03/23

【今日の言葉053】

「一から習って、十を知り、そしてまた一から始める」

守・破・離を繰り返しながら、自分流を少しずつ改良して道を歩むのだという。
その繰り返しの中で、ある日自分流を超えた一つの「型」に達する。
型はいわば本質を抽出したエッセンスである。これが今日、諸芸百般、各分野で何々流とという形で受け継がれている型というものであろう。

#常盤文克「モノづくりのこころ」より(一部要約)。

フラン・ボーセジュールと煮込みハンバーグほか

 ワインの頂点ペトリュスで25年にわたり醸造を担当してきた祖父のテクニックと哲学を受け継いだ、まだあまり知られていないシャトーのものだそうです。この価格帯(1554円)のワインとしては、間違いのないものでした。

 料理は、デミグラスで煮込んだハンバーグと、うちでは定番のアボカドとエビのグラタン。それに生ハムトマトスライス。こんな組み合わせだとグイグイいけますね。

 おとといの日曜に近くの緑道を歩いたら、早咲きの桜が咲いていました。もう春ですね。







2010/03/15

城南海(きずき・みなみ)2ndシングル「誰カノタメニ」


 大学時代の作曲サークルの知人(最年長?)のSさんに、城南海(きずき・みなみ)を年賀状で教えてもらった。うーん、不覚!チェックがもれていたのか、こんな歌唱力もルックスもいい歌い手がいたとは。。。

 彼女は奄美大島出身、1989年生まれ、20歳。鹿児島で路上パフォーマンスしていたところをポニーキャニオンのスカウトの目に留まったそうだ(Wikipediaより)。1stアルバムを聞いてみたが、一言で言えば、元ちとせ再来を思わせる、こぶしの効いた、島唄ポップス(島唄っぽくない曲もある)。この若さにして歌唱力は抜群。凛とした佇まい。

  2ndシングル「誰カノタメニ」(2009年4月リリース)は、長瀬弘樹が作曲・編曲を担当。この曲は彼女の歌のセンスが存分に引き出されている。この曲が収録されている1stアルバム「加那 -イトシキヒトヨ-」のほうにはDVDもついているので、彼女の魅力を一度チェックしてみて欲しい。

城南海オフィシャルHP
Amazon販売サイト(試聴可能)
弾き語りしたい人はこちら!(コード譜)

2010/03/11

【今日の言葉052】

設計者と製作者の双方を結びつける、アイデアを人工物に変える過程は、複雑で微妙なものであり、どんな場合でも、科学よりは芸術に近いといえるのではないだろうか。

#技術は科学ではなくアート、と知ったのは品質工学
 を学び始めてからです。 そして、自分はあまり技術者
 っぽくないことも自覚してしまいました・・・(泣)。
 E・S・ファーガソン「技術屋の心眼」より。
 この本の内容は追って詳しく解説したいと思います、

2010/03/09

シャトー・デ・ゼサール・ルージュとイタリアン



 ボルドー地区のワインではサンテミリオンが好きなのだが、少しお高い。これはその隣に広がるベルジュラック地区にシャトーを構える作り手のもの。このワインも抜栓してすぐは少し酸味とえぐ味が勝っている感じだが30分もすれば、非常にまろやかでフルーティな味わいになってくる。ミディアムボディで今日のイタリアンにはぴったり。ネットで1512円。

 料理のほうは、手作りピザが2種(アンチョビ・ドライトマトと、ソーセージ・玉子・ホウレンソウ)と、タコ・オニオンのバジルオリーブオイルマリネ、それに旬のホタルイカを使ったトマトパスタ。ホタルイカや菜の花なんかが食卓に並びだすと、春が近づいてくるのを感じますね。

2010/03/01

【今日の言葉051】

君子は豹変し、小人は面(おもて)を革(あらた)む

#中国の古典「易経」の言葉。これも先の「モノづくりのこころ」で紹介されている。 虎や豹が、秋に脱毛して鮮明な模様になるように、自己改革できるのが君子である。 一方、小人は上の人の意向にとらわれて心にもなく顔面だけ調子を合わせる。

2010/02/28

書道の練習


 まだ筆ペンレベルですが、毛筆で字を書くと集中できて、意外とストレスの発散になります。

一箇所にまとめて保管しております(日付はダミー)。全くの自己流ですので、詳しい方アドバイスのほどを。この投稿の画像は、作品の一部を加工したもの。

【今日の言葉050】

他人と同じことをするほうが、他人と違うことをするよりも、じつはリスクが大きい。

#「他者が100ならわが社は105、110程度のものを」では革新的な、大きな差がある商品、すなわち「異質の質」は生まれてこない、と説く。重要なことは他者との競争ではなく、消費者にないものをという発想です。私の好きな経営者、花王もと会長の常盤文克氏の「モノづくりのこころ」より。この本は名言の宝庫ですよ。

サバブシとレタスの韓国風サラダ(番外)


 今回は番外編でワインは出てきませんが、多分白ワインにあうサラダをご紹介。左上は子供関係の友人のご家族からいただいた、屋久島の焼酎とサバブシ(鰹節のように硬くなく、スモーク風味の柔らかい食感)。右上のように手で裂いてマヨネーズで食べるのが定番で、もう焼酎が止まりません !

 で、今回紹介するのはそのサバブシを使ったサラダ(左下)。昨日の焼肉に取り合わせてみた。オリジナルは、ケンタロウさんの焼きサバをつかったサラダで、今回はこのサバブシがベストマッチなのではないかと。野菜はレタス・きゅうり・長ネギ。それにサバブシを混ぜるだけ。ポイントはソース。このブログではレシピはそれほど詳しく紹介しないのだけれど、これはソースが決め手なので、「ケンタロウ”魚!”ムズカシイことぬき!」(講談社)より抜粋。

 おろしにんにく、おろししょうが各少々、ごま油、水、各大さじ1、コチュジャン、みそ、醤油、各小さじ1、砂糖、小さじ1/2、あとは好みで松の実(なくてもよい)、白いり胡麻、塩。で、最大のポイントは手元でかける一味唐辛子! 辛いのがすごく合うんです。ぜひお試しを。

 あと、右下は牛肉のユッケ。ちょっと暖かくなってくると、こういうのも美味いですね。

2010/02/25

赤ワインに合うブリ照焼き

 手前はブリの照焼きだが、ソースはしょうゆ・砂糖に赤ワインが入っている。付け合せは山芋とエリンギの焼いたの。右奥はポテトにアンチョビとチーズをのせて。左奥はチキンにパプリカ。ドレッシングで。

 ワインは今日2本2000円で買ってきた、フランス産の地ワイン(ヴァン・ド・ペイ)。2009年のパリのコンクール受賞と書いてあり、これは結構いけた。


2010/02/13

ワインにあうイタリアンすき焼き

 赤ワインに会うイタリアン風すき焼き。最初にニンニクの微塵をオリーブオイルで炒めてから、割り下と具材を投入。ポイントはご覧のとおり、トマトが入ること。これで結構、赤ワインにあう味になる。

 シメは、肉汁とトマトの酸味が回った割り下に、ケチャップをまぜてナポリタン・スパゲッティーに。大人は少しタバスコを入れる。
 本日のワインは普通のデイリーワインなので割愛しました。(あれ?このコーナーの趣旨が。。。)




2010/02/10

【今日の言葉049】

問題提起は芸術家のように、

 状況把握は科学者のように、

  本質追及は哲学者のように、

   構想計画は政治家のように、

    具体策はビジネスマンのように、

     手順化は技術者のように。


#やはり適切な問題を定期するのが難しい。適切な問題設定ができれば、80%は解決したようなものだ、という言葉もありますね。

2010/02/09

品質工学の真髄に迫る!「上級タグチメソッド」レビュー


 前書「入門パラメータ設計」に続く、上級向けの解説書「上級タグチメソッド」が出版された。技術開発のマネジメントにまで触れたレベルの高い1冊だが、機能の考え方と標準SN比の関係を再認識するだけでも、目から鱗がおちる可能性が大である。

 これまで必ずしも明快に解説されていなかった、「基本機能」と「目的機能」の意味、そして、どのようなフェーズでどのようにして使うべきかがすっきりと説明されている。また、基本機能の場合にこそ標準SN比を使って、完全な2段階設計を実施すべきことも理解できる。また、エネルギーを評価するということを通して、基本機能、SN比、損失関数、加法性、再現性、といった一気通貫の哲学も理解できる。

 詳細は本書にゆずるが、基本機能で研究開発するということを知ることで、技術開発の体制やマネジメントの問題点が浮き彫りになる体験をするだろう。田口賞が制定されてから未だ、研究開発段階で品質工学を体系的に取り入れた企業が表彰されていないところからみても、基本機能での2段階設計の完全適用開発は行えていないのが現状だと思われる。開発案件ごとにシステムや目標仕様が決まっており、その中で目的機能の安定性を最適化、場合によっては性能とのバランスをとって製品化という流れになっていることが多い。

 従来のタグチメソッドのテキストやコンサルでは、あまりにも感度や性能のチューニングはあとでよいということを強調しすぎてはこなかっただろうか。ロバスト設計の前にチューニングで性能があわせこめるという前提を省いた物言いが多かったように思う。そのため、2段階設計のロバストが先だという話を前面に押し出しすぎると「性能も出ていないのにロバスト設計どころじゃないよ」と、見向きもされない、ということはなかっただろうか。

 そこで、開発の順序を「性能の確保(技術の目処付け)」⇒「ロバスト設計」⇒「製品仕様ごとのチューニング」の流れで実施するということを本書では提言している。つまり、まず全条件で性能目標を達成できる見込みを得てからロバスト設計を行うのである。

 他にも、標示因子がある場合のSN比の作り方や、信号因子の種類わけの考え方など、意外とこれまできちんと解説されていなかったようなことが、類書との重複がなく記載されている。きちんと理解したい方、真髄に迫りたい方は必読の一冊である。ただし、本書の内容の実践にはかなり険しい道(マネージャーも技術者も)が待っていることは付け加えておきたい。魔法の杖ではない。

2010/02/07

ラムのハーブ煮込みと激安白ワイン

 ラム善さんのラム肉(ラムチョップの項参照)を、ジャガイモ、にんじん、セロリなどの野菜と一緒にビールで煮込んで、ハーブ(オレガノタイム、ローズマリー)で仕上げた、欧州田舎風の煮込み料理(でも、味付けには醤油も隠し味で使用)。

 右は大根を使ったグラタン。奥はアボカドとトマトのサラダ(味付けはオリーブオイル、塩コショウ、レモンだけ)。

 白ワインはウルフ・プラス・イーグルホーク・シャルドネ2008。
これの触れ込みは、人気雑誌「一個人」の極旨ワイングランプリのシャルドネ部門の第1位に輝いたものだそうで、それでも値段はたったの924円。確かに、濃厚さもフルーティさもあり、上記の料理と組み合わせても、力負けしない感じ。これはデイリーの白にはもってこいかもしれない。


2010/01/31

ラムチョップとラムタン

 今回は、いつもお世話になっている「ラム善」さん

の、骨付きラムチョップ。半分はトマトバジルソースとチーズで、半分はハーブソルトで。
200℃のオーブンで15分焼けば、柔らか~いラムチョップグリルの出来上がり!
一緒に買った、ラムタンの切り落とし(超特価)は塩コショウでアッサリと。

 ワインはもちろん赤。イタリア産のデイリーワインだと思うけど、
これが行きつけのリカーショップで試飲して気に入り、2度目。
値段が驚くなかれの1本750円。これはコストパフォーマンス絶対高い。

 奥は定番のセロリとタコとポテトのマリネ。最近、中学の同級生で、
アメリカで自然療法医をしている、らすかる母さん
から、セロリを食事に取り入れるように
とのアドバイスもあり、今後も積極的に食していく予定。ほかにも色々と
体にいいことを初めているので、逐次ご報告したいと思います。


2010/01/27

【今日の言葉048】

 アポロ11号の宇宙飛行士たちは文字通り、地球の強い引力を克服しなければならなかった。

 ロケットが上昇する最初の数分間、数kmで必要としたエネルギーは、それから後の数日間、約70万kmにもおよぶ旅に使用したエネルギーをはるかに上回るものだった。



#慣習を断ち切る大変さを説明する比喩としていかがでしょうか。

2010/01/25

損失関数と未来傾斜原理

 以前読んだ「虚妄の成果主義」(著:高橋伸夫)で、そこに「未来傾斜原理」という考え方が紹介されていた。

 『現在の損得勘定よりも未来を残すことを選択し、その実現への期待に寄りかかり、傾斜した格好で現在をしのいでいこうという、意思決定を行う原理』だそうである。

 本ブログの「損失関数の難しさと世代間闘争」や「損失関数と限界効用」でも似たようなことを書いたかもしれないが、単なる二次関数という形式的には簡単な損失関数を信用できるか、本気で運用できるかは、やはりこの「現在の損得勘定よりも未来を残す」ということをいかに決められるかどうかにかかっている。

 許容差を機能限界に近いところに設定すれば、つまり出荷時で不具合にならない程度に許容差を広げておけば、当面の製造工程内の不適合はへって、喉もとの熱さは忘れられるかもしれないが、将来リコールや機会損失とという形で、何倍ものツケが回ってくるのである。

 これが一個人の問題であれば「未来を残す」ということは、特に行き先不透明な現在では普通にやっているだろう。将来お仕事のために勉強したり、老後の生活ために貯金したり、節制して体を鍛えたり・・・と将来のために、現在のリソースを犠牲にしたり努力したりするのである。

 しかしこれが組織になると難しい。現在の努力やリソースの犠牲の報いとしての受益者は、おそらく、自分ではない次の責任者であるからだ(しかも未然防止なので、礼の1つも言ってもらえないだろう)。逆にいえば、現在の利益先取りした場合、将来のツケの支払いは、自分ではない次の責任者がおこなうので痛みは感じにくい(国の借金も同じだ)。見えないところの痛みが分かりにくいのは、本ブログ「名前のない豚」でも書いたとおりだ。

 現在のように仕事が細分化され短期で定量的な成果が求められるような管理方法では、この傾向は強くなる一方であろう。損失関数の難しさなかなか根深いものがある。

 損失関数は、SN比(真数)の逆数だから、技術開発の成果を効果金額で評価するのには分かりやすくていいかもしれない。ただそのときに重要なのは、いわゆる経営成果の数値とは分けて管理したほうが便利だろうということである。損失関数が示す数値は、上記のごとく将来得られるはずの--でも現世代にはあまり関係のない--有形・無形の金額なのだから。

【今日の言葉047】

システムは工夫するものに優しい。

#システムやツールやプログラムをおしきせのまま鵜呑みにして使っていると、いろんな間違いやミスを犯してしまいます。自分で考えて工夫すれば新しい発見もあり、頭を使わなくても自動的にできる部分はシステムに任せて効率化できるのですね。タグチメソッドもそんな感じがします。

2010/01/20

【今日の言葉046】

健康は第一の富である。

#エマーソン 「人生読本」より。
 血便が出るので本日休暇をとって、大腸内視鏡検査を受けてきましたが、幸い悪性のものは見つかりませんでした(しかし痔は養生する必要あり)。命あってのものだね、元気があればなんでもできる、ですね。体は大切にしましょう。

2010/01/12

【今日の言葉045】

 「危機」という字は「危ない」という字と「チャンス」という字でできている。ピンチを乗り越えればそこにはチャンスが待っている。

#ピンチは、次の段階へ進むための覚悟や能力を試されているのかもしれませんね。

2010/01/11

クロ・デュ・ジョゲロン2003 と グリルドオニオン

 AOCはオーメドック。ボルドー特有の渋みは少なく、落ち着いた飲みやすいワインだった。
ボルドーの当たり年と言われる2003年、2005年のセットで買ったので、1本あたり1700円ほどと、このプロフィルのワインにしてはお買い得だった。

 料理のほうは今回はサイドメニューをご紹介。タマネギを丸ごとオーブンで30分焼くだけ、というこのシンプルな料理(?)が超うまい。ナイフでスっと切れるほど柔らかく、甘い。エキストラバージンのオリーブオイルと塩をつけていただく。

 絶対jはずせないポイントは、地元は淡路産のタマネギを使うこと。一度、北海道産でもやってみたが、断然前者のほうが甘く柔らかかった(時期や個体差もあるだろうが)。オイルと塩もそのまま食すものなので、ややいい物を選びたい。

 参考まで、それ以外は豚肉をマリネしてローズマリーで焼いたのと(タマネギと一緒に15分焼く)、2日前に作ったラタトゥユの残り。カレーやシチューなどと同じように、ラタトゥユも1,2日おいたものが、味が入ってうまい。あとはアボカドをぶつ切りにしてわさび醤油で。

2010/01/10

【今日の言葉044】

 撤退を百回繰り返しても、何も手に入らない。撤退することを学んでしまうと、何かあるたびごとに『どうせ無駄な時間を費やすだけだ』と都合の良い理由を探し、すぐに匙を投げるようになるのだ。本当にダメなのかどうかは、時間がかかってもいいから自分の目と自分の手で確かめてみなければならない。そうして、完成品をとにかく作り上げることが重要だ。

#中村修二(青色LEDの発明者)の言葉。

2010/01/03

【北海道グルメ】北海の海鮮なら永田水産と船長の家

子供ができてからは行けていないのだが、海鮮好きで道東にいくことがあれば、ぜひ立ち寄って欲しい宿が、カーリングで有名になったサロマ湖畔は常呂町にある「船長の家」だ。
 http://www.sentyounoie.jp/

 詳しくはURLに譲るが、写真は晩御飯の一例(こと後で、まだジャンジャン出てきます)。これで一泊2食付で8400円から。「死ぬほど食べたい方」と書いてあるが、誇張ではなく、私も未だかつて(しかもチャレンジしたのは大方20代の頃なのに)晩御飯を完食できたことがない。一度品数を数えたことがあるが、確か20数皿はあったはず(その中に毛がに、すわい、たらばを含む)。宿のオーナーが船長なので、新鮮なものが出てくるので味も間違いなし。

 さすがにサロマ湖まではなかなか行けないよぅ、という方には、同じオーナーが経営する併設の「永田水産」で通信販売もある。近年は、年末に正月用の海鮮を取り寄せるのが恒例になっている。

 ただし、このURLにあるオンラインショッピングの機能は、今は運用されていない感じなので、電話かFAXをすればすぐに商品一覧と申し込み用紙を送ってくれると思う(一度、利用したら毎年年末に送ってくれる)。



【今日の言葉043】

スキーの法則(抜粋)
①スキーの上級者がバランスを崩さないのはうそ。 より難しい斜面で速くすべるのでバランスは崩しやすい。 しかし大きく崩れる前に細かいリカバリーを繰り返し行っている。
②技術的な壁より心理的な壁のほうが大きい。一度滑った急斜面は、滑れる。
③怖がると転ぶ:不安がよぎると余計なことをして次の瞬間に転ぶ。


#つまり、 仕事の達人もチャレンジが多いほどミスをするが、水面下で繰り返しリカバリーを行っている。難しそうに見える仕事も一回滑り降りてみる。余計なことを考えずに、一度決めたことは結果を気にせずやり続けてみる。
 久米伸行「考えすぎて動けない人のための”すぐやる!”技術」より。

2010/01/01

【今日の言葉042】

新年は単なる地球の回転である。

新年を「未来」にするのは人の意志である。


#あけましておめでとうございます。今年もいい一年にしたいですね。